マーケティングコンサルタントの松野です。マーケティングコンサルタントとして独立して今年で23年目。支援させていただいた企業は、延べ1600社余りとなりました。業種業態に関わらず、規模も本当に様々です。そのなかで最近、多くの会社さんからいただくご相談が「なんとか商売は保ってるんだけど、利益・利益率がどんどん落ちてきている。早く手をつけないと…」ということです。<続きを読む>
しかも、一朝一夕では解決できない状態になっているケースが増えてきているように感じます。
例えば、ある程度店舗数をやってる小売店の方がいらっしゃるのですが、小売店は消費者の多様化・個性化に伴い、とにかく商品数が多くなってきています。多品種小ロットといった話になり、どんどん商品が入れ替わっていきます。すると、商品を店頭に並べたり、並べ替えたり、売り場を作り変えたり…。そういった「作業」がスタッフさんの仕事になっているんです。つまり、お客様に関わることができない。そうすると、作業はうまくなっても、お客様に何かしてあげようとか、そういう前向きな気持ちが失われていくので、どんどん疲弊していって育たない。喜びを感じられない。辞める。人が採れない。それに対して手当をしていくコストがかかる。利益が減る。より手が打てなくなる……。
こんな悪循環に陥ってる会社さんが本当に多くなりました。もう課題が、問題が、複雑化しているんですよね。例えば、採用がうまいこといかないというのも、これだけの問題ではないと思います。そういう意味でいきますと、一つ一つのマイナス課題を解決しようとするよりは、もっと根本的なところに目を向けて手をつけていくことが非常に大きなポイントになってくると確信しています。
複雑化したときは原点に返る。これが基本です。原点とは何かというとやはり「お客さん」なんです。ただ、いわゆるお客様は神様ですのように、何でも言うことを聞くっていうスタンスでは全くなく、お客さんの要望することの少し上を行く、期待を少し超えていく。そして喜ばれる。役に立つ。それがどんどん積み重なっていくと、なくてはならない存在になっていけるんですよね。
ここがすごく大きなポイントになってくるなぁというように実感しています。
僕は23年間、「コト売り」をずっとやり続けているのですが、ベースとなる二文があります。
・誰にどんなことができるのか。
・それはどうしてできるのか。
この2つで、特に1文目ですね。
誰にどんなことができるのかということから始めていきましょう。誰、つまりお客さんに、どんなことができるのかから始めていきましょう。というお客さんから始める「お客さん起点」。お客さんからスタートするということが今、非常に有効になってきています。
一般的には「お客さん視点」と言われますが、こう言われてお客様視点になれればいいんですけど、売り手側が「お客さん視点」になるというのはなかなか難しいです。
だから、売り手としてでいいので、「お客さん」を起点にして色々ことを考え始める。これができてくると商売が大きく変わっていきます。
多くの方が、今回セミナーのタイトルでもある「お客様に喜ばれる」なんて当たり前じゃないか、と感じると思います。また、僕自身もコト売りは、20数年やってきてるわけですから、聞いたことがあるという方、やったことがあるという方もいらっしゃるはずです。
ただ、少し勘違いのような話が多いなと思っています。
つまり、お客さんを喜ばせるというのは、要望を聞く、言われたことをやるというような形で、例えばもっと安くしてよと言われたら、なんとか安くできる方法を考えます…ということではありません。
これでは、どんどん要望がエスカレートするだけです。
そうではなく、本当はこういうことをしてほしいんじゃないかということや、本当はこういうアプローチを望んでるんじゃないかっていうことを、仮説を立ててアプローチをしていくということです。
顕在的な不安や不満、不便なこと、困っていることに アプローチをするのではなく、潜在的なことにどうアプローチをして、確認をしていくかということが非常に大きなポイントになっているんです。
今回のお客様を喜ばせるという意味では、言われたことをやるというのではなく、言われないことに気づき、それをどうやってやるかというのが本質です。
コト売り=体験を売れのような話も全く違います(実は、僕も23年前はこの角度で入りましたが…苦笑)。今回お伝えするやり方でずっと1600社の方と関わっていくと、次から次へと問題も課題も出てくるものの、このやり方と考え方一本でどんどん解決していっているんです。
これからもっと使えるようになっていくのは間違いありません。
セミナータイトルとしては抽象的ですが、商売の原点が「お客さんに喜ばれることにある」というところで、今回このようなタイトルにしています。
当日は、何から始めればいいの?ということを、様々な事例を出しながら、実務的なことも踏まえてお伝えしていきます。ぜひ会場でお会いできたら嬉しいです。
(長文となりましたが、お読みいただきありがとうございます)