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本

社長が自信をもって人を動かすための８つの条件

自信をもって人を動かす

激動期の社長が身につけなければならない「部下について来させる力」「人を束ねる３つの原則」「物事を着実にさばく力」等、社長が自信をもって人を動かすための〈８つの条件〉を、社長の名参謀軍師・小林剛が「激動時代の人間社長学」として緊急提言。

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本の概要

発刊年: 2010年年

ISBN: 机上版 978-4-89101-264-9
皮革版 978-4-89101-265-6

著者紹介

小林　剛 (こばやしたけし)オープン・アカデミー研究所　所長

　社長の知恵袋として、社長から発せられる問いに対し、それが国際政治であろうと企業経営あるいは個人的な家庭問題であろうと瞬時に本質を捉え即答する。

　氏は時流に流されず一貫して「自分もまわりも輝く」という独自の哲学を貫く信念の人。

　古今東西の哲学、歴史、戦略論に精通し、その人間の本質を衝いた言葉は、まさに寸鉄人を刺す、社長が夜も眠れず悩む問題を見事に捌き、明日への勇気を与える。
　ときに、言葉鋭く直言することもあるが、氏の知と勇の源泉は、なによりも人間を愛する哲学であるため、非情でありながらけっして無情ではない。

　そういう厳しくも暖かい助言に救われた社長は数知ず、零細企業の社長から大企業の社長まで、氏に教えを請う人が後を絶たない。

　１９３３年鹿児島県生まれ、熊本大学卒。オープン・アカデミー研究所所長。こよなくクラシック音楽と酒を好み、なによりも志づ子夫人を愛す。囲碁の腕前は四段。

目次・まえがき

商品の概要

発行：2010年1月27日　　形態：Ａ５判（15c×m21cm)　本文488ページ

　激動期の社長が身につけなければならない「部下について来させる力」「人を束ねる３つの原則」「物事を着実にさばく力」等、社長が自信をもって人を動かすための〈８つの条件〉を緊急提言。
　２代目、３代目社長が克服すべき〈７つの弱点〉とその克服法。社長の名参謀軍師・小林剛が説く「激動時代の人間社長学」

トップにもっとも求められる力／「なぜ？」に答える力／ついてこさせる力とは／バカの三条件／経営者にとって重要な四つの軸／堕落の始まりは「目的」と「手段」の混同／夢と哲学をもて／サーファーであれ、同時に鷹であれ／金融破綻をどう捉えるか／資本主義そのものがおかしい／資本主義の新たな怪物／中小企業の強みを活かせ／２１世紀は誇り高い中小企業の時代

第一編　社長が自信をもって人を動かすための〈８つの条件〉

〈条件１〉トップは非情であれ無情になるな
トップは部下に愛されたいと思うな／怖れられよ、ただし憎まれるな／非情と無情を取り違えるな／賞罰権は他人に渡すな／自分にとって相手は／コマ劇場型の改革／二つの人間のタイプ／人事の仕組みの中にエレベーターがあるか／目先の利益に一喜一憂する重役は追放せよ／関連型と関係型を整理する／捨て去る勇気をもて

〈条件２〉トップは優れてペシミストであれ
トップが物事に楽観的なのは致命的な弱点／事、志に反して／現実にはきびしく、明日には夢を／危機型と危険型の悲劇／勝ち戦さから学ぶ／“勝ち”の条件／“勝因”を今後の経営戦略に生かす／倒産の原因は内部にある／成り上がり気分に注意／計画はスケジュールではない／マージャンの時代

〈条件３〉部下について来させる力をもて
リーダーシップは陣頭指揮ではない／言い訳をしない／二つのタイプのリーダー／得手に帆をあげよ／指揮に七分、指導に三分／具体的表現を／命令の三つの条件／自分のペースで人を動かす力と条件／順応力なくしては部下を動かせない／馴致と順応をめぐる三つのタイプ／
なんとしても確保すべき三タイプの側近／組織を束ねるための三原則／追放すべき獅子身中の虫／部下を見分ける／有能、無能にこだわるな／何をもって責任というのか／適材適所の基準

〈条件４〉下情に通じよ、ただし下事に通じるな
下情に通ずとは／屈辱型の人間になれ／部下の「存在」を大切にしてやる／現代人は孤独／下情を忘れやすい三つのタイプ／叱るときは本人に、褒めるときは他人に／教えるのではなく、問いに答えること／「生きざま」と「失敗談」を語る／エクスターナルワードに強くなれ／知ることとわかること／同情と思いやりの差異／不満はまず聞いてやること／部下の泣き言、言い訳は聞くな／人を束ねるための三つの原則／説得に必要な迫力と情熱／加点法で人間を見よ

〈条件５〉的確な判断と勇気ある決断を区別せよ
決定に自信をもつ／「独断」と「偏見」の違い／見切り、ふん切り、思い切り／状況判断と三つの姿勢／全体の中での位置づけ／下司の勘ぐり／認識は虫瞰図型で／熟慮断行と断行熟慮／情報とトップの姿勢／インフォメーションとインテリジェンス／情報に対する三つの鉄則／否定的情報に注意

〈条件６〉弱者が強者に立ち向かう知恵をもて
戦略とは弱者の知恵のこと／孫子の四つの規準／「どうありたいか」と「どうするか」を分けよ／類と種を区別する／敵はだれかを知る／中途半端が一番まずい手／ホスピタリティ型の仕事に力を入れよ／多角化の盲点／多角化の問題点／アウトレンジ型からインレンジ型へ／
全国販売の幻想を捨てよ／力とは耐える力のこと／しか型商品をヴァリュー価格で売る／新商品は市場ゼロから／餅は餅屋にまかせる／商品を産むより育てることが大事／シェアは一等場所の取り合い

〈条件７〉似て非なるものを見分けよ
似た言葉を整理することが哲学の第一歩／理論と論理／先見力と洞察力／妥協と調整／交渉と協議／セールスマン・固定客担当・ルート担当／説得と説明／デューティ型責任とレスポンシビリティ型責任／マネジメントとオペレーション／責任感と使命感

〈条件８〉本物の国際的センスを身につける
グローバル時代に求められるもの／一人の人間として接する／加害者は忘れるな、被害者は忘れろ／国際センスとは／「態度」と「対策」の混同を避けよ／確認しておきたいカルチャーギャップ／タテマエとホンネが逆になっている日本人／「偽」の論理から自らの論理を／本来の「契約」の意味／日本人はチクロイド型が好き／信頼型の信用を勝ち取れ／ミメーシスとは何か／自らの立場を客観的に見直せ／バナナからオレンジへ

第二編　二代目、三代目が克服すべき〈７つの弱点〉

〈弱点１〉権力と権威
オーナーと息子の決定的な違い／ニセモノの権威とは／権威を得るための三つの修養／二代目としての大きな課題

〈弱点２〉知識があっても知恵がない
オーナーを知恵の師と仰げ／修業の第一歩は己の至らなさを確認すること／知識とは覚えること、教養とは忘れること／教養とは富士山

〈弱点３〉ナルシシズム
致命的な弱点／母親の溺愛を封じよ／ナルシストのためのリトマス試験紙／欠点を認めず、成長の糸口がつかめない／耐える力が弱い／劣等感をもったナルシストが人の上に立つと

〈弱点４〉王道と覇道のバランス
二代目は覇道の世界に弱い／お人好しのリーダーは危険／覇道とバトンタッチ／バトンを渡す時期

〈弱点５〉人間味
下情に通じにくいのが二代目の難点／相手と同じところまで下りていけるか／鬼平だったらどう捌くかを考えよ／心の機微がわかる人

〈弱点６〉見えないものを観る力
観る力がないとダマされる／ひと目で人を見抜く力／三手だけ「ヨム」努力／右腕にしてはいけないタイプ／側近の二つのタイプ／本人そのものではなく第三者を見て判断する／本を読んで想像力を養う

〈弱点７〉目指すもの（哲学）がない
夢と哲学を次代へ伝える／後継者タイプか相続人タイプか／希望とは夢である／自信をもって人を動かすには哲学が必要

まえがき

　～自分もまわりも輝くために～

　「自分もまわりも輝く世界を一つでも多くつくりたい」というのが私の夢である。もちろん企業も例外ではない。本書は一人でも多くの社長に「自分もまわりも輝く会社」を築いていただきたいという願いを込めてまとめたものである。なぜなら、そういう会社にできるかどうかの鍵は、ひとえに社長の采配にかかっているからだ。

　書名に「自信をもって」という言葉をつけたのは、社長の命令で部下が動くのは当たり前、しかし同じ動くにも、部下がしぶしぶと動くか、嬉々として動くか、その違いは天地の差である。自分もまわりも輝くために社長がどちらを目指すべきかは言うまでもないだろう。

　そういう意味で、本書は部下を動かすための表面的なテクニックを説いたものではない。テクニックでは人を説得できないし、人を納得させてイキイキと動かすこともできない。

　そもそも、なんのために社長が自信をもって人を動かさなければならないのか。人はどのようなリーダーのもとで嬉々として動くのか。そのためにリーダーに求められるものは何か、本書は社長が無意識であろうと意識的であろうと身につけなければならない力と条件を提示したものである。

　私はこの半世紀の間ずっと、人間が物質的な豊かさを求め続ければ、人間はどうなるのかを考え続けてきた。世界が目指してきた工業化社会は人間に物質的な豊かさというすばらしい恩恵を与えたが、一方で、人間として大事なものを失わせてしまった。

　それは、人間が生きるうえで一番大事な「人と人のあいだを大切にする」ということである。われわれは物質的な豊かさを求めるあまり「人と人のあいだを大切にする」ことをないがしろにし、大人は「人とカネ」「人とモノ」のあいだに夢中になり、若者は携帯やパソコンなど「人とメカ」のあいだを大切にするようになってしまった。

　そしてこれは、企業も同じである。一時、問題になった成果主義という考え方がこの流れを加速させ、企業の中での人間的あたたかさや潤いを損なわせた。その結果、自分だけはなんとか時代の流れから落ちこぼれないように懸命になり、みせかけの自分と本当の自分とのギャップで苦しむ、いわゆる疎外感を強くもった人間を多く生み出したのである。

　結論を先にいうと、私が社長にお願いしたいのは、人と人のあいだを大切にし、お互いに精一杯生き、お互いに「良かった」といえる世界をつくっていただきたいこと。そしてその結果、自分もまわりも輝くような職場、歓びのある職場にしていただきたい。そのための手段として、利益を追求する会社にしていただきたいということである。

　言うまでもなく「歓び」とは人と人のあいだでしか存在しない。「楽しみ」は刺激による一時的な快感であり、相手が人間でなくても得られる。しかし、「歓び」は一時的なものでなく、人の心に一生涯刻み込まれる。快があっても歓びがないのが現代人である。

　仕事は厳しいが歓びのある会社、そういう会社で働ける人たちはけっして自分を見失うことはなく、本当の自分を出しきって力を発揮することができる。人が目をキラキラと輝かしながらイキイキと働くのは、銭カネではないのである。

　人生は二度と繰り返すことができない。誰しも一回しかない人生をよりよいものにしたいと願って生きているはずである。社長が自らの人生を振り返ったとき「わが人生に悔いなし」と思い、部下は部下で「この社長についてきて良かった。この会社で働けて幸せだった」と腹の底から思える人が一人でも増えることが筆者の願いであり、残された私の命の使命と考えている。

　そのために、文中で私は社長に対していろいろと厳しい条件をつけた。また二代目、三代目の社長には耳が痛くなるような弱点をズバリ指摘した。しかしそれもこれも「自分もまわりも輝く」会社に一歩でも近づく努力をしてもらいたいがためである。私の言葉がすぎる点はどうかお許しいただきたい。

　いずれにせよ、本書は創業社長にはこれまで無我夢中でやってこられたことを再確認する書として、さらに二代目、三代目には初代の夢を引き継ぎ、新たな方向性を模索する書としてお読みいただければありがたい。

　最後に、出版の機会を与えてくださった日本経営合理化協会の牟田理事長と作間常務理事にお礼を申し上げたい。さらに東京と大阪を何度も往復し、目元が不自由な私を助けて原稿をまとめてくれた岡田編集長に心よりお礼を申し上げたい。

　岡田編集長の言葉につくせない尽力なくしては本書は完成しなかったであろう。また昨年の夏以降、二度にわたる目の手術をした私を励まし、献身的に支えてくれた妻志づ子に心から感謝を捧げたい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2009年12月吉日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小林　剛

社長の経営セミナー・本・講演オーディオ音声・動画・CD＆DVD「MIMIGAKU／ミミガク／耳学」【日本経営合理化協会】

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