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第196回 『計算されたリスクを冒すことのできる人』

第196回 『計算されたリスクを冒すことのできる人』

抜擢人事というのは、いつの時代でも話題を呼ぶものだ。
 
今も語り継がれる大抜擢といえば、
松下電器の山下俊彦氏と、ソニーの出井伸之氏。
結果的に、それぞれ24人抜き、14人抜きで、
両氏以上のランクにあった役員を飛び越えてトップに抜擢されたわけだが、
そのことに関して、知人のある社長は私にこう語ったことがある。
 
 「松下のときはさほど驚かなかったが、
  ソニーのときはビックリしたというより、正直。ショックを受けた。
  大抜擢人事は、松下幸之助さんというカリスマ創業者だからこそ成し得たのであり、
  サラリーマン社長には不可能なことと思っていた。
  それを大賀さんは実行してしまったのだから……。」
 
私の場合、外資系が長いということもあって、
日常茶飯事とはいわないまでもしばしばドラスティックな人事に出くわした経験があり、
さほど驚くようなことではなかった。
 
しかし基本的に日本企業は、会社に人生のすべてを賭ける人たちの集団であり、
そこは自ずと序列や順番が尊重される。
 
社長といえども創業者でないかぎり、それを壊すことは許されないという雰囲気があり、
それが彼にとってショックという反応に表れたのだろう。
 
 
伝統的な日本企業のあり方は、大きく変化しつつある。
 
これからの新しい時代に求められるリーダーとは、
いったいどのような人物だろうか。
 
以下、後継者や右腕となるべき人物を指名するにあたって、
トップは何を判断基準とするか、まとめてみたい。
 
トップが期待するリーダー像を見ることによって、
一流のリーダーとなるための参考とすることができるはずだ。
 
 
当時、ソニー社長の大賀氏は出井氏を後継者として指名するにあたり、
その理由について、記者会見でこう発言したそうだ。
 
 「経営の難局に彼の心臓の強さを買った」
 「ソニーの社長というのは、まず技術がわからなければならない。
  そしてハードとソフトをバランスよくやれる人でなければならない。
  全世界に出かけて行くわけですから語学力も絶対必要…。」
 
これをまとめてみると次のようになる。
 (1)度胸がすわっている
 (2)バランス感覚がある
 (3)新分野への臭覚が鋭い
 (4)語学が堪能である
 
この4つの条件は、日頃私が考えていることとほぼ一致する。
 
私は、《計算されたリスクを冒すことのできる人》としての
判断力・決断力のある人をリーダーの第一条件にあげているが、
《度胸がすわっている》というのも同じ意味だろう。
 
《バランス感覚がある》というのは、
技術部門なら技術部門だけ、営業なら営業だけに精通していてはダメということ。
 
 
後継者に指名された出井氏は、元々、営業や広報畑だが、
技術部門であるコンピュータやビデオ部門の部長もこなしてきた。
《ハードとソフトをバランスよくやれる人》というのも同じような意味で、
そうした人は《新分野への臭覚が鋭い》ものである。
 
(4)については説明するまでもなく、
現在では、英語にプラスしてもう一か国語をマスターしたいものだ。
 

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経営コラムニスト紹介

国際ビジネスブレイン代表取締役 新 将命氏

新 将命 (あたらし まさみ)氏
国際ビジネスブレイン 代表取締役

海外留学の経験なしで、MBA出身者がしのぎを削る外資系企業に挑戦。
卓越した実行力・実務能力とバイタリティで、抜群の実績を上げ頭角を現わし、
社長業はじめ数々の要職を歴任してきたグローバル経営時代の先駆者。

目先の業績ばかりが重視されがちな外資企業にあって、
“企業は人なり”を経営信条に中長期的な会社づくりを展開。
四半期毎の業績獲得はもちろん、永続繁栄のための基盤づくりに貢献する。

1936年東京生まれ。早大卒業後、シェル石油入社。
その後、米国コカ・コーラカンパニー・オブ・カリフォルニア、
ジョンソン・エンド・ジョンソン社長、
米国フォーチュン500でも著名なサラ・リー社の日本法人社長、米国総本社の副社長、
日本フィリップス代表取締役副社長、日本ホールマーク社長などを務める。

国内にても、堂々と多国籍企業と渡りあえる企業の育成を主眼とした経営指導機関
「国際ビジネスブレイン」を設立。
住友商事アドバイザリーボードメンバー、ファーストリテーリングアドバイザー、
健康コーポレーション取締役、グローバル・リンケージ取締役など、
大中小企業の取締役や社外重役等を歴任する。

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