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第77回 ペット好きも、ペット嫌いも共生できる社会への一歩「西武グループ」

第77回 ペット好きも、ペット嫌いも共生できる社会への一歩「西武グループ」

 ◆Pet Smile Project  ペットスマイルプロジェクト◆ 


「ペット好きも、ペット嫌いも共生できる社会への一歩

 

 

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ペット・スパでのトリミング体験する小学生。「Pet Smile Project」に先立ち、2010年に「西武グループ こども応援プロジェクト」を立ち上げていたからグループ連携がスムーズだったのだろう。こども応援プロジェクトでは、家族の思い出づくり、子どもたちの健やかな成長を支援するためにホテル、鉄道、水族館、野球場、スキー場、スケート場、など同グループの施設を利用して職業体験、野外活動、スポーツ体験など様々な「場」を用意している。たとえばペットケアショップの1日店長は6名募集のところに30名もの応募があったという。

 

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犬と一緒に乗れる貸切電車『いぬでん』。
ゆうえんちのイベントにあわせた限定企画として西武新宿駅と西武遊園地駅を往復。

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としまえん。期間限定で愛犬とアトラクションを楽しめる。飼い主の方が楽しそう?

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愛犬と宿泊できる箱根園コテージウェスト プリンスドッグヴィレッジ。ドッグウォークも併設。

 

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グランドプリンスホテル新高輪の全天候ドッグラン。愛犬と一緒にくつろげるラウンジスペースもある。

現在、犬を飼う人は増加の一途をたどっている。たとえば東京都の登録頭数をみると、1998年には約299万頭だったのが2011年には約506万頭。その大きな理由として犬の飼育が可能な集合住宅が増えたことがあげられる。例えば首都圏で犬を飼える新築分譲マンションの割合は、98年にはわずか1.1%。それが、2007年には86.2%、現在ではほぼ100%可能になった。また、2003年から室内で飼う人と屋外で飼う人の割合は逆転。全国平均で3分の2が室内飼育、一種の家族として飼うようになった。

それにともなってペット連れで入れるカフェ、ショッピングセンター、ペンションなどが増えていった。2011年から、ついに、鉄道やバスなどの交通インフラや、ホテルやレジャー施設など、公共色が強いサービスを提供している西武グループも、ペットの受け入れに力を入れ始めた。愛犬と一緒に出かける「Pet Smile Project」がそれ。西武グループ各社で、ペット関連サービスや限定企画などを充実させていこうという試みだ。

例えば、グランドプリンスホテル新高輪。シティホテルでのペットの本格的な受け入れは、おそらく初めてだろう。犬を預ける施設を併設し、その他、愛犬と一緒に宿泊できる部屋や全天候型ドッグラン、それに付帯する専用ラウンジなどが揃っている。愛犬を連れた宿泊客の典型的な観光コースは、代官山の犬連れで入れる洒落たカフェでお茶を飲んだり、自由が丘の犬用ブティックで買い物したり、お台場でゆったり散歩したりすることだ。地方には、そうした施設は少ないため、ペット雑誌などの紹介記事を見ながら、ぜひ行ってみたいと考えている愛犬家は少なくない。同ホテルは、そうした客のニーズに見事にこたえている。

また、『としまえん』や『西武園ゆうえんち』でも期間限定で受け入れが始まった。普段はファミリー層や若いカップルが中心だが、犬同伴が可能な期間は、女性一人、初老の夫婦といった普段とは全く違う客層が中心だ。数十年ぶりに遊園地を訪れたという人も少なくない。だからこそ、久しぶりのメリーゴーランドやアニマルカップや観覧車などのアトラクションを心から楽しんでいる人が目立つという。「Pet Smile Project」によって遊園地は、新たな客層を、しかもオフシーズンに呼べるというメリットが得られ、客は犬をきっかけに久しぶりに遊園地で遊ぶ機会を得られたわけだ。

さらに、西武鉄道は西武園ゆうえんちのイベントにあわせて西武新宿駅から西武遊園地駅まで、電車内で犬をケージから出して乗れる「いぬでん」を走らせた。新宿から愛犬家同士が和気あいあいと専用電車「いぬでん」に乗って遊園地にまで遊びに行けると大好評だったという。

「Pet Smile Project」がスタートしたきっかけは、2006年に西武グループが掲げたグループスローガン、「でかける人を、ほほえむ人へ。」だ。これは同グループが提供するサービスによってすべての客にほほえんでもらおうという決意を表している。「これだけペットを飼う人が増えてきたのに愛犬同伴者を『でかける人』に含めなくていいのかという議論が盛り上がり、プロジェクトがスタートしました。」とペットケアショップ「PET-SPA」の運営やペットと暮らす住宅のコンサルティングなどを手がける西武グループのアドホック株式会社の田中健司社長。

しかし、顧客の中には、犬嫌いの人、犬アレルギーの人がいるだろう。犬好きには歓迎だが、犬嫌いにはたまったものではない。そうした問題を抱えつつも、プロジェクトがスムーズに動き始めたひとつの理由は、同グループの軽井沢プリンスホテルが2005年に犬と一緒に宿泊できる施設「プリンス 森のドッグヴィレッジ」をオープンし、犬の受け入れのノウハウを積んでいたからだ。

例えば、クリーニング。仮に犬の毛などが一般の客室に入ったら、ホテルのブランドは大きく傷つく。そこで、ペットと宿泊できるコテージと一般の客室ではリネン類が混じらないように色を換えた。さらにクリーニングの業者をそれぞれ別にし、室内の清掃要員も分けた。受け入れるなら、そこまで気遣う必要があるわけだ。その結果、これまで犬をめぐる大きなトラブルは発生していない。

一方、犬と一緒に宿泊するコテージが並ぶドッグヴィレッジにはトリマーが常駐している。到着後すべての犬に“犬のチェックイン”と称し、ネイルカットやブラッシングなどエチケットケアサービスを提供し清潔さを保っている。飼い主の外出時は滞在中無料で犬を預かるサービスもある。15部屋でスタートしたペット同伴のコテージは大好評だったため、まもなく25部屋、現在は35部屋に増やした。犬同伴のサービスによって顧客が増えることは証明されたわけだ。このような経験と実績が、「Pet Smile Project」の後押しになった。

ペット同伴が可能な場所は、愛犬家が集まる特殊な場所から公共の場に広がりつつある。西武グループの取り組みは、そうした傾向に一層の拍車をかけるだろう。BtoCの企業は、一度、ペットの受け入れやペット関連サービスなどについて検討しておいた方がよさそうだ。ペット受け入れが当たり前になった時に慌てずにすむし、ひょっとしたら思わぬビジネスチャンスを発見できるかもしれない。(カデナクリエイト/竹内三保子)

 

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

「Pet Smile Project」ポータルサイト
http://www.seibu-group.co.jp/pet-smile/index.html

 

 

 

 

 

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雑誌、書籍、PR誌の編集プロダクション。『月刊ビッグ・トゥモロウ』(青春出版社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。その他、PR誌、社内報などの制作を手がけている。著書『小資本で、でっかく儲ける法則』『「イベント」で繁盛店』(同文舘出版)。執筆協力には『大失業時代の勝ち残り経済学』(青春出版社)『とげぬき地蔵経済学』(メディアファクトリー)『かけがえのない「スキル人間」になる』(光文社)をはじめ多数。

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