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第32回(時間の節約を意識させる)「WASH&FOLD」

「社長の繁盛トレンド通信」

WASH&FOLD


「時間の節約」を意識する

 
 


 

店舗は、駅から離れた閑静な商店街の中にあるが、集配・宅配がメインなので、とくに支障はないという。現在の宅配可能エリアは近隣地域と港区。エリアは順次拡大を予定している

 

活気のある店内。洗濯機は常に稼働中だ

     
 

強力な洗浄能力が自慢のアメリカ製洗濯機。
コインランドリーとしても利用できる

  洗濯を頼む時は、この専用ランドリーバッグに洗濯物を入れて、渡す。容量は6kg。
1~2人暮らしの人なら、
1週間分の洗濯物が入りきる大きさだ
     
 

洗濯・乾燥が終わったら、スタッフが丁寧にたたんでくれる

 
コインランドリーとして利用する客のために、居心地の良さに気を配った。雑誌や飲み物も用意されている

 
掃除、洗濯、庭の手入れ…。家事代行サービスを手がける企業が、ここ数年で急増している。
高齢者や多忙な人が増えたことが、背景にあるようだ。

生き残りをかけて、各企業は熾烈な争いを繰り広げている。
とくに洗濯サービスは、クリーニング店も加わり、飽和状態に見える。



しかし、そんな中にも、チャンスは残されているものだ。
東京・代々木のコインランドリー「WASH&FOLD」は、
2005年4月にオープンして以来、顧客を急激に増やしている。



人気の秘密は、コインランドリーでは珍しい「洗濯代行サービス」を手がけていることだ。



コインランドリー用洗濯機を使った洗濯から、乾燥、手たたみまで、一連の作業を代行している。
店に行く暇がない人のために、集荷・宅配もしている。
日中、家を空けている人でも、気軽に利用できるよう、宅配は深夜0時までおこなう。



依頼する時は、専用のランドリーバッグに洗濯物を詰め込む。
バッグの容量は約6~8kg。1~2人暮らしなら1週間分の洗濯物が入る。



料金は、ランドリーバッグ単位で、1個につき2400円(※持ち込みの場合、1800円)。
自分でコインランドリーを使うよりは数倍の値段になるが、
ハウスキーパーやクリーニング店に頼むのに比べると、お得感がある。



日本では珍しいこの業態だが、実は、アメリカには昔から存在していた。
経営者の山崎美香さんがこの業態を知ったのも、アメリカ出張の時、自身が利用したことがきっかけだ。



以前から山崎さんは洋服店とカフェを営んでおり、多忙な生活を送っていた。
洗濯をするのは休日のみ。
時間がもったいない、と常々感じており、「私のような 人に支持されるはず」と開業を決意したそうだ。
駅から離れた場所に店舗を置くことで、開業費用を1000万円弱に抑えた。


日本では馴染みのない業態だったが、心配は要らなかった。
当初こそ、チラシを配る程度しか宣伝しなかったこともあり、ほとんど注文がなかったが、
口コミで広がり、半年後からは注文数が右肩上がりに増えた。
現在では、月1000件の依頼があるそうだ。



現在、同店では、サービス範囲を高級住宅街の港区と近隣地域だけに絞っている。
そのため、客層は、高所得の家族世帯が中心と思いきや、実際は1~2人暮らしの若者が多いという。

考えてみれば、時間が足りないのは、富裕層に限らず、1~2人暮らしの若者も同じだ。
1週間2400円程度のお金で、少しでも時間が節約できるなら、喜んで払うのだろう。



 「お客様の時間を節約する」サービスの需要は、今後、ますます高まりそうだ。
「WASH&FOLD」のように、まだ埋もれている業態もあるかもしれない。
(カデナクリエイト/杉山 直隆)


◆社長の繁盛トレンドデータ ◆

『WASH&FOLD』

東京都渋谷区代々木3-12-11

TEL 03-3373-1705

最寄駅 小田急線参宮橋駅より徒歩5分



http://www.wash-fold.com/

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