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第34回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:チポトレ

第34回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:チポトレ

勝ち組と負け組が明確になる今、経営者の判断がブレると会社は、これから負け組に入ってしまうでしょう。しかし、経営者の判断が理念を軸に、ブレなければ、会社は、生き残り、勝ち残ることが可能です。

なぜなら、先行きの見えない日本で現場は、経営の判断が常にブレない会社なら、その会社を信頼して“ついていこう”と思い、顧客の声に耳を傾け始めるからです。

会社は、永続する必要があり、永続させるには儲からなければならず、そのためには、顧客の声を聴き、必要とされる会社になり、利益を生み出すことが不可欠です。

経営者は代わりますが、変わらぬ経営理念を軸にブレない経営を実践し、会社の風土を築けば、現場が一つとなり、顧客になくてはならない会社には何が必要か?探り当てることができるのです。

そこで33回連載を終わり、今回からは全3回で“起業”をキーワードに会社が企業風土をどのように経営理念とリンクさせれば顧客を創造できるか?を、現場士気を向上することで売り上げをアップさせている会社を事例と共に解説いたします。
 
 
~これまでのビジネスを否定すると理念が見えてくる!!~
1993年に創業したチポトレは、アメリカそして一部ヨーロッパで約1700店舗(2014年、全て直営、売上げ3210億円)を展開しています。
 
この会社がここまで世の中に支持されたのは、
 
同社が今までのビジネス(利益を生み出す仕組み)のやり方を否定し、
ビジネスのあり方に焦点を当て、
これまでにないビジネスをつくり上げた からです。
 
同社の創業者スティーブ・エルス氏は、数千の小規模農家と契約し、自然に近い環境の中で育った豚を食材にするなど、安全な食作りを徹底し今を築いたのですが、その原点はアメリカのレストラン関係者を育て上げる学校、Culinary Institusion of Americaで調理人として学び、確信した
 
“素材に嘘があってはいけない”
 
という自分自身のあり方=理念でした。
 
 
~理念を追求し、新しいビジネスを生み出せば資金は集まる!!~
チポトレの創業者であるスティーブ・エルス氏は、自身が成功した理由を「大望を持って、小さく始め、規模拡大や失敗を早期に経験したからだ。」と、あるメディアに語っています。
 
同社の成功は、つまり創業者である彼が自身の大望を理念とし、理念を自身のあり方にリンクさせ、会社にブレない軸を築き上げたからです。
 
~チポトレの企業理念~
「Food With Integrity(誠実な嘘のない食品)」
店舗のカウンター上のボードにメニューよりも先に「誠実な嘘のない食品」という食材調達の公約を掲げている
 
大望(理念)は彼の情熱となり、父から借りた$85,000で地元デンバー大学近くのアイスクリーム店を居抜きで改装し、チポトレ1号店を1993年にオープンします。
 
当時NYの(アメリカで有名シェフを生み出す)料理学校を卒業後、西海岸サンフランシスコでシェフとして働いていた彼は当地で人気だったサンフランシスコ版ブリトー(従来の豆やライスお肉にチーズなどを加え、生地で巻き、アルミホイルに包み、何種類かのソースで食べるスタイル)に出会い、このボリューム感あるメニューを屋台のタコス(とうもろこしの粉で作った生地で 炒めた挽き肉やレタス・ チーズなどを挟んだ料理)形式でレストラン仕立てにして提供するお店を思いつきます。
 
ボリュームと味を提供したメニューは、オープンして一ヶ月後には、一日で1000個(一日107個の損益分岐の売上げ)を販売し、大ヒットしました。
 
父から借りた$85,000を元手にした1号店を機にその後は1号店の売上げで2号店を1995年に3号店は起業家向け政府ローンを得てオープンしたのですがこのように資金が巡ってきたのは、彼自身が理念を追求したことで「3号店オープンに至るまで本気で理念を実現したいのか?」その問いに対して以下の答えを見出し、売上げを伸ばしていたからでした。
 
 <創業者スティーブ・エルス氏が見出した答えとは?>
初めはシェフとして高級レストランを志した彼が、チポトレの人気を目の当たりにし、・ ファストフード的な(厳密にはファストカジュアル=ファストフードとカジュアルレストランの中間)これまでにないビジネス(食の提供)の方が同社の理念「Food With Integrity(誠実な嘘のない食品)」をより多くの人に伝えることができる
 
同社は1998年にはマクドナルドからの一部投資を受け、2001年には多くの資金を同社から得ることで店舗を拡大します。
 
そして2006年には上場(マクドナルドは同年同社を手放す)を果たし、チポトレは独り立ちしたのです。
 
~“分かりやすさ”が売上げ(利益)全てを生み出す!!~
チポトレが他の追随を許さないのは、創業者スティーブ・エルス氏が
素材を吟味した料理人(働いていたサンフランシスコのレストランは素材を吟味することで有名)という職歴を持ちながらも、
ファストフード的なシンプルな提供法で売上げと利益を生み出せる(30%以上という高い原価率)お店を開き、
素材志向の食事をお客様に“分かりやすさ”でそのメリットを明示したからです。
 
分かりやすさその1
『シンプルな注文しやすいメニュー』(手順の効率化)
 
メニューは基本ブリトー、ボウル、タコス、サラダのみ
それにトッピングするメイン素材を鶏肉、牛肉、豚肉、野菜等5種類の中から選ぶ
メイン素材にサラダやライス、ビーンズ、サルサなどお好みで組み合わせる
これ以外はサイドでガカモレ(アボガド)か、チップ、あとはドリンクのみ
基本具材は同じで、皮に巻くかサラダに乗せるかタコスに挟むか
 
分かりやすさその2
「待たなくていい」お客様の注文を聞いて目の前でつくる(流れ作業)
 
分かりやすさその3
「全て新鮮で美味しい」~キッチンに冷凍庫や缶切りは置いてない~
一切隠している食材はないことを分かりやすく消費者に伝えるために
オープンキッチン(ファストフードはキッチンが隠され、調理している作業が見えない)を採用。
 
チポトレは、
分かりやすさその1・その2で、ファストフード的なビジネスの手法を真似し、利益を生み出すことに成功。
分かりやすさ”その3で、ファストフードとは一線を画し、一切作り置きせず、目の前で安全な食材で調理していることを顧客に伝えている のです。
 
~“分かりやすさ”だけでなく、世の中のためになるか?が不可欠!!~
チポトレは今、これまで外食業界が踏み出せなかった領域を以下のように実施しています。
 
原材料にこだわりを持ち続け、店舗で粉から具材(巻く皮)をつくる
 
全ての豚肉は自然な飼料で放し飼いにして育てた豚を使い、鶏や牛肉も80%以上がそのような環境で育てられたものを使用
 
国内農産業の活性化のため、極力国産食材やオーガニックを使用し、地産地消を推進
 
遺伝子組み換えの食材を一切扱わない
 
創業者スティーブ・エルス氏は、
大望(理念)を持って、小さく(ファストフードのお店で)始め、規模拡大(マクドナルドからの投資と上場)や失敗(シェフとして働いていたサンフランシスコのレストランもその後閉店)を早期に経験したことで、食材を大切に考える食の職人(シェフ)という自身のあり方を原点とし<料理人から起業する>過程で、理念「Food With Integrity(誠実な嘘のない食品)」の実現には、業界のビジネスの常識(誠実な嘘のない食品はコスト高で支持されない)を打ち破る必要があると確信するに至ったのです。
 
 
■チポトレHP(英語)「Food With Integrity(誠実な嘘のない食品)」
 
■Chipotle CM
人々に食べ物がどこから来ているのか考えて欲しい、という想いを映像化。
(計800万回以上再生、Youtube Twitter Facebookで多くのファンを獲得)
 
 

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経営コラムニスト紹介

ビジネスモデルコンサルタント清水ひろゆき氏

清水ひろゆき氏 ビジネスモデルコンサルタント・H&Hコンサルティング代表

「成熟した日本市場で勝ち残るためには、オンリーワンの企業風土をつくり、価格競争せずに戦う企業を築くことが必須条件」と主唱するビジネスモデル・コンサルタント。20年に渡り、米国専門のビジネスコーディネーターとして活躍。その間、多くの日本の経営者を引き連れ、100カ国以上、400社以上の優秀企業へ直接訪問。独立後も日米欧をまたにかけ、成長企業・成功企業を訪れ、次のビジネスモデルを研究。成功企業のビジネスモデルの法則をもとに、日本の経営者へ最新情報を提供し続けている。

【主な著作】
3カ月で売り上げを20%アップさせる3つの仕組み 1本100円のワインで利益を生み続けるビジネスモデル

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