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第38回 VRヘッドセットが本格発進!

デジタルAVを味方に!新・仕事術

VR(Virtual Reality/バーチャルリアリティー)は、「仮想現実」とも呼ばれ、今までにも様々な形態や技術、応用例があります。

イメージし易い例えとしては、パイロット、電車の運転士、ドライバーが訓練に用いる各種の操縦シミュレーターもVRと言えるでしょう。ポイントは、現実世界ではなく、仮想的に本物さながらの体験を得ることにあり、コストや安全面でのメリットは図り知れません。

その他にも、建築で間取りやインテリアの確認、自動車の設計で室内空間や操作ボタンの位置関係の確認など、産業界でも幅広く利用されています。要は、「作る前」に体感することで、失敗を未然に防いだり、細部の改良に役立てたりと、より良いモノをより低コストで生み出すのに役立ちます。

そんな、今や無くてはならないVRが、ぐっと身近になって、爆発的な普及の兆しが見えてきました。それは、安価で高性能は「VRヘッドセット」の登場です。

今回は、そんな最新「VRヘッドセット」と、ビジネスへの応用例についてご紹介します。

 

最新「VRヘッドセット」あれこれ

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今、何と言っても話題なのが、米Oculus社の「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)です。ゴーグル部には、視野を覆う大画面3D映像を映し出す仕組みが内蔵されています。

映像は、別途用意したパソコンとソフトウェアを用い、ゴーグルの動きに合わせて、視点の異なる映像をリアルタイムで生成して表示するのが基本です。ユーザーから見れば、右を向けば右側の景色が、上を向けば上の景色が見えるという具合です。プラネタリウムのような大がかりな装置を用意せずとも、全天球型の映像を手軽に再現できるのが最大の特徴です。

9月に幕張メッセで開催された「東京ゲームショー2014」で実際に体験しましたが、視野を覆う映像と高品位な3D映像により、本当にその空間の中に居るような錯覚を覚えました。デモンストレーションは、コンピュターグラフィックの少女がホールのステージでダンスをしている単純なものでしたが、上を見上げるとホールの天井が見え、紙吹雪が自分に向かって舞い降りてくる様子まで忠実に再現。さらに、左右上下、どちらを向いても、それに相応し景色が見え、しかもナチュラル。これは、コンピューターソフトや作品の出来の良さに拠るところも大きいですが、「Oculus Rift」の人気と、VRの将来性を感じるには充分なものでした。

「Oculus Rift」の開発者向けキットは4万円弱で頒布されていて、世界中のクリエイターが様々な用途や作品を生み出す環境も整っています。

最近話題のもう一つのVRヘッドセットが、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「Project Morpheus」(プロジェクトモーフィアス)です。

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人気ビデオゲーム機「PlayStation4」との接続を前提としており、製品化されれば、特にコンピューターに詳しくないユーザーにも扱い易いシステムにとなりそうです。

こちらも、「東京ゲームショー2014」で実際に体験できましたが、「Oculus Rift」に比べるとやや視野が狭く、画素が目立つなど、気になる部分もありましたが、まだ試作段階とのことで、製品化までに改善されるかもしれません。何より、外観が美しく、装着感が良いのも、大手メーカーならではの完成度。「Oculus Rift」と並んで、VRヘッドセット市場を盛り上げそうです。


VRの今後とビジネスへの応用

VRは、直近ではゲームへの利用が最有力ですが、今後は、産業への応用も進むことでしょう。例えば、新築住宅やリフォームなど、打ち合わせ時点で外内装の確認ができると、完成後のトラブルや苦情も減らせそうです。

低コストなシステムなので、もっと簡易的な用途にも向くでしょう。例えば、不動産物件、ホテルや旅館、レストランの内部体感なども向いていそうですし、グーグル・ストリートビューなどと組み合わせれば、街を歩いて気が向いたら店舗や不動産物件に入って内部を確認・・・など、自宅に居ながら、外界をシームレスに体感することも出来そうです。

さらに、「Oculus Rift」のように、安価で開発キットが整備され、個人の開発者にも敷居の低いVRヘッドセットの登場は、聴覚、触覚、嗅覚などのVR開発を刺激して、五感に対応する究極のVRシステムも、そう遠くない未来に登場するかもしれません。

VRシステム開発や販売市場だけでなく、VRを利用した新しいエンターテイメントやサービスが、大きなビジネスとなるのは間違いないでしょう。今後も、VRから目が離せません!

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【写真】
人間の歩く、しゃがむ、立つ、の動作を自然に入力できるCyberith社の展示。「Oculus Rift」と組み合わせると、CGの仮想空間を自由自在に歩き回ることができる。

鴻池賢三

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