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第33回 売上が減ったら忙しい部門へ応援に行け

第33回 売上が減ったら忙しい部門へ応援に行け

「私どもの工場では食品を加工していますが、3つの工程があります。
  第1工程と第2工程に時間と手間がかかり、
  第3工程に手待ち時間が発生することがあります。
   そのため、第1、第2工程ではメンバーの残業が増え、
  それでも追い付かない場合には 派遣社員を入れています。
    一方、第3工程では、社員がのんびりと仕事をしているようです。

    また、受注に季節的な変動があり、工場の稼働率が安定しません。
  一つの工程でも、暇な時期と忙しい時期がありますが、
  暇な時期も同じメンバーで同じ時間働いており、
  私には、ダラダラと仕事をしているようにしか見えません。

    直観的にもこんな状態では利益はでないと思います。
  この状態から抜け出すためにはどうすればよいでしょうか」


赤字を抱えた食品加工会社の社長は、今期、何としてでも黒字化すると相当の覚悟で臨んでいます。
 
こうした悩みをどう解消していけばいいのか、簡単な例で考えてみましょう。
 
下の図は、営業店毎に部門を分け、部門毎の採算を見ている会社です。
 
tam33.jpg
 
A店は売上が減少して、10万円の赤字です。
B店は売上が好調で忙しいため、派遣社員を入れていますが、それでも利益が40万円出ています。
A店は、お客様の数が少なく、時間帯によっては人が余っています。
 
ちょっと考えると、A店からB店へ応援に行けば、自社の社員だけでまわせることが分かるはずです。
 
しかし、両店の店長は、全く動こうとしません。
それは、応援体制の仕組みができていないからなのです。
 
ここで、B店へ応援に行った分の人件費を、A店がもらうというルールを作ればどうでしょうか。
 
仮に応援分の人件費が30万円だとすれば、A店の人件費は30万円減って、利益が20万円出てきます。
逆にB店の人件費が30万円に増えることになりますが、A店の応援により人材派遣費を減らすことができます。
その結果、会社全体の利益が、30万円増えることになります。
 
このように、他店への応援を出稼ぎと名付け、出稼ぎ人件費の計上のルールを作りますと、
暇な店の店長は、自店の利益を出すためにどんどん出稼ぎに行かせようとします。
しかし、B店では「突然A店から来てもらっても困る」という声がメンバーから出てくるでしょう。
 
また、A店の応援メンバーからも「出稼ぎに行ったときにすぐに作業に取り掛かれるようにしてほしい」
という要望も出てくるかもしれません。
 
この声に対応するため、B店の店長は、マニュアルを作る必要があります。
初めての人でも対応できるように具体的な作業をまとめた標準書を作るのです。
 
自部門の利益を出すためには、ムダな人件費の削減が不可欠です。
そのためには、出稼ぎのシステムを作り、みんなが納得できるルール作りが必要です。
 
そして何よりも全社員が、会社全体の利益を増やして、みんなで幸せになろうと思うことが大切なのです。
 

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経営コラムニスト紹介

株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社監査役。公認会計士・税理士。 田村 繁和氏

田村 繁和氏 株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社(元)監査役。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、大阪国税局国税調査官を経て、経営ステーション京都を創業。
2005年6月、京セラの監査役に就任(~2009年)
京セラ実学をベースとした中小企業のためのわかりやすい経営と会計を提案。
実学にもとづく、キャッシュフロー経営と部門採算制での経営会議で、
会社が生まれ変わっていただくことを使命としている。


最新刊DVD 『会計経営と実学』 の他、著書に、
「京セラに学ぶ新・会計経営のすべて」(共著、実業之日本社)
「社長の疑問に答える会計の本」(共著、中経出版)
「お金を残す強い会社の101の教え」(共著、清文社)
「小さな会社の必ずお金が残る経営の本」(共著、実業之日本社)他多数。
株式会社経営ステーション京都。 公認会計士・税理士。 小長谷 敦子氏

小長谷 敦子氏 株式会社経営ステーション京都。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、西武百貨店を経て、結婚・出産後、公認会計士・税理士となる。
中小企業のためのキャッシュフロー制度の構築と経営会議の指導に定評がある。


「子育て主婦の公認会計士合格記」(中経出版)
DVD「実学に学ぶ お金を残す3つの秘訣」(清文社)

経営ステーション京都代表、京セラ(元)監査役 田村繁和氏の経営コラムに関するお問い合わせ