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第三十八話 「人、遠きに慮り無ければ]

第三十八話 「人、遠きに慮り無ければ]

論語に“人、遠きに慮りなければ必ず近き憂いあり”とある。即ち人は遠い将来での配慮がないと
必ず近いうちに心配事がある。

また、三国志には“溺るるに及びて船を呼べば、之を悔ゆるも及ぶ無し”とある。
即ち、水に溺れてから船を呼んで救いを求めても手遅れであり、後悔しても追いつかない。

つまり災難に遭う以前にそれを対する備えをしておきたいものである。“会社が傾いてから会社幹部の会議が
連日のように開かれる”これは手遅れになっている。いくらでも準備の時間はあったはず。

まさか、それに気づかなかったわけではなかろう。
“安くして危うきを忘れず、存して亡ぶるを忘れず。治まりて乱るるを忘れず”
これは易経にある教えだが、経営の責任ある者が、この教えを知らないことは無かろう。
知って行わないなら、怠慢のそしりを受けることになるだろう。

“聖人の戒めを為す、必ずまず盛んなるときに”とある近思録にあるものだが、聖人が戒めを行うのは
必ずことが盛りの時である。絶好調の時の慢心、油断が災禍の源となっていることを戒めた言葉である。

“勝ってかぶとの緒を締める”の言葉は子どもの頃に教えられたもの言葉であるが、長じて大人になってから
忘れ去ってしまう。好調に酔ってかぶとの緒どころか、かぶとまで取り去ってしまうのである。


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

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2010.06.10
最終回 第四十一話 「学ぶに暇わらずと謂うなかれ」
2010.06.10
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2010.06.10
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経営コラムニスト紹介

日本光電工業(現・日本光電)元副社長・埼玉銀行(現・リそな銀行)元専務 井原隆一氏

井原隆一氏 日本光電工業(現・日本光電)元副社長・埼玉銀行(現・リそな銀行)元専務

1923年、14歳で埼玉銀行に入行。並外れた向学心から独学で10年刻みに
法律、経済、経営、宗教、歴史を修めた苦学力行の人。


最年少で課長抜擢、常務、専務を歴任の後、大労働争議と大赤字で
倒産寸前の会社の助人となり、一挙に 40社に分社する等、独自の再建策を
打ち出し短期間で大幅黒字、無借金の超優良企業に甦らせる。


その後も、実業界では他に類を見ない理論と実践を踏まえた先見力で
数々の企業を窮地から救うなど、再建の名人として活躍。


97歳を超えた今も、矍鑠(かくしゃく)とし、全国各地で講演はもとより、
高い見識と適切なアドバイスに多くの経営者が教えを請う。

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