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第19回 打つ手は無限

第19回 打つ手は無限

 食品の卸売業を営む会社では、毎年見本市を2回行っています。
この会社と取引のある全国のメーカーに出品を依頼し、営業マンが小売業を営む得意先を招待します。
そこで、メーカーは直接、小売業者に自社の商品をアピールします。
一方小売業者は、試食をし、多くの商品から仕入商品を選ぶことができます。
見本市は、食品メーカーと小売業が顔を合わし、直接対話をする貴重な場となっているのです。

卸売業のこの会社はいわばコーディネーターであり、メーカーと小売業の架け橋となっているのです。

この会社の社長は、日ごろから、全国の小売業からの声を吸い上げ、全国のメーカーを発掘しています。
そして、発掘したメーカーの情報を小売業に向けて発信し、シエアを広げています。
この会社の強みは、メーカーが欲しい情報、小売業が欲しい情報、その両方を持っていることなのです。
メーカーが欲しい情報を持っていれば、メーカーが集まってくるし、協力が得られる。
また、小売業が欲しい情報を持っていれば、優良な小売業を囲い込むことができる。
優良な小売業が集まれば、そこに売り込もうと優良なメーカーが集まる。というふうに相乗効果が得られるのです。

また、この会社は、地場の産物を加工するメーカーとお菓子メーカー、老舗のレストランとお菓子メーカーなどの
コラボレーションによる商品開発を手がけ、完成した商品を小売業に紹介するユニークな取り組みもしています。

一般的に卸売業は、他の業種に比べて、粗利益率が低いと言われていますが、この会社は情報を駆使して、
売上を伸ばし、増益を実現しているのです。

ここで、やはりキーワードとなるのは、情報です。ある運送業者は、ここ数年、
近隣の大手企業の運送請負ナンバーワンの地位を保っています。それにも、情報が一躍かっていたのです。

それは、トラックの運転手が、配達の際にお客様から聞いたお荷主へのクレームを毎日日報に書いたことから始まりました。
社長はそこに目をつけました。社員が吸い上げてきたクレームを分析し、どんなに些細なクレームであっても、
その種類ごとに分類し、荷主にタイムリーに報告したのでした。

荷主は通常、お客様と直接接していないので、お客様の声を聞くことができません。
「運送会社がくれるクレームの報告は、私たちにとっては宝の山だ」、荷主である大手企業の社長は、手放しで喜びました。
こうしてこの会社は、地元ナンバーワンの地位を勝ち取ったのです。クレームが早期に改善されるようになったことは、
お客様にとっても、大きなメリットとなり、荷主の売上も拡大しました。

増益や売上拡大は、巨額の設備投資をしないと実現しないわけではありません。
工夫ひとつで、お金をかけずに実現することができるのです。成功の鍵となるのは、取引の双方にとって、
有用な情報を持っていて、タイムリーに流せることなのです。情報を持っていれば打つ手が無限にあるのです。

小長谷 敦子

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経営コラムニスト紹介

株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社監査役。公認会計士・税理士。 田村 繁和氏

田村 繁和氏 株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社(元)監査役。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、大阪国税局国税調査官を経て、経営ステーション京都を創業。2005年6月、京セラの監査役に就任(~2009年)
京セラ実学をベースとした中小企業のためのわかりやすい経営と会計を提案。
実学にもとづく、キャッシュフロー経営と部門採算制での経営会議で、会社が
生まれ変わっていただくことを使命としている。


「京セラに学ぶ新・会計経営のすべて」(共著、実業之日本社)
「社長の疑問に答える会計の本」(共著、中経出版)
「お金を残す強い会社の101の教え」(共著、清文社)
「小さな会社の必ずお金が残る経営の本」(共著、実業之日本社)他多数。
株式会社経営ステーション京都。 公認会計士・税理士。 小長谷 敦子氏

小長谷 敦子氏 株式会社経営ステーション京都。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、西武百貨店を経て、結婚・出産後、公認会計士・税理士となる。
京セラ実学をベースとした独自のコンサルティングで、中小企業のためのキャッシュフロー
制度の構築と経営会議の指導に定評がある。


「子育て主婦の公認会計士合格記」(中経出版)
「実学に学ぶ お金を残す3つの秘訣」DVD(清文社)

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