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第74回『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 (著:アンソニー・マクカーテン、翻訳:染田屋茂、井上大剛)

眼と耳で楽しむ読書術

読書・書籍

2018.03.30

団 長(本のソムリエ)

3月5日に発表された『第90回アカデミー賞』で、
日本の辻一弘氏がメイク・ヘアスタイリング賞を受賞したのは、
記憶に新しいところです。

この辻氏の偉業によって、現代の日本で、
思いがけない形で、"ある人物"にスポットライトが当たっています。

その人の名は、ウィンストン・チャーチル。

元イギリス首相で、世界の歴史に名を残す、20世紀を代表する偉人の一人。

その指導力は、企業経営者の間でも評価が高く、
あのスティーブ・ジョブズや、ジャック・ウェルチらを抑えて
「世界のCEOが選ぶ、最も尊敬するリーダー」の第一位に選ばれているほど!
(プライスウォーターハウスクーパース調べ、2013年)

しかし、まだ死後50年ほどであるにも関わらず、
日本でのチャーチルの知名度は、残念ながら、かなり低いと思われます。
関連のビジネス書も少ないですし、
経営者の間でも、注目の存在とはお世辞にも言えません。

今回、辻氏のアカデミー賞受賞によって、
映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』に
注目が集まるのと同時に、チャーチルというリーダーにも目が向くキッカケに
なるのは、実にいいことだと感じています。

ということで、今回紹介するのは、
映画の原作となった歴史ノンフィクション、

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

本書は、第2次世界大戦の初期、
チャーチルが首相に就任する前の1940年5月7日に始まり、
リーダーとしてのその名を天下に知らしめた5月29日までの激動の日々を、
1日1日追っていく形で描かれています。

当時、ナチス・ドイツが欧州を蹂躙。
連合国のフランスが陥落寸前まで追い詰められ、
イギリスに火の粉がふりかかるのも時間の問題。
求心力が失墜したチェンバレンに代わって、
急遽、首相に任命されたのがチャーチルでした。

本書の魅力は、チャーチルの偉人伝ではなく、
一人の人間として、より実態に近い姿を描こうとした点にあります。

外に目を向けても、政権内に目を向けても、逆風しかない
まさに四面楚歌としか言いようのない状況。
そして、自分自身に対する不安と疑念…。

そんな中、一体何が彼を支え、勝利へと導いたのか?
なぜチャーチルが世界の企業経営者たちに、今もなお尊敬されているのか?

経営者、リーダーにとって、学ぶべきものが
たくさん詰まっています。

肩書としてのリーダーが、真のリーダーになった
勇気の物語、さっそく読んでみてください。

合わせて、映画もぜひ!
(3月30日より全国公開)

個人的な感想としては、
映画を先に見てから、本書を読んだ方が
より深く読み込めるように思います。

「リーダーの読書術」、並びに「リーダーの映画術」としても
強く推奨したい一作です。

尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『ラスト・コンサート1988 モーツァルト&ブラームス』
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (演奏)

です。

カラヤン・ラスト・コンサート1988 悲愴&モーツァルト/amazonへ

巨匠カラヤン、最後の来日公演が収録された名盤。
強いリーダーシップの持ち主としても知られるカラヤン渾身の名演と、
チャーチルとの"リーダー競演"を、ぜひお楽しみください。

では、また次回。

講師紹介

団 長(本のソムリエ)

ビジネス書から絵本まで、年間1000冊以上を読破する“本のソムリエ”。活字離れが加速化する現代、独特の読み聞かせを始めとするユニークな授業を通じて、読書と親しむキッカケづくりや日本語教育に情熱を注いでおり、小中学校をはじめとする教育機関からの、読書授業の依頼が殺到。シブヤ駅前読書大学...>もっと見る

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