【新春・全国経営者セミナー】事業家・若手起業家…日本最大級、経営者700名が集う3日間 

日本経営合理化協会の関連サイト
コア・バリュー経営 戦略的企業文化が会社を変える | 社長の経営セミナー・本・ダウンロード・CD&DVD【日本経営合理化協会】

文字の大きさ

日本経営合理化協会 BOOK&CD・DVD
お電話でのご注文も承っております:03-3293-0041

第15回 「強さ」と「脆さ」のリーダーシップ

第15回 「強さ」と「脆さ」のリーダーシップ

新時代のリーダーシップのキーワードとして、近年、特に気になっているものが二つあります。それは、「レジリエンス」と「バルネラビリティ」です。
 
「レジリエンス」は「打たれ強さ」。「バルネラビリティ」は「脆弱性」などと訳されますが、ここでは、「脆さ」としておきましょう。
 
リーダーシップの要素としての「レジリエンス」はさほど説明がなくても納得がいくのではないでしょうか。社会、国際情勢、政治、自然環境・・・、いずれをとっても、いつ何が起きてもおかしくない、先の見えない時代です。予期せぬ出来事や失敗に打ちのめされるのではなく、それらをバネにしてより強い、より優れた自分や組織を築いていく能力が必要です。
 
では、「バルネラビリティ」はどうでしょう。リーダーシップの要素に「脆さ」とは・・・と、首を傾げる人もいるのではないでしょうか。
 
従来型の「リーダー」のイメージは、「強く」て「頭の良い」人です。もっと平たい言葉でいえば、「人の上に立つ人」「一番偉い人」と言い換えることもできます。そういったイメージに照らしてみれば、「脆さ」はまったく正反対の、リーダーにはあるまじき「負」の要素のように思えます。
 
しかし、私がコア・バリュー経営を実践している企業をいくつも訪問して、各会社の「リーダー」格の人たちに話を聞いた時、幾度も登場した言葉が、この「バルネラビリティ」でした。
 
自分の弱みや欠点、時には過ちを認めること、みんなの前であえて道化になったり、ジョークを言ったりして人を笑わせること、知らないことは「知らない」と正直に言い、みんなに協力を求めること。それらはすべて、リーダーによる「バルネラビリティ」実践例の数々です。
 
では、それが、「コア・バリュー経営」とどう関連するのでしょうか。
 
「コア・バリュー経営」とは、全人格尊重の経営です。かつては、「職場」というのは、「与えられた役割をこなす場所」であり、それ以外のことは不要だとされてきました。しかし、今日では、感情や個性も個人のもつ貴重な能力のひとつであると考えられるようになってきています。経済の形が、「工業経済」から「サービス経済」へ、「サービス経済」から「情報経済」へと移り変わっていくにつれて、働く人に求められる力も、「筋力/労力」、「知力」、そして「情力」へと幅を広げてきたのです。今後、職場の自動化やロボット化が進むに伴い、単純作業や計算などは徐々に機械に取って代わられていきますが、だからこそ、人間性や人間味を発揮した商品/サービス体験の創造に、より大きな価値が見出されるようになってきています。
 
各従業員に人間性や人間味のありのままを発揮してもらうためには、会社の仕組みとして「安全な環境」を整え、リーダーが自らお手本を示す必要があります。例えば、インドに本拠を置くグローバルITサービス企業、HCLテクノロジーズの元CEO、ビニート・ナイア氏は、成長が停滞し、モラールの低下も著しかった会社を建て直すにあたって、社員の誰もがCEOと直接「対話」できるウェブ・ポータルを設け、また、そればかりではなく、会社が抱える深刻な問題に関して、CEOが社員のアイデアを募るという画期的な活動を始めたのです。CEOが「会社の中で一番偉く、一番賢い」人であるという概念を打ち崩し、CEOの悩みや迷いという「弱み」をあえてさらけ出すことによって、社員のエンパワーメントを行ったのだといえます。
 
「強さ」と「脆さ」の両方を合わせ持つのが人間。リーダーが「脆さ」という人間味を見せることは、社内の信頼を強化することにもつながります。恥じたり、引け目に感じたりすることなく、悩みや問題点をありのままに共有でき、それを皆で力を合わせて解決できる組織をつくることで、結束が高まり、より「レジリエント」な会社をつくることができるのです。
 

バックナンバー

2016.07.22
第20回 好業績を生む「善意の文化」という経営方針
2016.06.10
第19回 従業員の声を聴く「最善の方法」は?
2016.04.29
第18回 企業よ、大志を抱け:コア・パーパス「必然」の時代
2016.03.25
第17回 ロボット化時代に逆行する「人主導型店舗」の提案
2016.02.26
第16回 『アメリカで最も優れた中小企業』25社の半数が「コア・バリュー」をもつ理由
  1. ≫記事一覧

経営コラムニスト紹介

ダイナ・サーチ、インク代表 石塚しのぶ氏

石塚しのぶ氏(ザッポスの奇跡の著者/ダイナ・サーチ、インク代表)

米国で日々生まれている優れたビジネスモデルや事業アイデアを収集、分析し日本企業へ提供する日米間ビジネスコンサルタント。幾度の経済危機を乗り越え躍進続ける米国最強中小企業群の経営手法を研究し、会社が強く結束する「コア・バリュー経営」を開発し発表。指導先が採用したところ「社員の働き方が変わった」、「社員に言葉が伝わりやすくなった」、「売上利益が伸びた」…と経営者から反響を呼び、導入指導、戦略立案アドバイスに飛び回る。南カリフォルニア大学卒業後、アポロ11号が成し遂げた人類初の月面着陸に衝撃を受け、コニックスバーグ・インストゥルメント社でNASAプロジェクトに従事した後、独立。日米間のビジネス・コンサルティング会社、Dyna-Search, Inc.をロサンゼルスに設立。 主な著書に「売れる仕組みに革命が起きる」、「ザッポスの奇跡」、「未来企業は共に夢を見る」他。

【新 刊】理念浸透の《コア・バリュー経営》のやり方CD 好評発売中!

ザッポスの奇跡の著者ダイナサーチ、インク代表石塚しのぶ氏の経営コラムに関するお問い合わせ