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しなの鉄道(前)社長

杉野 正(すぎのただし)

田中長野県知事から、同県が株式の75%を所有する「しなの鉄道」社長への社員の派遣を依頼されたHISの澤田社長は、杉野氏に白羽の矢を立てた。しなの鉄道は長野新幹線開通に伴いJRが手放したローカル線。1997年の開業時から赤字。社内には諦めムードが蔓延し、無為無策のまま、毎年10億円以上の経常赤字を垂れ流し続けていた。氏は、「どうあがこうにも、これはやるしかなかった。やるからには、暴れてやる。」と完全に開き直り、事業の再建に着手。
しなの鉄道に足りなかったもの。それは“当たり前”のことだけだった。就任した日は、「会社は潰れることもある」と全社員への説明からスタート。そして例えば、ホームに設置の自販機をメーカーとの直接取引に変更するなど、利益増大とコスト削減の両面に「大きく変える」を徹底追求。社員の協力を得て、わずか一年で、営業収支の黒字転換を達成する。
1958年生れ。神奈川大学卒業後、ユニ・チャーム入社。フィリピン、シンガポール、マレーシアを担当、シェアゼロから一気に2位以内に大躍進させる。96年、ヘッドハンティングでHISに転籍。02年しなの鉄道社長に就任。04年6月、275億円の累積損失を抱える埼玉県の第三セクター「埼玉高速鉄道」の取締役会にて、同社社長に選任。