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第124話 今後の賃金動向と中小企業の賃金政策を考える(2)

第124話 今後の賃金動向と中小企業の賃金政策を考える(2)

文筆: 賃金管理研究所 取締役副所長 大槻 幸雄 氏

 

 「人手不足の深刻化」が指摘されています。

 7月の有効求人倍率は1.59倍、正社員に限定しても1.14倍ですから、求人を出しても確実に採用できるとはいえない状況が続いています。

 完全失業率は2.2%、完全失業者は156万人でした。平成不況と呼ばれた期間の中でも、平成14年は失業者数が360万人を超えることがしばしばありました。その当時と比較すると200万人も失業者が減っていることになります。

 生産年齢人口は、1995年ピーク時の8726万人から2060年には4793万人まで減少すると予測されていますから、人手不足は今後もずっと続くことになるでしょう。

 新卒の採用はどうでしょうか?

 大卒者についてみると、2019年4月の求人倍率は1.89倍、2020年4月は1.83倍だそうです。大学卒の就職希望者1人に対して、平均2社からの求人があるという状況です。とはいっても、売り手市場一辺倒ではありません。大手優良企業は“買い手市場”、中小企業はかなり厳しい“売り手市場”です。

 従業員規模300人未満の中小企業に限定すれば、求人倍率は9倍以上に達するのです! こうした状況下で、中小企業が安定的に人材を獲得することは容易ではありません。

 給与水準は高いに超したことはありませんが、大手企業と張り合っても勝ち目はないのですから、会社独自の魅力や個性、経営理念や従業員に対する考え方など、社員がこれからずっとこの会社の仕事を続けていきたいと思えるよう、トップの熱いメッセージを発信し続けていくと同時に、生産性の向上、さらに働きやすい雇用環境を整えていかなければいけません。

 そして給料は、まさしく社員にとって“生活の糧”ですから、「5年後、10年後、20年後までこの会社で頑張って働き続けたら、こんな仕事に就いて、この位の給料がもらえているだろう。」と、将来がある程度は見通せる仕組みを整えておく必要があります。

 “先が見えない不安”が大きければ大きいほど、社員の定着や人材確保にはマイナスに働くのです。新人や中途採用者の採用問題だけでなく、人材獲得競争がし烈な時代には、既存社員のうち“将来に期待の持てる優秀社員”が引き抜かれる可能性も、考えておかなければならないでしょう。

 雇用条件の中でも、もっとも大切な労働条件が“給料”です。社員の安定確保のためには、先々が見通せる“給与制度の確立”こそが、何よりも優先順位の高い経営課題であると言えましょう。(続)

 

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経営コラムニスト紹介

弥富拓海
賃金管理研究所所長

賃金管理研究所所長。昭和44年武蔵大学卒。ティアック等を経て平成4年入所。主な指導先に、大倉工業、産能大学、日東光器、アムコ、日本情報センター、福山商工会議所、他多数。 主な著書に、「強い会社をつくる賃金の決め方」はじめ、「賃金管理データブック(共著)」他。

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