menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

教養

第9回 シャトーを訪問してみませんか?

ワインを楽しむ基礎レッスン

 
wine9n1.jpg
●ボルドー サン・テミリオンにあるシャトー・フィジャック(特別1級B)


ワインに興味を持たれる方なら、一度はシャトーを訪問してみたいと思われていることでしょう。今回は、フランスを例にとり、シャトー訪問の方法、またどんな場所かを説明していきます。

まず、シャトーとは何かというと、一般的にワインを醸造している場所のことを示します。シャトーというからには貴族の城のような豪奢な場所だろうと想像されるかもしれませんが、それはシャトーの規模によりけり。とても簡素な普通の倉庫のようなところから、大きな建物、ひいては巨大工場までもシャトーと呼ぶことができます。つまり、日本語で言うと醸造所、そして英語ではワイナリーです。

さて、醸造所=シャトーで間違いないのですが、フランスに関していえば、醸造所に対する他の呼び方も地方ごとに存在します。シャトーは主にボルドー地方で使われる名称、ブルゴーニュ地方であればドメーヌ、またシャンパーニュ地方であればメゾンと呼ばれています。

さて、シャトーへの訪問の具体的な方法ですが、シャトーには

(1)   予約不要で訪問可
(2)   要予約で訪問可
(3)   プロ(商業目的)以外は訪問不可

の3タイプがあるので、まず行きたいシャトーのウェブサイトなどで、そのシャトーが一般客の受け入れをしているかを確認する必要があります。何も書かれていない場合には、電話やメールなどで確認することをおすすめします。

また、有料・無料もシャトーによって違います。飲めるワインのクラスや杯数によって値段が変わる場合がありますが、これは受付で確認すれば問題ありません。

要予約のシャトーの場合、最近ではメールや応募フォームで予約をとれることが多くなっています。1日の訪問客数を限定しているところもあるので、インターネット経由でも電話でも、できるだけ早めに予約を入れたほうがベター。また、予約を入れてこなかった場合でも、ボルドーなど銘醸地の観光案内所では、訪問客の受け入れに積極的なシャトーを紹介してくれます。

シャトー訪問にベストな時期は、本当はワインの醸造が行われる収穫期(北半球ならば9〜10月)なのですが、その時期はシャトーが最も忙しい時期でもあり、訪問客の受け入れを制限しているところもあります。他の時期に訪れても醸造施設や貯蔵庫、また畑を見せてくれるので、十分に楽しめるでしょう。

言語についてですが、大きなシャトーではフランス語だけでなく、英語はもちろん、日本語の案内があるところもあります(数は非常に少ないですが)。予約時に希望言語を伝えておくこともお忘れなく。

なお、シャトー、つまりワインを造っている場所は、基本的に公共交通の便の悪いところにあります。近くの大きな鉄道駅でレンタカーを借りるか、目的地まで鉄道駅からタクシーで向かうことになります。ただ、タクシーだと帰りに呼ぶのが困難になったりと色々と面倒もあるので、レンタカーが無難です。

さて、シャトー到着後、受付を済ませたら見学の開始です。見学の方法は、シャトーごとにまさに千差万別。自分のグループだけをプライヴェートに案内してくれることもありますし、大きなシャトーでは数グループを一度に案内することもあります。

一例として、先日伺ってきたボルドー右岸サン・テミリオンのシャトー・フィジャックの訪問をご紹介します。

この日、案内をしてくれたのは技術責任者ロマン・ジャン=ピエール氏。10月半ばで、まだ醸し(色や味などを抽出する作業)をしているものもありました。

wine9n2.jpg

●発酵と醸しが行われる大きな樽が並ぶ

樽の構造の説明、またアルコール発酵・醸しに関わる作業の過程についての説明を聞き、別の部屋に移ります。

 

wine9n3.jpg

●昔から使われている、クラシックなスタイルの圧搾機

普段あまり見ることのないブドウの圧搾機。圧搾作業は終わっていましたが、こういてきれいにクリーニングされ室内に置かれているのを見ることができます。

 

wine9n4.jpg

●新樽の芳しい香り漂う熟成庫

アルコール発酵の終わったワインを新樽に入れて18ヶ月熟成させる過程を見せてもらいます。この部屋には2012年度収穫分のワインが眠っています。

 

wine9n5.jpg

●畑の説明をする技術責任者ロマン・ジャン=ピエール氏
シャトーと畑が隣接している場合には、畑の見学もさせてくれることがあります。畑のある場所、土壌、品種、剪定の方法について説明を聞きます。

 

wine9n6.jpg

●最新ヴィンテージのテイスティング

訪問の最後のお楽しみはテイスティングです。この日は、シャトー・フィジャックの2011年ヴィンテージをいただきました。実際にワインを造られている方の説明を聞きながらの試飲は、家やレストランで飲むときとはまた違った発見と喜びを与えてくれることでしょう。シャトーによっては、ショップを併設し、ワインを購入できるところもあります。自分の訪問したシャトーのワインを持ち帰り、大事な日に開けるのも、また楽しいものです。

 

【参考HP】

●ボルドー市観光協会 http://fr.bordeaux-tourisme.com/

●シャンパーニュ観光協会 http://www.tourisme-champagne-ardenne.com/

●ブルゴーニュ観光協会 http://www.bourgogne-tourisme.com/

●甲州ワイン(山梨県)ウェブサイト http://www.pref.yamanashi.jp/koshuwine/

 

第8回 ワイングラスでワインの味わいをランクアップ前のページ

第10回 ロゼワインを飲みませんか?次のページ

関連記事

  1. 第6回 ラベルを読めば、ワインがわかる!? 2

  2. 第5回 ラベルを読めば、ワインがわかる!?

  3. 第1回 基礎を知っていくと、ワイン選びは楽しくなる。

最新の経営コラム

  1. 第92回 所得税・住民税の定額減税の給料計算対応

  2. 第150回 ビットコイン

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年4月17日号) 

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第74話 「銀行との平素のお付き合いを大切にする」という過ち その2
  2. 社員教育・営業

    第96回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方17 メールの気配り
  3. マネジメント

    危機への対処術(22) 国民に突きつけられた「ノン!」(ド・ゴール)
  4. マネジメント

    中国史に学ぶ(9) 才なきを自覚し、才ある者を使う
  5. 戦略・戦術

    第四十話 専門家として顧客のより良き相談相手となる
keyboard_arrow_up