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第7回 企業を揺るがす『ICT(情報通信技術)事件』を防げ!

第7回 企業を揺るがす『ICT(情報通信技術)事件』を防げ!

震災と原発に関する報道でかき消され忘れてしまいがちだが、2011年に入って、
『ICT』(Information and Communications Technology=情報通信技術) の急速な進歩と普及によって、
日本の企業や社会を揺るがす、前代未聞の「ICT事件」が相次いでいる。
   ●「ネットクーポンお粗末おせち事件」   ●「ホテル会食暴露事件」  
   ●「大学入試携帯カンニング事件」       ●「サッカー選手誹謗中傷事件」・・・。

『ICT』には光と陰がある。
経営者や管理職は、企業を揺るがし、むしばむ「ICT事件」をどうやって未然に防げば良いのか?
以下、具体的事例を元に考察してみたい。



◆震災時に活躍したツイッターの光と陰

インターネット、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)といったSNS(ソーシャルネット
ワーキング・サービス)、アイフォン(i-phone)やアンドロイド(Android)などスマートフォン(多機能携帯
電話)をはじめ、
『ICT』(Information and Communications Technology=情報通信技術) の急速な進歩と普及によって、
今、社会は大きな変化にさらされている。

3月11日の東日本大震災の直後、固定電話や携帯電話はほとんど不通になった。
一時的に、トラフィック(情報量)が通常の50倍にもなり、80%の通話規制が行なわれた。つまり、5人に1人
しか通話できない状態に陥ったのだ。

通話サービスがダウンする中、代わって、大活躍したのがツイッターだった。

ツイッターは、140文字以内のツイート(つぶやき)をサイト上に投稿し、多くの人がほぼ同時にそれを読む
ことができる「簡易投稿サイト」だ。
文字情報だけのサービスなので、サーバーやネットワークへの負荷が少なく、震災直後も利用できたのである。

地震当日、首都圏においては、鉄道の運休、駅や道路などの状況がリアルタイムで発信・共有された。震災後も、
被災地において、被害やライフラインの状況、炊き出しやボランティアの情報がツイッターを通じて交換された。

また、NHKをはじめとするテレビ局や新聞社などの報道機関、市町村の担当者からのツイートも、外出中の
人や、テレビを見られない被災地の人たちには大いに役立った。

さらに、芸能人や著名人、ツイッター上で知り合った友人・知人同士が、「がんばろう!」「みんなで助け
合おう!」と、ツイッターを通じて訴えたことで、どれだけ多くの人が、不安や悲しみを軽減されたかわからない。

震災を機に、ツイッターは、「電話より安定した連絡手段」であり、「マスコミより早い情報源」であり、
「人とつながっていることで安心感を得られるツール」であることが、広く認知されることとなった。


しかし、ツイッターの果たした役割は大きかったものの、一方でデマを蔓延させてしまうことも多く、
大きな課題を残した。

地震によって、コスモ石油千葉製油所で液化石油ガスのタンクが爆発炎上したが、直後から、
「有害物質が雨と一緒に降る」というデマが広がった。

被災地でも「被災証明があれば高速道が無料になる」という間違った情報が流れた。

また、福島県の原発周辺地域から避難した被災者に対する差別を想わせる心ない情報も飛び交った。

ツイッターなどソーシャルメディアは、元来、デマが広がりやすいメディアだ。
誰でも容易に参加でき、
責任の所在も不明確なので、勘違いした人からの情報や、悪意を持ってデマを流す人の情報を排除できない。

また、簡単に発信できるため、深く考えずに発言する人も多いし、思ったことをすぐにつぶやくので、
間違った情報も多くなる。

それに、140字という字数制限があるため、言葉を尽くして説明することができないので、誤解も生じやすい。

さらに、
リツイート(RT)という、ワンクリックで誰かの発言を、他の多く人たちに紹介できる機能があるため、
前の発言の真偽を調べたり吟味したりせず、反射的に広めてしまうこともままある。

特に、多数のフォロワーを抱える著名人が、悪意がなく、デマ拡散に手を貸してしまうケースが相次いだ。

震災後、著名人をはじめ誰しもが動揺していたこともあり、発言内容の精度も下がっていたに違いない。


7月中旬の現在で、私のツイッターのフォロワー数は約4千6百人弱、フェイスブックの友達は3千5百人強
だが、私自身、正しいかどうかよく調べず、そのままリツイートしてしまい、後で取り消したこともある。

ツイッターやフェイスブックといったSNSにデマを排除する力はない。
そこでつぶやかれる情報は、実際の街で会う人から耳にする情報と同じく、玉石混交であることを
肝に銘じるべきだ。

各々の情報を鵜呑みにせず。常に客観的に捉え、事実であるかどうかを自ら検証する姿勢が求められる。



◆相次ぐ前代未聞の≪ICT重大事件≫

震災と原発に関する報道にかき消されて忘れてしまいがちだが、2011年に入って、『ICT』の急速な進歩と
普及によって、日本の企業や社会を揺るがす、前代未聞の「ICT事件」が立て続けに起きている。

以下、「ICT事件」の事例として、なるべく実際に起ったことを具体的にご紹介するために、ツイッター
などでつぶやかれた言葉を、そのまま掲載しているため、読むことさえはばかられる文言が含まれていることを
お許しください。


●「ネットクーポンお粗末おせち事件」

一つは、新年早々、外食店を経営する「バードカフェ」が起こした「お粗末おせち事件」だ。
同社は、
10年12月に、お得な割引クーポンの共同購入サイト「グルーポン」(GROUPON)を通じて、おせちを販売した。

4人前2万円のおせちのクーポンが50%オフの1万円で購入できると人気を集め、500セットを完売した。

ところが、大晦日に購入者に実際に届いたのは、豪華な見本とは似ても似つかぬ、品数も少ないお粗末な
代物だったのだ。

「グルーポン」のようなビジネスモデルは、24~72時間のフラッシュ(短時間)に、マーケティング(集客・販売
・見込み顧客の情報収集)を行なえるため、「フラッシュ・マーケティング」と呼ばれる。

サイト運営企業が、商品やサービスを提供する会社をネットワークし、企業のサイト上で、登録した数多くの消費者に、様々な会社の商品やサービスに割引価格や特典を付けたクーポンを期間限定で共同購入してもらう仕組みだ。 

「グルーポン」は、アメリカのシカゴが発祥の、その代表的企業である。2010年8月の時点で、
アメリカ・ヨーロッパ・アジアの29カ国で3,500万人が利用しており、売上高は約300億円。

「おせち事件」の原因は、提供者である「バードカフェ」の経営陣の生産能力に対する読みが甘かったためだ。
同社は自業自得である。

しかし、クーポンを販売したグルーポンも、大きなマイナスを被った。

日本支社のみならず、アメリカ本社もすぐに謝罪したが、同社の名前がマスコミで連日報道され、ブランド
イメージが大きく損なわれた。


●「ホテル会食ツイッター暴露事件」

2つ目は、1月中旬、東京・恵比寿の高級ホテル、「ウェスティンホテル東京」で、一人の女性アルバイトが
ツイッターから引き起こした事件である。

同ホテル内の鉄板焼店に勤めていた彼女は、サッカー選手の稲本潤一とモデルの田中美保のデートの様子を、
ツイッターを通じてリアルタイムで暴露したのだ。

さらに、こともあろうに、日銀の白川方明総裁と日産のカルロス・ゴーン会長の密会も実況中継した。

彼女は軽い気持ちでつぶやいていたのだろうが、有名人の来店情報・宿泊情報垂れ流しの常習犯だった。

「稲本潤一と田中美保がご来店 田中美保まじ顔ちっちゃくて可愛かった…今夜は2人で泊まるらしいよお、
これは…(どきどき笑)」

「日銀の総裁と日産のCEOwwwww たぶん円高への対応と中国と今後の日本経済についての密談じゃないかな?」
「ていうか今日も日産の社長くるっぽい。またSP来るのかな…」

「久々にバイト先で芸能人見たー 大沢たかおが店に来た…!」

「うちにStevie Wonderが泊まってるらしい!会いたいー笑」

「明日タイガーウッズ来るらしい 背とか何もかもが大きくて迫力ありそう(笑)」

そのアルバイト女性は、中央大学理工学部に在籍し、体育会弓道部に所属していた。
まさか、そんな学生が顧客のプライベートを暴露するという常識外れなことをすると誰が想像しただろう。

しかし、インターネットの恐ろしさは、その後、彼女自身をも襲った。
その発言のあまりのひどさが掲示板で話題を呼び、多くの人たちから批判を浴びた。

彼女はすぐにツイッターのアカウントを削除したが、時すでに遅し。ネット上の情報を検索され、彼女が投稿した
ハンドルネーム(インターネット上で自ら名付ける仮名)からたどることで、実名のみならず、写真や経歴に至る
まで暴かれてしまった。


現在でも、彼女の個人名で検索すると何万件もヒットする、ネット上のちょっとした有名人だ。
消したはずの彼女のつぶやきもあちらこちらで見ることもできる。

事件に関する記述がネット上に残り、ホテル側の被ったマイナスは大きい


●「大学入試携帯電話カンニング事件」

3つ目は、2月の大学入試シーズンに、一人の予備校生が起した新手法によるカンニング事件だ。
大手予備校「河合塾」仙台校に通う男子予備校生(19歳)が、京都大学、早稲田大学、立教大学、同志社大学
の4大学を受験。

試験時間中に、足の間にはさんだNTTドコモの携帯電話から、「aicezuki」というハンドルネームで、
入試問題を、Yahoo!Japanが運営するインターネット掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿した。

この掲示板は、投稿者からのあらゆる分野の質問に対して、そのサイトを見た不特定多数の人の中で、
その質問の分野に詳しい人がボランティアで答えるものだ。

予備校生が数学や英語の問題を投稿すると、すぐ第三者の有志から回答があり、その答えを答案に記入していた。

ところが、偶然、掲示板を見た他の受験生からの通報を受けて事件が発覚。各大学は警察に通報した。

警察は、IPアドレスと呼ばれるネット上の住所から投稿者の携帯電話を割り出し、比較的短期間に
被疑者を特定。

京都府警は「投稿は入試の公平性を妨げ、大学の入試業務を妨害した」として、偽計業務妨害の容疑で
予備校生を逮捕した。


●「サッカー選手ツイッター誹謗中傷事件」

4つ目は、5月、ヴァンフォーレ甲府所属のハーフナー・マイク選手が、入籍を発表したばかりの妻と見られる
一般女性とアディダス銀座店を訪れた。

その際に、アディダスの女性正社員がツイッターで2人に関して罵詈雑言の限りをつぶやいた。
読むのもおぞましい言葉が並んだ。

「そいえば今日マイクハーフナーが来た。 ビッチを具現化したような女と一緒に来てて、 何かお腹大っきい
気がしたけど結婚してんの(^ω^)?? 」

「帰化したからハーフナーマイクかwアシュトンカッチャー劣化版みたいな男が沢尻劣化版みたいな女連れて
きたよwとりあえずデカイね、ホントにwww」

「スニーカーはナイキとコンバースが好きです。adidasは一足も持ってません。そんなあたしが
adidasから内定を頂きました。死ぬほど辛かったけど諦めないで良かった(・∀・)みんなホントにホントに
ありがとう(´∀`?)!」


ハーフナー選手は、親子2代にわたって日本で活躍しており、日本に帰化してプレイしているほどの親日家だ。

しかも、彼はアディダスとスパイク提供の契約を結んでいた。
同選手家族はひどく傷ついたであろうし、同社のイメージも大きく傷ついた。

しかし、インターネットは彼女をも許さなかった。義侠心に燃える人たちがネット情報を検索したことにより、
彼女も実名のみならず、写真や経歴に至るまで暴かれてしまっている。

今春、早稲田大学商学部を卒業した才媛が、携帯電話からの数回のつぶやきによって、人生をすべて棒に振って
しまった。



◆「ICT事件」を未然に防ぐ法は、『ICT』=アイシテ=愛して

日々、『ICT』が進化する世の中で、こういった個別の「ICT事件」を予測して未然に防ぐことはほとんど
不可能である。

「麻の中のヨモギ」と言うように、真っ直ぐな麻の中で育てば、曲がって育つヨモギも真っ直ぐ伸びる。

つまるところ、良い社風を作る以外に、企業にとって、「ICT事件」を防ぐためのファイアーウォール
(防火壁)は存在しない。


「T」を、むかしの人は、「ティー」ではなく、「テー」と読んでいた。
それゆえ、ITバブルの崩壊後には、
「よくわかりもしないIT株を買った人は大損して『アイテ!』と言うハメになっている」
などと冗談を言っていた。

しかし、もはやITは一部の技術者や業界の人だけが知り、触れる世界ではなくなった。

社会の隅々にまで浸透し、単なるIT(情報技術)から、『ICT』(Information
and Communications Technology=情報通信技術) となった。

『ICT』には、「Communications」 (コミュニケーションの複数形) という言葉が入っている。
つまり、社内外のコミュニケーションを密にすることが、会社を揺るがす「ICT事件」を未然に防ぐことに
なるのだ。

そして、『ICT』を、昔風に読めば、「アイシテ=愛して」である。

社員やスタッフを愛することこそが、社員やスタッフが会社と会社の顧客や取引先を愛することにつながることを
忘れてはならない。


 

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経営コラムニスト紹介

マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏

西川りゅうじん氏 マーケティング コンサルタント


1960年生まれ。兵庫県出身。84年一橋大学経済学部卒業。86年同大学法学部卒業。

在学中に企画プロデュース会社を起業し、30年にわたり赤字の年なく経営。
実家は創業以来63年間黒字の製造販売業を営む中小企業。

「ウォークマン」の販売促進、「ジュリアナ東京」のPR、「福岡ドーム」のオープニング演出、「六本木ヒルズ」「表参道ヒルズ」「三井本館」「コレド日本橋」「京都駅ビル」「上海金融環球中心」のコンセプト立案・商業開発、「愛・地球博」の“モリゾーとキッコロ” や 「平城遷都1300年祭」の“せんとくん”のデザイン及びネーミングの選定・広報、「つくばエクスプレス」や「成田スカイアクセス」の沿線まちづくり、本格焼酎マーケティング研究会座長としての芋焼酎の全国的な人気づくり、「龍馬伝」と連動した高知県「龍馬博」総合プロデュース、日本橋・吉祥寺・柏・瀬戸内7県・沖縄離島の地域活性化に携わるなど、産業と地域の“元気化”に 手腕を発揮している。

東京工業大学・早稲田大学・津田塾大学・甲南大学・東北芸術工科大学・松山大学の非常勤講師、拓殖大学客員教授を歴任。

厚生労働省「健康寿命をのばそう!Smart Life Project」スーパーバイザー
経済産業省「地域の魅力セレクション」審査委員長
林野庁「森林セラピー」戦略会議座長
(社)全国信用金庫協会「商店街ルネッサンス・コンテスト」審査委員長
観光庁「観光立国推進戦略会議」ワーキンググループ委員
神奈川県と横浜市が連携したまちづくり委員会「マグカル・テーブル」座長
兵庫県参与
長崎県観光PRアドバイザー
熊本県「企業力《1ランクUP!》プロジェクト」スーパーバイザー
(公財)にいがた産業創造機構アドバイザー
日光市まちづくりアドバイザー
小田原市観光協会総合アドバイザー
藤沢市駅前商店街活性化アドバイザー
都城市PRアドバイザー


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