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第42回
中国経済のバブルは崩壊するのかしないのか?
~中国がアメリカを抜き世界一の経済大国になる!?~

第42回
中国経済のバブルは崩壊するのかしないのか?
~中国がアメリカを抜き世界一の経済大国になる!?~

 
 
おできとバブルは小さいうちにつぶれた方がいい。
 
一面に広がってしまってからつぶれると、そう簡単には治らないし、
ひどい傷あとが長く残ることになる。
 
中国のバブルも同じだ。

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1990年代から、「オオカミが出た!」のオオカミ少年のように、
「中国バブル崩壊」が叫ばれては消え、消えてはまた叫ばれることの繰り返しだった。
それというのも、資本主義圏の国ではとうの昔にバブルが崩壊している状況にもかかわらず、
中国では最終的に国が不良債権を引き取るなど政府が何度も崩壊を先延ばしにしてきたからだ。
 
しかし、物事には限界がある。
実態がない中身が空洞の泡を永遠に膨らまし続けることは不可能である。
 
「もうはまだ。まだはもう」と言われるように、
「もうつぶれる」と多くの人が言っている間は「まだ大丈夫」だ。
 
しかし、「まだ大丈夫」と多くの人が言い出した時こそが危ない。
つまり、人々がバブルに浮かれて現実が見えなくなってしまっている時に
既にバブルは崩壊しているのである。
 
そもそも中国の経済統計のほとんどは信用できない。
 
内部告発サイト「ウィキリークス」が公開したアメリカの外交公電によれば、
李克強首相も、2007年に遼寧省の党委書記を務めていた当時、
「中国の国内総生産(GDP)統計は人為的であるため信頼できない」
との見解を示していたという。
 
中国経済に関する統計や政府関係者の発言は実態を表していない「張り子の虎」だ。
 
ところが、近年、政府発表の統計数字や高官の発言でさえ、相当に厳しいものが相次いでいる。
つまり、実態はさらに悪化していると考えられる。
 
しかし、一方で、中国の多くのにわか成金たちは、今だバブルの残り香に酔って、
ニューヨークやロンドンの不動産を買いあさっている。まさに、あやうい状態だ。

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中国政府と言えども既に制御不能に陥っているとしか思えない事態も数多く見聞するし、
弥縫策を講じて先延ばしにしたところで、さらにおできを大きくするだけである。
 
 
◆2014年中に中国がアメリカを抜いて世界一の経済大国に躍り出る!?
 
2010年、中国の名目GDPは、日本を抜いてアメリカに次ぐ世界第2位となった。
 
そして、ついに世界一の座に上り詰めつつある。

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世界銀行が発表した購買力平価(通貨の購買力による為替レート)で算出した
2011年の各国の国内総生産(GDP)比較では、中国はアメリカの約9割に達した。
 
これを受けて、イギリスのフィナンシャル・タイムズは、
「2014年中に、中国はアメリカを追い抜いて、世界最大の経済大国になる」と報じた。
 
もし実現すれば、1872年以来、実に142年ぶりに世界一の経済大国が交代することになる。
まさに、「中国の時代」が到来しつつあるのだ。
 
我が世の春を謳歌している中国の李克強首相が、2014年6月16日から3日間、イギリスを訪問した。
 
何と、その際には、総額2兆4千億円以上の大規模商談をチラつかせ、
こともあろうに、国家元首ではない李首相とエリザベス女王との面会を要求、
イギリスがそれに応じなければ訪問を取り消すと脅した。

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札びらで頬を引っぱたくように現金な、女王陛下を人質にした中国の傲慢な「成り上がり外交」は、
イギリスのタイムズをはじめマスコミで批判を浴びた。
 
李首相は、会見で、中国経済の動向に言及し、「ハードランディングに陥らないことを確約する」と
強気の発言に終始した。
 
その理由としては、
「工業化、都市化が推進される中で、発展状況の不均衡、地域間の格差自体が潜在力になっている」と、
19世紀から言い古された経済発展段階説を根拠に挙げた。
 
2008年9月15日のリーマン・ショックの後、中国は5860億ドル(約60兆円)もの大型景気刺激策を実施し、
「世界中で最も早く回復した」と、その効果を国内外に喧伝した。
しかし、その結果、記録的な債務増加をもたらし、全国的な不動産バブルを招いた。
足元では、再び全国的に景気が減速し、2014年第1四半期の経済成長率は7.4%と、
2013年第4四半期の7.7%を大幅に下回った。
 
そこで、4月以降、鉄道への投資加速や税優遇措置、低所得者向け住宅に関連した
中国人民銀行(中央銀行)の融資といった景気下支え策を相次いで打ち出した。
当初はミニ刺激策だったのが、徐々に大規模化しつつある。
 
当然、それなりの景気刺激効果が表れ、表面的には一定の回復基調が見えるだろう。
 
しかし、その熱銭の多くは、またぞろ、不要な薄汚れたあぶくを量産するだけとなるに違いない。
 
 
◆マンションの5戸に1戸が空室でもまだ造り続ける?
 
李克強首相が言う、
「工業化、都市化が推進される中で、発展状況の不均衡、地域間の格差自体が潜在力になっている」
との経済発展段階説は、もはや明らかに矛盾を来している。
 
工業化によって都市で仕事が増えるに連れ、数多くの人々が農地から都市に流入して、
居住用のマンションや住宅を買ったり借りたりするので、
どんどん都市化を進めてマンションや住宅を造れば良いという理屈で、中国は発展を遂げてきた。

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中国の経済発展は不動産・住宅関連産業によって牽引されてきたと言える。
鉄筋やセメントなどを含めた不動産・住宅関連業界のGDP(国内総生産)に占める割合は
16~25%にも上る。
 
しかし、今やそういった考え方は通用しなくなっている。実際は、中国全土で、
マンションや住宅の在庫がはけず、都市化はストップすることを余儀なくされている。
 
中国の西南財経大学の調査チームが、2013年8月に、中国全土の29省262県の世帯を対象に行った
調査によれば、都市部の住宅の5戸に1戸以上が空室で借り手がいない状態だ。
 
分析を行った中国家庭金融調査研究センターは、都市部の販売済み居住用住宅の空室率が、
2011年の20.6%から2013年には22.4%(4900万戸)に上昇し、売れ残っている物件が
350万戸あると推測している。
 
リサーチ力に定評がある、香港を拠点にアジア各国に投資している証券大手のCLSAが行った、
中国のGDPの20%に相当する12都市の609の不動産プロジェクト関する調査によれば、
過去5年間に完成した新築住宅でさえ、15%(1020万戸)が空室だという。
 
一方、中国国家統計局は、国では空室率の明確な定義を定めていないため
発表できないとしているが、実態は相当に深刻だと考えるべきであろう。
 
 
◆各地で「鬼城」(ゴーストタウン)が無残な姿をさらし天津市も財政破綻状態に
 
5戸に1戸の空室どころか、中国各地には、人がほとんど住んでいない
巨大な「鬼城」(グイチャン=ゴーストタウン)が無残な姿をさらしている。

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1990年代末から、各地方政府の主導によって、それまでは草原だったり
平屋の家が建っていた広大な土地を接収し、都市計画に基づいて街並みが整備され、
高層の集合住宅が次々に建てられて行った。
 
それらの高層マンションは販売されても、大半の部屋は将来の値上がりを期待して
投資(投機?)目的でローンを組んで購入されるだけで、
もともとその地域に暮らしていた住民やごく一部の購入者を除いて、実際に居住する人は少数だ。
中には造成したものの、ほとんど売れず、建設途中でストップしてしまった街も少なくない。
そういった街が、空き部屋ばかりの「鬼城」(ゴーストタウン)になってしまうのだ。
 
内蒙古自治区のオルドス市の康巴什新区、杭州市郊外の天都城をはじめ中国各地に数多くの
大小の鬼城が存在する。
オルドス市の新興住宅地は100万人都市として計画・開発され、マンションの販売価格は
上海市並みに高価だったにもかかわらず、実際に居住しているのは3万人ほどしかいない。

中国でGDP第5位の天津市は、「北京からの産業移転」のスローガンの下、
2006年から、「東洋のマンハッタン」と称してビジネス特区の建設をスタートした。
 
政府が600億元(約1兆円)を投資し39のプロジェクト、49棟の超高層ビルの建設を開始したが、
2年間の建設ラッシュの後、多くの工事は中断した。3割は1年以上放置され、
他の建設プロジェクトもすべてストップし、「中国最大のゴーストタウン」に堕している。
 
2014年1月時点で、同市の直接の負債額だけで2246億元(約3.7兆円)あり、
2013年1年間の市の財政収入の1.28倍に上る。汪洋副首相は、2月の国務院の会議で
「天津市は計5兆元(約82兆円)以上の債務を抱えており実質上破綻している」と発言した。
 
人が一度も住んだことのないまま放置された「鬼城」には鬼やゴーストさえ寄り付かない。
 
 
◆中国で金融危機が発生する確率は60%を超えた
 
昨今、中国政府の当局や高官からもバブル崩壊に警鐘を鳴らす発言が相次いでいる。
それだけ自体は深刻化しているに相違ない。

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2014年に入ってから、マンション価格の値下げが広がっており、住宅投資の落ち込みが
景気を減速させている。
 
6月18日、中国国家統計局が発表した主要70都市の5月の新築住宅価格指数
(公共性の高い低価格住宅を除く)が、半数の35都市で前月に比べて低下した。4月の下落は8都市しかなかった。
 
これまで好調だった大都市でも、上海市が前月比0.3%、広東省の深セン市が同0.2%、それぞれ下落した。
同1.4%低下した浙江省の杭州市では、売れ残り物件が急増し、住宅の値下げ合戦が始まっている。
2013年は通年で26.6%増と好調だった住宅販売の総額も1~5月で10.2%の減少に転じ、
不動産市況の悪化が裏付けられた。
 
各地で開発業者が売れ残ったマンションを値下げして販売しようとするのに対抗して、
元の値段で買った人達による打ち壊し事件が横行している。
そのため、2014年5月23日から、杭州市政府は15%以上の値下げ販売を禁止する法律を施行した。
 
今後、こういった動きが全土に広がりつつある。しかし、実際に市場で価値がないモノの価格を
無理やり維持しようとしても不可能だ。
 
6月20日には、中国四大銀行の1つである中国農業銀行のチーフ・エコノミストの向松祖は、
「中国四大銀行は金融危機の嵐に直面しており、中国で金融危機が発生する確率は60%を超えた」
と述べた。
 
また、向チーフは、中国金融危機の四大難題として、シャドーバンキング、地方政府債務、
産業再編の遅滞と錯誤、不動産価格の暴落を挙げた。
 
6月21日、中央銀行である中国人民銀行の潘功勝副総裁は、山東省青島で開かれた金融フォーラムの
講演の中で、
「中国では住宅購入が資産を増やす主要な手段であり、経済発展に多くの問題をもたらしている」と指摘。
 
そして、「投資が不動産に偏ったゆがみが不動産バブルの崩壊、さらには経済危機を招く可能性もある」
と警戒感を示した。
 
築城3年、落城3日。いつ風雲急を告げる事態が到来するかも知れない。
 
 
◆中国の黄金期は終わった?ドバイショックの1000倍の衝撃が来る?
 
中国を、市場、投資先、投資家というビジネスパートナーとして客観的に捉えている
欧米の企業や投資家の間でも、中国経済の将来に対して厳しい見方が急速に広がっている。
 
2014年5月29日、在中国の欧州連合(EU)商工会議所が会員企業を対象に行った
「2014年商業信頼感調査」(552社が回答)によれば、全体の半数近い46%が、
「中国の黄金期は終わった」との見方を示した。
 
欧州企業の中国における、売上、収益力、利益率は一段と低下し、68%の企業が過去2年間に経営が
ますます困難になっている。
欧州企業の多くは、2013年、10年来で初めて中国事業の利益率が世界水準を下回った。
 
中国を最優先投資先と位置づけた企業の比率は、2年前の33%から21%にまで下がった。
約半数の企業が、2年以内に中国政府が有意義な改革が行える可能性は低いと回答した。
 
一方、アメリカの著名投資家、ジョージ・ソロスは、

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2014年4月、中国で開かれた経済フォーラムの席上、中国におけるシャドーバンキングの急拡大を分析し、
  「この現象はアメリカの低所得者向けサブプライム・ローンの焦げ付き問題が、
    2008年のリーマンショックの引き金となった様子に似ている」
と述べ、  アメリカの経験から考えて、危機回避のために中国政府に与えられた時間は2年以内だと警告した。
 
また、エンロンの破綻を予測した投資家のジム・チャノスは、

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中国バブルは「カチカチと音の鳴る時限爆弾」であり、
  「ドバイ・ショック(2009年11月)の1000倍以上の危険をはらんでいる」と述べている。
 
バブル崩壊後の日本経済が「流動性のわな」に陥ったと分析した、
アメリカのノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマンは、

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ニューヨークタイムズのコラムで、
  「中国経済の凶兆は疑うべくもない。中国は深刻なトラブルの中にある。
    問題はいつ起きるかではなく、どれほど悪性のものになるかである」
と指摘している。
 
ソフトランディングであろうが、ハードランディングであろうが、
ランディング(降下)していることは確かだ。
 
シートベルトをしっかりと締め直しておきたい。
 
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経営コラムニスト紹介

マーケティングコンサルタント 西川りゅうじん氏

西川りゅうじん氏 マーケティング コンサルタント


1960年生まれ。兵庫県出身。84年一橋大学経済学部卒業。86年同大学法学部卒業。

在学中に企画プロデュース会社を起業し、30年にわたり赤字の年なく経営。
実家は創業以来63年間黒字の製造販売業を営む中小企業。

「ウォークマン」の販売促進、「ジュリアナ東京」のPR、「福岡ドーム」のオープニング演出、「六本木ヒルズ」「表参道ヒルズ」「三井本館」「コレド日本橋」「京都駅ビル」「上海金融環球中心」のコンセプト立案・商業開発、「愛・地球博」の“モリゾーとキッコロ” や 「平城遷都1300年祭」の“せんとくん”のデザイン及びネーミングの選定・広報、「つくばエクスプレス」や「成田スカイアクセス」の沿線まちづくり、本格焼酎マーケティング研究会座長としての芋焼酎の全国的な人気づくり、「龍馬伝」と連動した高知県「龍馬博」総合プロデュース、日本橋・吉祥寺・柏・瀬戸内7県・沖縄離島の地域活性化に携わるなど、産業と地域の“元気化”に 手腕を発揮している。

東京工業大学・早稲田大学・津田塾大学・甲南大学・東北芸術工科大学・松山大学の非常勤講師、拓殖大学客員教授を歴任。

厚生労働省「健康寿命をのばそう!Smart Life Project」スーパーバイザー
経済産業省「地域の魅力セレクション」審査委員長
林野庁「森林セラピー」戦略会議座長
(社)全国信用金庫協会「商店街ルネッサンス・コンテスト」審査委員長
観光庁「観光立国推進戦略会議」ワーキンググループ委員
神奈川県と横浜市が連携したまちづくり委員会「マグカル・テーブル」座長
兵庫県参与
長崎県観光PRアドバイザー
熊本県「企業力《1ランクUP!》プロジェクト」スーパーバイザー
(公財)にいがた産業創造機構アドバイザー
日光市まちづくりアドバイザー
小田原市観光協会総合アドバイザー
藤沢市駅前商店街活性化アドバイザー
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