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社員教育・営業

第125回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方46「採用と社員教育Ⅱ」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方」
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆
 

 前回は、「採用と社員教育―Ⅰ」についてお話しました。今回は「採用と社員教育―Ⅱ」についてお話します。

 社員の言葉遣いは、来訪者に聞かれています。面接を受けるために来社なさる方は、面接官と話す前に受付の方と話すでしょう。この時、あなたが面接を受ける立場としたら、次の二つの受付応対でどちらがよいと思いますか。
 
➀「はい、面接ですね。左手奥のお部屋です。」
②「お待ちしておりました。左手奥のお部屋です。緊張するでしょうが、がんばってください。」
 
言葉には力があります。②を言われたら、あなたはきっと面接頑張ろう!と思うでしょう。この場合の例は言葉遣い+相手の気持ちを汲み取る共感の言葉があるからです。
 
 あなたが左手奥に進むと、面接の案内係の方に声をかけられました。
 ➀「こちらの椅子に座って暫くお待ちください。」
 ②「こちらの椅子におかけになって暫くお待ちいただけますか」
 
➀は間違いではありませんが、「座る」より「かける」を使うと丁寧さを伝えられます。②の言葉遣いで応対いただくと嬉しいですね。
 
 面接者はまだ社内の人ではありませんので、来訪者と見なした応対が適切です。「かける」の尊敬語は「お~になる」を使って、「おかけになる」です。また、「ください」は命令形のため少し音声表現として強く響きます。依頼形で表現しましょう。蛇足ですが、尊敬語「お(ご)~になる」と謙譲語「お(ご)~する」はセットで覚えておくと間違えることを避けられます。例えば、「セミナーにご参加しますか」は「☓」、「セミナーにご参加になりますか」は「○」です。
 
 あなたが椅子にかけて待っていると、近くの階段を下りてくる男性2人の声が聞こえてきました。
➀社員「課長、昨日(きのう)の会議のAさんの企画、大丈夫ですかね。僕にはちょっと・・・」
➁課長「Aさんの企画?そうだなぁ。」
社内であっても上司との会話では、丁寧語を使います。丁寧語は話し手が聞き手に対し敬意を表して丁寧にいう「です」や「ます」の言い方です。➀の中には丁寧語以外のことでも気を付けなければいけない言葉が含まれています。昨日(きのう)→「昨日(さくじつ)」が接遇用語として適切、大丈夫は同等や目下の人に使う言葉で目上の人への使用は避けます。ですかね→「ですか」、僕→「私(わたくし)」、ちょっとは接遇用語としても使えないので「少し」です。➀を社内で使うのに適する言葉に直すと、「課長、昨日(さくじつ)の会議のAさんの企画ですが、あのままでよろしいでしょうか?私は少し・・・」が適切な表現です。直す前の➀の言葉が椅子にかけているあなたに聞こえてしまったのですから、会社のレベルとしてあまりよい印象ではありません。言葉遣いは、社格をも表すのです。
 
 最近、研修の中で多く耳にするのは「なります」です。頻繁に使われている「なります」はバイト敬語です。正しい使い方ではありません。「お釣りは百二十円になります」、「こちらがおすすめの商品になります」、「当店の一番人気のツアーになります」などの「なります」は、すべて間違いです。本来の「なります」は、前の状態から別の状態に移るという変化や比較対象を表すときに使います。
「私は入社して十年になります」、「こちらの棒グラフは、昨年4月からの業績の推移になります」、「母は来月八十歳になります」などが、「なります」の正しい使い方です。
 
 さらに、「~せていただく」も相手に敬意を持って丁寧に話そうとして間違えることが多いと感じます。「~せていただく」の正しい使い方は、相手から許可を受けるときです。
 
「ご連絡させていただきます」→「ご連絡いたします」、
「臨時休業させていただきます」→「臨時休業いたします」、
「三月で退職させていただきます」→「三月で退職いたします」などが正しい言い方です。
 
正しい言い方を何度か声に出して、音声として自分の耳に届けておくとよいでしょう。
 
 
■松尾友子氏
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