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製造業

第212号 緊急提言!ヒト中心の安全点検をしよう

柿内幸夫─社長のための現場改善

 毎日とても暑い日が続いておりますが皆様いかがお過ごしですか?今回は、街中で「デカいなあ」と思ったものを2つ写真に収めてきました。上の写真が名古屋城のシャチホコ。下の写真は山形県の天童です。


kaki212-1.jpgkaki212-2.jpg  先日、猛暑日の昼間に町を歩いておりますと、私の前を歩いているおじいさんの様子がおかしいことに気付きました。明らかにフラフラと歩いていて危なっかしい感じです。そこで注意をしてあげようと思って頑張ったのですが、追い付けませんでした。私の方が更にフラフラしていたようです。

 私自身がこんな調子でふらついてしまったのですが、私の指導先でも暑さで体調を崩したり、注意が散漫になってケガをしたり、品質不良を出したりということが増えています。そこで今回は緊急に安全をテーマにお話をいたします。

 この時期、読者の皆さんは特に工場で働く方々の健康に注意を払って下さい。節電を守ってエアコンをつけずにいて寝苦しさで寝不足の人もいれば、逆にエアコンをつけっぱなしにして寝て、風邪を引いている人もいるかもしれません。

 そして工場内はとても暑いことが多いですから、汗をかいて体力が失われるということもあるでしょう。朝からくたびれている人がいると考えるのも、決しておかしな話ではありません。事務所で働いている人なら居眠りくらいで済むことが、工場の現場では事故につながります。

 もし朝礼時にラジオ体操をしているのでしたら、一番後ろに立って体操中の皆さんの様子を観察しましょう。

 体調が悪い人がいた場合、その方の体操の動きの様子で何らかの変調を発見できる可能性が高いでしょう。明らかに調子が悪い人を発見したら、少し休んでもらうなどをして、大事故にならないようにすることが大切です。

 ハインリッヒの法則の300件の軽微災害の更にその下のレベルかもしれませんが、事故の未然防止という観点でお願いします。(ハインリッヒの法則とは: http://www.anzenkun.nishio-rent.co.jp/anzen/139.htm

 工場の暑さ対策についてもいろいろ実行されていると思いますが、「工場にはスポットクーラーが入っています」といった一般論での話だけでは不十分です。それぞれの工程の個人に目を向けましょう。

 例えば、プレスや成形の工程では設備を操作する人と、段取り替えをする人が別々であることはよくあります。もしその工程にスポットクーラーが設置されていたとして、どちらの人がどのような形でスポットクーラーの恩恵にあずかれるでしょうか?

 設備を操作する人は比較的、同じ場所(例えば操作盤近くとか、製品取り出し場所近く)に長くいることができますから、スポットクーラーの涼しい風に当たることができます。

 一方、段取り替えの担当者は動き回るので涼しい風に当たれないのと、場合によっては高いところでの仕事中は、スポットクーラーの排気で暑くなってところでの仕事になってしまうこともありそうです。

 そうなると、個人的に少しでも熱中症にならないような対策が必要です。給水はもちろんですが、最近はやっている首に巻く保冷剤のようなものも有効でしょう。

 先日ある現場でそれを巻いている人がいたので、その効果を聞いたところ「もちろん着けると涼しいのですが、冷たさが一時間半しかもたないので意味ないです」との答えが返ってきました。

 一時間半もつのであれば、一人に3個くらい渡してあげれば一日中交換しながら使えます。現場の方は、自分から自分に関することを会社に要求することがとても苦手です。超暑い現場で働く皆さんに、このような我慢をさせないで下さいね。

 そのためには、普段実行されている安全パトロールを、今月は人中心に注意深く見るようにするなど、いつもと違った観点から実行するといった工夫をしていただきたいと思います。

 みんなでできる限りのチエを出し合ってこの夏を健康に乗り切りましょう! どうぞよろしくお願いします。

 8月10日に東京で、緊急セミナーを開催します。日本のモノづくりは、今、大変革期を迎えています。過去と同じ考え方・つくり方では、到底生き残ることはできません。そこで今回、中小メーカー企業が、どんな環境変化にも耐え、生き残るための5大戦略を述べたいと思います。

  セミナーの詳しいご案内、申し込みは以下よりお願いします
http://jmcasemi.jp/seminar/seminar.php?CONTENT_ID=426 

kaki212-3.gif

copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

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