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第108話 中国のBATHは米国のGAFAを凌駕できるのか?

第108話 中国のBATHは米国のGAFAを凌駕できるのか?

 アメリカのグーグル(G)、アマゾン(A)、フェイスブック(F)、アップル(A)という4大IT関連企業はそれぞれの頭文字を取ってGAFAと呼ぶことがある。一方、中国の百度(B)、アリババ(A)、テンセント(T)の3社の呼称であるBATに、ファーウェイのHを付け加え、私はこれら4社をBATHと名付けている。
 
 BATHの成長は著しく、GAFAを猛追している状況だ。特に上場済みのBATの時価総額は2017年の1年間で倍増し、2017年12月末時点の額を合計すると1兆米ドルを超えている。
 
 個別で見た場合、GAFAの時価総額に続くのは、アメリカ企業を除くと6位のテンセントと8位のアリババのみだ。米中企業以外を見ていくと、ヨーロッパ企業の最上位は18位のオランダのロイヤル・ダッチ・シェルで、時価総額は2746億米ドルである。トヨタは42位にランクインしており、時価総額は1891億米ドルだ。ヨーロッパ勢も日本勢も、米中のトップ企業からは大きな差をつけられていると見ていいだろう。
 
 では、中国のBATHがアメリカのGAFAを追い越す日はやってくるのだろうか?次頁の表1が示すように、利益額ではすでにアリババはアマゾンを大幅に上回っている。時価総額ではアマゾンに及ばないアリババだが、いずれアマゾンを凌ぐことになるだろう。
 
 テンセントの場合、売上額も利益額もすでにフェイスブックと大差がない。今のペースで成長が続けば、2、3年以内にテンセントがフェイスブックを超えることが現実的となる。 
 
 注目すべきなのは、百度とグーグル、ファーウェイとアップルの格差である。百度の2016年度の売上額と利益額はそれぞれグーグルの11%、8・6%に過ぎない。ファーウェイの場合は、研究・開発費はアップルを上回っているが、売上額と利益額はそれぞれアップルの36・4%、12・2%である。百度もファーウェイもライバル超えは短期的には難しいだろう。
 
china108_01.jpg
 
 現時点では、中国のBATHはアメリカのGAFAには勝てないが、日本のライバル企業に対しては圧倒的な強さを見せつけている。
 
 配車アプリ、シェア自転車、ドローン、出前サイト、民泊、通信機器、ネット通販、検索エンジン、SNSなど、9大分野の日中トップ企業比較してみた。それをまとめたものが次頁の表2である。どの業種を見ても、中国企業に数字の上で圧倒的な差をつけられている。
 
 結論を言えば、現時点でニューエコノミー分野では日本には中国のリーディングカンパニー9社に対抗できる企業は存在しないのだ。
 
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経営コラムニスト紹介

沈 才彬
多摩大学 教授

1944年中国江蘇省海門市生まれ。中国社会科学院大学院修了。同大学院準教授、東京大学、早稲田大学、御茶ノ水女子大学、一橋大学などの客員研究員を歴任。三井物産戦略研究所主任研究員、同中国経済センター長などを経て、08年4月より、多摩大学経営情報学部教授、および、同大学院経営情報学研究科教授に就任。この間、天城会議(日本有識者会議)メンバー 、中国山東東亜研究所顧問、 国土交通省観光立国推進戦略会議WG委員などを兼務する。

近著に『検証 中国爆食経済』『今の中国がわかる本』『中国沈没』『中国経済の真実』『中国黒洞(ブラックホール)が世界をのみ込む』などがある。

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