山近義幸 (ザ・メディアジョン代表)
第2号「新入社員の動きに学ぶ」
第2号「新入社員の動きに学ぶ」
先日、新卒採用の相談を受け訪問した、とある中小企業でのお話です。
そこは、売上が5億円ほどの、注文住宅の販売会社でした。
初めての新卒採用で一人だけズバ抜けて活躍している新入社員がいました。
その社員は、上昇志向の大変強い新入社員で、毎朝、誰よりも早く出社しては、
先輩のデスクのテーブルを拭いたり、お茶の準備していまし た。
上昇志向が強いと、与えられる仕事に対してはとても抵抗感があり、
自らが仕事を見つけたり生み出したりしています。
その新入社員は、ファックスの受信トレイを、受信の都度チェックしては、
宛て先の社員のデスクにそのファックス用紙を届けていました。
なぜ、そのような面倒くさいことをするのでしょうか。
あらゆるお客様や取引先からやってくるファックスの内容で、
現場で活躍する社員の動きを把握するのです。
「あのA先輩は、昨日お見積もりをお客様から依頼されていて、業者間の価格調整に入っている」
「Bさんは、ハウジングフェアで、子供たちのために風船を準備しているようだ」といった感じで、
一通一通のファックスから、実に様々な情報を吸収していま す。
そうすることによって、仕事の流れを把握し、
先んじて先輩の動きを知ることにより、先輩との何気ない会話から、
「今、ハウジングフェアの準備をされているんですよね」
「おおっそうだ!よく知っているなぁ。実は、風船を配るかどうかで悩んでいるんだ」
と実務におけるコミュニケーションが生まれます。
その新入社員は、2年目でその会社において、営業成績No.1となりました。
山近義幸
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経営コラムニスト紹介
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山近 義幸氏 ザメディアジョン CEO
中小企業だけに特化した人材採用アウトソーシングを手がけ、
毎年全国100社以上の新卒採用を支援。
中小企業各社の強みを見つけ、それを最大限に活かした独自の採用方法を展開。
自らも毎年5,000名以上の学生を面接している実務の人。
本当に欲しい人材を獲得するためにはどうすればいいか、理論理屈ではなく、
腹を割って話し合うその人柄に全国の社長から反響を呼び、奔走する毎日。
一方で、多くの学生たちとメールや電話、勉強会、手紙…で交流を深め、
今の学生たちの気持ちを知り尽くしている。
また、同社が運営する新規学卒者向けの求人サイト「人事ドットコム」は、
大手・安定志向と対照的な「中小・自立志向」のやる気溢れる学生が多数集まると評判。
主な著書に経営者向け「そいつに社運があずけられるか」「社運を上げる人財哲学」、
学生向け「新・内定の達人」等多数。ベンチャービジネス協議会代表幹事。
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