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第33回 後生掛温泉(秋田県) 標高1000メートルの湯宿は「スーパー銭湯」の原点

第33回 後生掛温泉(秋田県) 標高1000メートルの湯宿は「スーパー銭湯」の原点

■地球の息吹を感じる地
 今の日本ほど、温泉が身近な存在になっている国も時代もないだろう。ほとんどの市町村に温泉施設が存在し、都心部にもスーパー銭湯やスパ施設がそろっている。
 
 仕事帰りや休日に、工夫をこらした変わり種の湯船が並ぶスーパー銭湯に通うのが楽しみという人も多いのではないだろうか。
 
 そんなスーパー銭湯の原点ともいえる湯がある。十和田八幡平国立公園内に湧く「後生掛(ごしょうがけ)温泉」は、岩手と秋田の県境に位置する。「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」と謳われるほどの効能をもつ湯治宿だ。
 
 海抜1000メートルにある一軒宿は、日本屈指の絶景ドライブルートである八幡平アスピーテライン沿いにあり、自然環境にも恵まれている。
 
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 宿の建物は周囲から立ち上る白い煙に包まれている。八幡平は台地状の火山で、いたるところから火山性の温泉が湧き出しているのだ。
 
 宿の裏手には、後生掛自然研究路(1周徒歩で40分ほど)があり、気軽に散策することもできる。日本一の規模といわれる「泥火山」は、文字どおり泥でできた火山で、数年ごとに噴火するという。泥湯が沸騰し、噴煙が立ち上る「大湯沼」や「紺屋地獄」など見どころも多く、地球の息吹を感じずにはいられない。
 
■天然温泉を使った床暖房
 その大地の恵みは、宿で思う存分に受けることができる。後生掛温泉の名物は、自炊中心の湯治棟に施された「オンドル構造」。床下に温泉蒸気を通して暖めるようになっている。つまり、温泉を利用した床暖房システムだ。
 
 東北地方のいくつかの宿で見られるしくみで、後世に残したい温泉文化のひとつである。床に寝転がっているだけで体がポカポカと温まり、神経痛やリウマチなどに効果があるという。
 
 日帰りでも利用できる総ヒバ造りの情緒ある大浴場では、7種類の湯船を楽しめる。オーソドックスな大きな湯船「神恵痛の湯」には、硫黄が香る白濁気味の湯がかけ流しにされている。舐めると、わずかに酸味を感じる。
 
 他にも肌を美しくするというジェット噴流の「火山風呂」、ちょっと小ぶりな「露天風呂」、温泉の蒸気を利用した「サウナ風呂」、患部にあてるとマッサージ効果がある「打たせ湯」などバラエティーに富んでいる。
 
 さながら「湯治宿版スーパー銭湯」といった趣だ。完成した当時は、時代の先端を走っていたに違いない。今のスーパー銭湯と違うのは、豊富な温泉がかけ流しにされている点。温泉をふんだんに活用したスーパー銭湯は嫌いではない。
 
 
■名物は「泥湯」と「箱蒸し風呂」
 この大浴場でぜひ利用したいのは、「泥湯」と「箱蒸し風呂」。泥湯は、湯船の底に温泉成分をふんだんに含んだ泥が沈殿しており、それを肌に塗るのが流儀。全身湿布作用や美肌効果が期待できるという。泥湯は、日本でも限られた温泉でしか入浴できない貴重な入浴法だから試さない手はない。
 
 もうひとつの「箱蒸し風呂」は、木箱から顔だけ出して温まるサウナ。一人用の木箱の中に入って腰かけ、観音開きの扉を閉める。体がすっぽり隠れ、頭だけが出ている格好になる。まさにモグラたたき状態で、まわりから見ればちょっとマヌケであるが、これが意外と気持ちいい。
 
 足元から噴き出す温泉の蒸気が箱の中に充満し、体を温めてくれる。肌や筋肉だけでなく、骨の芯まであっという間にポカポカになり、どっと汗が噴き出す。体中の毒素が抜けていくようだ。
 
 箱蒸し風呂は顔が外に出ているので、サウナ特有の息苦しさがないのがありがたい。これまで体験したことのないような快感……。箱蒸し風呂が都心のスーパー銭湯などに登場すれば人気を集めると思うのだが、どうだろう。
 

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経営コラムニスト紹介

高橋一喜氏
温泉アナリスト

 千葉県生まれ。上智大学卒業後、2000年ビジネス系出版社に入社し、経営者向けの雑誌やビジネス書の編集に携わる。2008年3月、温泉好きが高じて会社を辞め、「日本一周3000湯の旅」に出発。386日かけて3016湯を踏破。現在はフリーランスとして書籍の編集・ライティングに携わるかたわら、温泉ライターとして活動し温泉の魅力を発信している。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(ともに幻冬舎)などがある。

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