陳 海騰 (百度 駐日首席代表)
第2弾~ベトナム編~ (5)風土、環境的事情
第2弾~ベトナム編~ (5)風土、環境的事情
こんにちは、海外進出コンサルタント及びコーディネーターの野田久美子です。
製造業進出のメリット
さて、ベトナムの話題に移りますが、今年は日本ベトナム外交関係樹立40周年とあり、街なかでは、それぞれの国花の桜と蓮の花を象り、国旗に用いられている共通の赤を基調としたロゴをよく見かけ、年間様々な行事が繰り広げられ、9月4~6日にはハノイ市文化宮殿にて「日本ものづくり技術展」も開催されます。
さて、本題に移りますが、日本企業のベトナム進出とは、やはり大部分が製造・加工業などが中心となるでしょう。メリット的には低コストで若い人材の採用がしやすいことと、約8割が仏教徒のためマレーシアのような宗教問題がない点。
そして、物流においてもアジアの主要貿易国であるシンガポール、香港の中間に位置し、日本間の海上輸送も(国内輸送、通関などは除き)最短であれば6日ほど。
また北部・ハノイであれば、中国との国境貿易の玄関口となるランソン省を通り、例えば華南・広州間の陸路輸送は4日ほどとなるため、チャイナ+1としての役割としても考慮が図られます。
その他、前回のコラムでお話ししましたが、各業種別営業におけるライセンス等の申請も他業種に比べると製造業は登記がしやすく、法定資本金の制限が製造業にはないことや、中古製造設備の持ち込みが可能で、レンタル工場も多いため、中小企業においても進出を検討しやすくなるというわけです。
環境による問題点
しかし、風土や文化などによる問題点も山積み。まずは資源ですが、石炭・石油、天然ガスのエネルギー資源、スズ・銅の非鉄金属資源が中心であり、コーヒー、コメ、サトウキビなどの農産物は割と豊富という土地柄。
従って、多くの製造業における原材料の現地調達はできず、中国やタイ、シンガポールから輸入し、ベトナムの工場では加工や組み立て過程を軸とするパターンが多いのも事実。
それから、インフラは以前に比べればかなり改善されていますが、突然の停電など、発展途上国だなと感じる場面もちょくちょく出てきます。
先程、メリットに人材の採用がしやすいと書きましたが、求職者はたくさんいても、転職を繰り返す人が多いため、初めからは固定人材の確保はなかなか望めず、最低賃金が年々上昇。今年はハノイ・ホーチミンの都市では前年比17.9%と、この点も将来的の懸念点に。
やはり環境的には南部なのか?
次に、以前にもお話ししたかと思いますが、ベトナムの国土は南北におよそ1,650キロ。そして東西およそ600キロと細長いため南と北では環境もことなり、進出の場合、首都である北のハノイがよいのか?都市化が進む南のホーチミンがよいのか?はたまたダナン港のある中部など他地方を狙うのか?まずは最初の選択肢となりますね。
現状はやはりホーチミンをはじめ、その周辺で都市計画が進められているドンナイ省、ドンナイ省など南部の方が生産及び日本を含め海外からの投資額的にもがベトナムの大半を占めているようです。
因みに気候的には、
北部: 湿度が高く四季があり、例えば夏季の気温の目安は26~33度で、冬季は12~22度。
南部: 気温は20~33度と年間通して大きな差はないが、雨季と乾季があり5~10月が雨季となる。
中部: 平野があまりなく、台風・洪水の被害がある。夏季は最高気温35度となることもあるが、冬季でも最低気温は18度ほどだが、9~11月(特に10月)は降水量が上がる。
次回からは物流、インフラなどもう少し掘り下げていくことにしましょう。
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経営コラムニスト紹介
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野田久美子氏 ワイルドベリー・インターナショナル 代表
日本企業のアジア諸国進出を強力にサポートする実力コンサルタント。
1996年香港を訪れた際に日本ブームが起こりつつある現地にビジネスチャンスを感じ98年から移住。06年香港永久居民ID取得と同時に現Wild Berry International Co., Ltd.を設立し香港を拠点にビジネス展開中。日本国内のクライアントへは主に海外進出へのコンサルティング、現地コーディネートをおこなっており、なかでも実務経験が豊富な小売・卸し 飲食などの店舗展開、サービス業向けを得意としている。愛知県名古屋市生まれ。ワイルドベリー・インターナショナルホームページ http://www.wildberry-intl.com/
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