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第8号 「坐禅のやり方(その4)」

第8号 「坐禅のやり方(その4)」

 前回に引き続き、坐禅を実行していただく上で、知っておいた方が良いことをいくつか述べてみよう。

[1]なかなか無念無想の境地に入れないが、どうしたらよいのか
 坐禅は何かを考えたり、周囲の環境を気にしたりすることが目的ではないから、それを打ち消すための方法として、姿勢を正しくするということが必要である。 まず、腰骨を垂直に立てる。
 その上に背骨を載せ、背骨ができるだけ真っ直ぐになるように努力する。また頚(くび)の後ろ側が垂直になるように、顎(あご)をできるだけ後ろ下に下げる。
 背骨が前後左右に傾いていないかを調べ、もしも傾いている場合は早速直す。
 このように姿勢に注意して、坐禅をしているあいだ中、正しい姿勢を維持するために努力すると、物事を考えたり周囲の状況を気にしたりしなくなる。

[2]仕事をしながら坐禅を続ける上で、1日に何回やるのが妥当か
 道元禅師は1日に4回坐禅することを勧めておられるが、多忙を極めている資本主義の社会では、それはとうてい実行不可能である。
 しかし、極めて多忙な今日の社会においても、一回の坐禅を最長30分程度と定め、朝晩2回の坐禅を実行する事は決して不可能ではないし、そのことが実行できるようになると、それから受ける恩恵は絶大である。

[3]経行(きんひん)とは何か
 経行(きんひん)とは坐禅の途中で足が痛くなったり、眠くなったりした場合に坐禅を止めて、部屋の中を静かに歩くことである。
 たくさんの人が一緒に坐禅をしている時には、経行(きんひん)を始める合図として鐘が2回打たれる。
 そこで全員がいっせいに立ち上がり、列を作って静かに歩く。
 歩く際には昔からのしきたりがあり、先ず左手で握り拳(こぶし)を作って甲が上になるようにして胸の真ん中にあてがい、その上に右手をかぶせる。左右の上膊(じょうはく、ひじから上の部分)を水平に保つ。
 まず最初に両足を揃(そろ)え、必ず右足から半歩前に出す。
 半歩出すということは、右足の真ん中と左足の先端とが、同じ線の上に並ぶことを意味する。
 次いで左足を前に出し、やはり左足が右足より半歩出る。
 このように右足と左足戸を半歩ずつ前に出し、静かに歩いて足のしびれを直し、眠気を醒(さ)ますことが、経行(きんひん)である。

[4]坐禅をしている時の呼吸について
 坐禅をしている時の呼吸は、鼻を通して静かにすればよい 
 坐禅をしている時の呼吸法として、腹式呼吸をするとか、呼吸の数を数えるとか、いろいろの説があるけれども、これは何か特別の事をしなければならないという焦(あせ)りから、長い間に生まれた誤解であって、気にする必要はない。
息苦しい場合に、深呼吸をする事などは、少しも差し支えないことであり、いずれにしても、ごく自然な呼吸をすることを心がける事が大切である。

[5]警策(けいさく)とは何か、どう受けるべきか
 警策(けいさく)とは、握る所を太くし、先の部分をやや幅広く平らにした、1メートルより多少長めの固い木の棒であり、坐禅をしている人が眠気を催(もよお)した時や、居眠りをしている時に、その人の肩を叩いて眠気を醒(さ)ましたり、居眠りを止めたりするための道具である。
 しかし、この警策(けいさく)と呼ばれる道具はそう古いものではなく、徳川時代の初期に中国の明朝が滅んだ際、中国からの亡命僧によって日本にもたらされたものではないかと私は考えている。
 いずれにしても、佛教思想は苦行の教えではないから、道元禅師が生きられた鎌倉時代にはなかったものであり、したがって、道元禅師はこの警策(けいさく)のことについては、一言も書かれておられない。
 そこで、私はこの警策(けいさく)を坐禅中に使うことを禁止している。
 しかし、一般の坐禅会などでは現に使われているところから、その受け方は機会を見て、その受け方を説明して置く必要があると考えている。
 なお、「警策」という言葉の読み方については、臨済宗では「けいさく」という読み方をしているが、曹洞宗では「きょうさく」という読み方をしている。

 

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経営コラムニスト紹介

西嶋和夫氏

西嶋和夫氏

 1919年(大正8年)横浜生まれ。東京大学法学部卒業後、大蔵省証券局を経て、日本証券金融(株)常任監査役、その後、(株)井田両国堂の社長に請われて、平成17年まで同社の顧問を務める。

 そもそも、師が仏教を探求するきっかけは、師の少年時代にさかのぼる。体の弱かった小学校低学年のとき、息子のからだを心配した父親が、毎日、師を散歩に連れ出し、走らせたという。 3年後には、毎朝、数キロ走るのが日課となったが、師は毎日1人で走るうちに、子ども心に「走っていると、どうしてこんなに気持ちが落ち着くのだろうか」と疑問に思うようになった。
 以来、その疑問を解くための探求がはじまる。

 18歳のとき、栃木県大中寺において、昭和を代表する名僧・澤木興道(さわきこうどう)老師に出会い、師が長年、疑問に思っていた答えが、仏教にあると直感。以後、25年にわたって、澤木興道老師の教えを受ける。  1973年、師が54歳の時、在家のまま出家、法名・愚道和夫(ぐどうわふ)となる。

 世界が少しでも真実に近き、真に豊かで平和な社会となるために、道元禅師の教えを世界に広めたいという願いから、ドーゲン・サンガ・インターナショナルを設立し、海外での普及に尽力する。2014年1月逝去。

 主な著書「現代語訳 正法眼蔵 全12巻」「仏教-第三の世界観」「坐禅のやり方」「中論提唱」「道元禅師と仏道」「仏道は実在論である」「仏教問答」「正法眼蔵提唱録 全34巻」「永平廣録」 その他多数。

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