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第3号 「自律神経のバランスが大事」

第3号 「自律神経のバランスが大事」

(1)自律神経がバランスしていないと,判断は危険である
 なぜ、そのように自律神経のバランスが必要なのか?
 それは自律神経のバランスしている状態が、人間の本来の状態だからである。したがって、人間は誰でも自分自身の自律神経を、バランスさせて置く必要があるのだが、 そのような事実をはっきりと知っている人が、今日のところでは単に日本だけでなく、世界的に見ても非常に少ない。

 しかし、自分の自律神経が常時バランスしているかいないかという問題は、各人の一生に対して、大きな影響をもっている。
 たまたま、交感神経が比較的強い社長は、 夢のような美しい計画を立て、その実現に向って努力するのだが、現にわれわれがその中に生きている現代社会は、実に複雑な社会機構を基礎として出来上がっているので、単に頭の中で考えた理想社会と食い違っている場合が非常に多い。

 その場合、常時、強い交感神経の状態で生活している社長の判断は、 絶えず強固な社会的な防壁の抵抗によって妨害される危険がある。
 しかし逆に、社長の副交感神経が強いと、判断は絶えず慎重となり、必要以上に大事をとるために、せっかくの好機を眼の前に見ながら、決断に踏み切れない場合もある。

 したがって、社長が何かの決断をくだす場合には、交感神経が強過ぎても大変危険であるし,副交感神経が強過ぎても大変危険である。
 そして、事実問題としては、たまたま交感神経と副交感神経とが同じ強さの時に、正しい判断が具体化するのである。

(2)自律神経がバランスしていないと、決断そのものができない
 われわれは一般に、決断はわれわれの物事を考える働きによって行なわれるものと考えている。しかし、事実門題としては、そうではない。
 われわれの判断は考える能力によって生みだされてくるものではなく、自律神経がバランスしている時に現れてくる直観の働きによって行なわれるのである。

 佛教上の用語として、「般若(はんにゃ)」という言葉がある。
 これは「プラジュナー」というサンスクリツト語の訳語であるが、語源的に考えると「考える前」という意味であって、今日の言葉でいえば、「直観」を意味する。

 つまり、佛教では、われわれの日常生活における判断は,われわれの自律神経がバランスしている時に生まれてくる直観によって決定されるのであって、われわれが一般に考えているように、われわれの脳細胞を使って、問題を考えることによって結論が出てくるものではないのである。

 まず、最初に直観的な判断があり、その後で頭による正しいかどうかの検討があり、また事実との照合が行なわれるのである。

(3)坐禅の必要性
 上記のような事情から、釈尊(しゃくそん)は正しい判断の基礎が、もちろんその当時、自律神経に関する理解があった訳ではないけれども、われわれの身心の状態が落ち着いている時に現れてくることを直観し、正しい人間生活をおくるためには、何らかの方法でわれわれの身体と心とを、落ち着いた状況の下におく事の重要性に気づかれたものと考えられる。

 そして、古代インドにおいて、古くから行なわれていたヨガという修行法の中から、半迦夫坐(はんがふざ)と結迦夫坐(けっかふざ)という2つの優れた坐り方を選んで、人間は誰でもその意思さえあるならば、自律神経をバランスさせる道を開かれた。

 佛教の教えに従うならば、私はおおよそ人類は誰でも、人間である義務を背負っているように思う。そして、佛教が尊重する「ほとけ」とは何を意味するかという事を考えてみると、本来は「目覚めた人」という意味であり,自分自身が神でもなく動物でもない、人間である事を自覚した人々であると理解している。

 要するに、人間は神になっても動物になってもいけないのであって、人間は人間である義務を負っている。したがって、人間は人間になるために努力しなければならない。そのために坐禅の修行が必要なのである。

 

バックナンバー

2008.10.21
第20号 佛教の勉強を何から始めればよいか
2008.09.10
第19号 「坐禅するときの正しい姿勢とは」
2008.08.05
第18号 「自律神経をバランスさせることが大事」
2008.07.22
第17号 「科学でわかること、わからないこと」
2008.07.08
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経営コラムニスト紹介

西嶋和夫氏

西嶋和夫氏

 1919年(大正8年)横浜生まれ。東京大学法学部卒業後、大蔵省証券局を経て、日本証券金融(株)常任監査役、その後、(株)井田両国堂の社長に請われて、平成17年まで同社の顧問を務める。

 そもそも、師が仏教を探求するきっかけは、師の少年時代にさかのぼる。体の弱かった小学校低学年のとき、息子のからだを心配した父親が、毎日、師を散歩に連れ出し、走らせたという。 3年後には、毎朝、数キロ走るのが日課となったが、師は毎日1人で走るうちに、子ども心に「走っていると、どうしてこんなに気持ちが落ち着くのだろうか」と疑問に思うようになった。
 以来、その疑問を解くための探求がはじまる。

 18歳のとき、栃木県大中寺において、昭和を代表する名僧・澤木興道(さわきこうどう)老師に出会い、師が長年、疑問に思っていた答えが、仏教にあると直感。以後、25年にわたって、澤木興道老師の教えを受ける。  1973年、師が54歳の時、在家のまま出家、法名・愚道和夫(ぐどうわふ)となる。

 世界が少しでも真実に近き、真に豊かで平和な社会となるために、道元禅師の教えを世界に広めたいという願いから、ドーゲン・サンガ・インターナショナルを設立し、海外での普及に尽力する。2014年1月逝去。

 主な著書「現代語訳 正法眼蔵 全12巻」「仏教-第三の世界観」「坐禅のやり方」「中論提唱」「道元禅師と仏道」「仏道は実在論である」「仏教問答」「正法眼蔵提唱録 全34巻」「永平廣録」 その他多数。

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