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第13号 坐禅を利用した願望達成法は邪道か?

第13号 坐禅を利用した願望達成法は邪道か?

(読者からの質問)
  何かの本で読んで、実際にやっているのですが、座禅をするとき、腹式呼吸をして、お腹に精一杯空気をいれると、瞬間ものすごく「無」に近くなるような気がします。
 その本は、100才を過ぎてもゴルフをやるという老人の本でしたが、その本では、坐禅のとき、腹式呼吸をしながらお尻の穴を閉めるようにして、たとえば、「年商100億」とか「宇宙の力」とか、自分の夢や願望を思い浮かべたりすると、その夢や願望を実現できるというものでした。
 これは、無能唱元さんの「 アラヤ識」を利用した願望達成法に非常によく似たやり方ですが、こういう坐禅のやり方は邪道でしょうか?       (H.Kさん)

(西嶋先生の回答)
 坐禅の時には必ず腹式呼吸をするという俗説がありますが、道元禅師は呼吸を深くするという事は勧めておられますが、だからといって、腹式呼吸を勧めておられるわけではありません。
 そもそも、人間が何かを願望すれば、それが直ちに実現するほど、われわれが現にその中に住んでいる現実の世界は、安易な世界ではないと思います。 われわれが現に住んでいる現実の世界は、正しい理論にしたがって、毎日一所懸命に努力することによって、成功の得られる世界ですから、まず、われわれの身体と心を正しい状態に置く必要があります。
 そのためには、最初は短い時間でも結構ですから、毎日2回の坐禅ができるように努力し、正しい直観をもつ事のできる状態を保ちながら、毎日を楽しく生きていくべきであると思います。

 

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経営コラムニスト紹介

西嶋和夫氏

西嶋和夫氏

 1919年(大正8年)横浜生まれ。東京大学法学部卒業後、大蔵省証券局を経て、日本証券金融(株)常任監査役、その後、(株)井田両国堂の社長に請われて、平成17年まで同社の顧問を務める。

 そもそも、師が仏教を探求するきっかけは、師の少年時代にさかのぼる。体の弱かった小学校低学年のとき、息子のからだを心配した父親が、毎日、師を散歩に連れ出し、走らせたという。 3年後には、毎朝、数キロ走るのが日課となったが、師は毎日1人で走るうちに、子ども心に「走っていると、どうしてこんなに気持ちが落ち着くのだろうか」と疑問に思うようになった。
 以来、その疑問を解くための探求がはじまる。

 18歳のとき、栃木県大中寺において、昭和を代表する名僧・澤木興道(さわきこうどう)老師に出会い、師が長年、疑問に思っていた答えが、仏教にあると直感。以後、25年にわたって、澤木興道老師の教えを受ける。  1973年、師が54歳の時、在家のまま出家、法名・愚道和夫(ぐどうわふ)となる。

 世界が少しでも真実に近き、真に豊かで平和な社会となるために、道元禅師の教えを世界に広めたいという願いから、ドーゲン・サンガ・インターナショナルを設立し、海外での普及に尽力する。2014年1月逝去。

 主な著書「現代語訳 正法眼蔵 全12巻」「仏教-第三の世界観」「坐禅のやり方」「中論提唱」「道元禅師と仏道」「仏道は実在論である」「仏教問答」「正法眼蔵提唱録 全34巻」「永平廣録」 その他多数。

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杉山巌海 (名古屋大原学園学園長)

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