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戦略・戦術

第二十五話_社長の願望・目的で決める。 人材育成もここから入る

中小企業の「1位づくり」戦略

先日、大阪の岸和田市にある株式会社センエイの入社3年目の社員を取材しました。

センエイは、木質のフローリングをつくる従業員60名の町工場です。

 

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https://www.senei.co.jp/

 

 

入社のキッカケを尋ねると、

「就職説明会の会場で社長の暑いプレゼンテーショントークを聞き、
興味がわきエントリーすることにしました」

 

「最終選考まで残った時点で、実は一部上場企業から内定をもらっていましたが、
社長が『うちに来ないか。ともに良い人生を歩きましょう』と、直接電話をくださいました。
一日に悩んだ末、経営者自らが電話をくださった誠意にかけてみようと思い決心しました」

 

「会社説明会で社長が、情熱的に話されるのを聞いて、俄然惹かれました」

 

などと、社長の強い想いや情熱的な行動に共感したことが、一番に挙がりました。
取材をしていて、社長の強い想い、願望が人の心を動かしていると感じました。

 

願望とは「願い望むこと」です。

「どんな未来を創りたいのか」、
そして「そう思った背景にはどのような出来事があったのか」を
社長自身の体験を通して伝えなければなりません。

 

願望をかかわる人すべてに伝えることが社長の役割です。

 

 

従業員100人以下の会社では、社長の願望を正しい戦略で経営が決まります。

社長が願望や経営戦略である目的と目標を明確に示せないようでは、話になりません。

 

小さな会社にとって、正しい戦略とはランチェスター法則「弱者の戦略」です。

戦略づくりも社長の仕事なのです。

 

人材が育つかどうかの第1条件は、
正しい戦略に裏付けられた経営方針が明確に示されていることです。

 

そこで、良い人材の条件を次のように定義しました。

 

●社長の願望を共感・共有できる人

●社長の示す経営戦略に沿って、自分の仕事の方針と計画が立てられる人

●自分がやるべき仕事を最後までやり遂げようとする意欲を持っている人

●仕事を実行するにあたって周囲の人と強調できる人

 

つまり、良い人材が育つかどうかも、社長の願望に沿って、
具体的かつ明確な経営戦略が示されるかどうかで決まるのです。

 

 

体験を通して願望を伝える!

 

ここで構造物メンテナンス専門企業、株式会社キーマンの
城道整社長の願望を紹介しましょう。

 

同社は、1993年創業、本社は東大阪市で従業員数30名。
建造物の延命や価値向上の必要性に着目し、
メンテナンス・スペシャリストとして事情を展開しています。

 

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TOP

 

橋梁、道路といったインフラから、ビル、集合住宅、
学校といった建物に至る幅広い分野で技術を磨き、
高い評価を得ています。

 

城道社長は、経営計画発表会や就職説明会など、
ことあるごとにご自身の体験を通じて仕事への想いを伝えています。

 

私は27歳の時にプロサーファーになる夢をあきらめ、
以前からアルバイトでお世話になっていたキーマンに入社しました。

 

私が入社したころは、阪神淡路大震災が起きたあとだったので
耐震基準が見直され、耐震工事が徐々に増えてきて
阪神高速道路や高架橋などの橋の補強工事を多く行っていました。

 

それと並行して、国や自治体の方針で
小中学校の耐震補強工事がだんだん増えていき、
工事の70%が学校の耐震補強工事になっていました。

 

そんな中、私は偶然、自分の子供が通っている保育園の
耐震補強工事を担当することになりました。

 

いつもと同じように工事をしているつもりでしたが
「この建物は地震が起きても絶対に倒壊させない」
という想いで工事に取り組んでいる自分に気が付きました。

 

今までの自分は「品質の高い仕事をしよう」とか
「お客様に喜ばれる仕事をしよう」という想いはありましたが
「その建物を使う人の命を守る」という意識はありませんでした。

 

しかし、私の仕事は
「人の命を守っているんだ」と気づいた時から、
どんな工事であっても
「自分の子供が通っている学校、家族が使っている建物」
という気持ちで工事に取り組むようになりました。

 

私はこれからも地震が起きても
倒れない建物、落ちない橋に補強することで、
人々が安心できる安全な生活環境を作っていきます。

 

地震で命は奪われない。
人が作った建造物が倒壊して命が奪われる。

 

私たちは耐震補強工事を通じて
地震が起きても倒れない建物、落ちない橋に補強することで、
人々が安心できる安全な生活環境をつくるのが仕事です。

 

あなたは、社員に願望を伝えていますか?

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