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第11号「第4の質問 われわれの成果は何か」

第11号「第4の質問 われわれの成果は何か」

第四の質問
「われわれの成果は何か」
“組織の中に成果は存在しない。
すべての成果は外の世界にある”
(P.F.ドラッカー著『現代の経営』上 上田惇生訳・ダイヤモンド社刊)
http://tinyurl.com/8tsr7
http://drucker.diamond.co.jp/bs/index.html

 

経営者にも、アカウンタビリティーというものがある。


組織で働く人たちは、最終的に経営トップの意思決定に従って行動することになっているのだ。

日常の業務の中で、自分たちが何をどんなふうに為すべきなのか、その判断がしやすく、
また結果を出すために働きやすい環境が整えられていて、しかもトップの意思決定の意義と理由が理解しやすいこと、
これは働く人々にとって、とりわけ知識労働者たちの時代となった現代の労働環境において大切な条件である。

経営者(経営陣)は、組織に働く人々に、自分達自身について、自分達の活動について説明する必要があるのだ。


時々、ことにコンサルティングの現場で、私たちコンサルタントが課題だと考えることと、
経営者が目を向けられているポイントとが、ずれていることがある。

今回のテーマに関して言えば、ずっと以前にこんなことがあった。

「うちの組織では、一体感というものが形成されていないのです。」 と社長がおっしゃるので、

「各組織がサイロ状態で(牧畜の飼料などの貯蔵庫。それぞれが搭状になっていて、
入口から出口まで横につながらないままなので、部署間の交流がなくセクショナリズムが横行している組織を
表現するのに使っている)協力関係が作られていないのですね。」 と確認すると、

「そういう弊害があると思うのですが、なにしろ、一つの会社であるという、連帯感が感じられないので、
危機感をもっているのです。」

一丸となって動くことを重要視する日本人の特性もあるのだろうか。
こういったことを嘆かれる経営者の方は存外に多いようにお見受けする。

たしかに、そのせいで、生産性が低くなっていたり、クライアントの要望に対する、
たらいまわしなどが起こっていたりするとすれば、 非常に問題である。

さて、こんな時あなたなら、どうなさいますか?

今また、ひそかに復活しつつある(?)ノミニケーションで解消しますか?
朝礼などで協力関係や横つながりを奨励して音頭とりに徹しますか?
組織横断型プロジェクトチームを立ち上げさせますか…?

きっと、こうした涙ぐましい努力が十二分に報われることは少ないことだろう。
ことに若い世代の人たちをシラけさせてしまうかもしれない。

厳しいようだが、こうした事になってしまう原因は、経営者にあると思う。経営者が、


(1)会社のミッションを明確にすること

(2)ミッションに照らし合わせて、自分たちの仕事の重要性がどこに

  あるのかを説くこと

(3)自分たちのミッションが実現されていく過程で、どんなことが可能

  となり、最終的にどんな風に世の中が変化を遂げると思われるの

  かというビジョンを示すこと

  そして、

(4)そのためには、具体的にどのような成果をあげることが求められ

  ているのかを言明すること

が、できていないのではなかろうか。


組織のミッションやビジョン、成果や目標が、非常に明晰かつ判明に提示されており、それが魅力的なものであり、
素直に共鳴できると感じた時、そこに働く人々は、みな一つの使命、一つの目標に向かって協働して
歩んで行くことができるものだということを、是非とも理解していただきたいのである。

自分たちが、何のために存在し、何のために(どういった成果のために)働くのかを明示するのは、
経営者(経営陣)として最も大切な 責任なのである。

こればかりは、誰かにお願いして決めてもらうわけにはいかないだろう。


仕事に成果を上げさせるのは、当然のことである。
また、より良い成果を上げさせることは、決定的に重要なことである。

巷では、成果指標というと、売上数値目標のことを指すらしいが、私たちは、単なる売上目標を、
すなわち成果とは考えていない。それは、成果に後から必ず付いてくるご褒美のようなものだ。

成果は仕事をしたことで得られる何らかの好ましい結果である。それは、定義できるし、定義しなくてはならない。


この成果の定義付けは非常に思い切った決断と繊細な注意を要求される問題ではあると思うが、
この定義付けが上手くできている組織は、逆に効果的に成果を引き出すことができる。
また、どの程度に、成果が上がっているのかを、常に正しく知らなくてはならない。


そのためには、成果指標を決めておく必要もある。乗り物についている計器類のようなものである。

数値として数えられる事柄もあれば、安易に数えられない指標もある。
この点に関しては、
P.F.ドラッカー/G.J.スターン編著 『非営利組織の成果重視マネジメント』田中弥生訳・ダイヤモンド社p.41~などに、
わかりやくまとめられているので、是非ご参考にしていただきたい。


現代のような複雑化した社会、高度な知識を使って仕事をしていく社会では、「成果」について深く考え、
厳しく評価していくことが、自分達の事業や活動の 成功に決定的な影響を及ぼしている。

ドラッカー博士は成果について、著作、記事、講演、e-ラーニングコンテンツ、のあらゆる箇所で、
その深い洞察を披瀝されている。

(ただ、成果についての記述や言及は方々に散らばっているので、まとめて学習するのが難しいかと思われる。
よろしければ、私共のCD を参考にしていだければ幸いである。) 


成果について、これほどまでに、多面的にとらえ、実践的に必要なポイントを正しく押さえた人を、私は他に知らない。

ドラッカーのマネジメントを学んで、私たちは、売上や利益目標、あるいはコストダウンを追求することでは
決して得ることのできな かった、豊かな成果を手にすることができるようになった。


《おまけのおはなし》


この頃、マネジメントを体系的に継続的に学んでいただくことに、夢中な毎日である。

講義の中でも、よく「ドラッカー5つの質問」のお話をさせていただくが、
成果の箇所で、売上数値目標から離れた頭で考えていただくのが、重要なポイントである。

本気かつ本音で、この点を掘り進めていただけるかどうかが、成否の一つの分岐点である。

ひとつは、いろいろな組織の様々な成果指標を、ご紹介してイメージしやすいようにサポートすることにしている。
先に挙げた『非営利組織の成果重視マネジ メント』にも具体的な成果指標がいくつか載っている。

もうひとつには「成果は顧客やクライアントと共有できるものにしていただきたいのです。」と
ひときわ声高に申し上げる。売上ノルマは顧客と共有できな い。


「私、今月ノルマがこれこれの額なもんですから、ご一緒に頑張りましょう。」と言ううわけにいかないのだ。
しかし他方、成果はクライアントと共通のもの とすることができるのだ。

そのほうが分かりやすいかと思うので、対エンドユーザー向けサービスを提供している場合の一例を挙げる。


エステティック・サロンで、今月の各店舗売上目標を、顧客に伝えるわけにはいかない。
しかしながら、「今月1ヶ月で、ウエスト3cm減をめざしましょう。ご一緒に努力して、いい結果を出しましょう。」
とは言える。

何人の顧客が、理想体型になるまでの道のりのうち、何%をまで達成できたか。
何人の顧客が美しくなって満足してくれたのか。
結果、 女性が美しくなって明るく自信に満ちた毎日を送るために、どれだけ貢献したかが、わかるはずである。

ドラッカー博士の指摘通り、成果は組織の内部にあるものではない。
それは常に組織の外に、顧客・クライアント・社会の中にあるのだ。
 
参考:国永秀男
『ドラッカー流マネジメント 経営革新5つの質問』CD集 (弊会刊)
 

バックナンバー

2010.06.11
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2010.06.11
第11号「第4の質問 われわれの成果は何か」
2010.06.11
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2010.06.11
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第8号「恩師ドラッカー先生を悼んで -神と共にゆきたまへ-」
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経営コラムニスト紹介

国永 秀男氏 Port of Effective Mnagement (株)ポートエム 代表取締役

国永 秀男氏
Port of Effective Mnagement (株)ポートエム 代表取締役

経営指導歴20年。“正しいマネジメントの導入こそが、企業繁栄への近道”と主唱し、
経営者と膝づめで創り上げる「揺るぎぎない経営理念」の確立から、
会社の成長段階や後継体制に合わせた「トップマネジメントチーム」の構築、
経営戦略の革新、具体的戦術の策定に及ぶまで、
幹部社員をも引き込む親身な指導に定評がある。

毎年、定期的に米国・クレアモントの自宅にドラッカー教授を訪ね、
自らが実際の経営コンサルティングの現場で遭遇した経営課題を問答。
教授よりの直接のアドバイスを次の指導にフィードバックする、
ドラッカー公認の “マネジメント理論”伝承の第一人者である。

1962年、大阪工業大学卒業。大手経営会社に10年間在職の後、
情報サービスを手掛けるコンサルティング会社をパートナーとして設立。
1999年11月、マネジメントを高度に学べる場の提供を創業の理念に、
ポートエムを設立。現在、P.F.ドラッカー教授のアドバイスのもと、
全国の大中小企業の経営指導、講演活動等を繰り広げている。

『株式会社 ポートエム』

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