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第7号「第1の質問 われわれの使命は何か」

第7号「第1の質問 われわれの使命は何か」

第一の質問
「われわれの使命は何か」
「したがって、『われわれの事業は何か』という問いを発し、
その問いについて十二分に検討し、正しく答えることこそ、
トップマネジメントの第一の責任である」
(P.F.ドラッカー著『現代の経営』上 上田惇生訳・ダイヤモンド社刊)
http://drucker.diamond.co.jp/bs/index.html


  「われわれの事業は何か」というのは、一見わかりきった問いのように見える。


金属部品メーカーは、金属で機械部品をつくる仕事をしており、街の花屋さんは、生花を販売している。
移植医療をサポートするNPOは、ドナーに対する認識 を深めてもらい、登録者を増やす活動をしているのである。


しかし、この問いは、このように単純な当たり前の答えのために発せられたのだと思ってしまってはならない。

「われわれの事業は何か」と問うことは、
「われわれの使命は何であるのか」ということに対する答えになっていなくてはならない。

この問いに対する答えを考えれば考えるほど、この問いは何のために発せられ、どのような大いなる可能性を
含んでいるのかが理解できるようになる。
この問いに答えるためには、多少の技術が必要であることも分かってくるのである。


「われわれの使命は何か」を考える時、漠然と、この問いに向かい合ってしまうと、
答えの糸口が見つからないことのほうが多い。私達のコンサルティング の場では、
そんな時、まずこれまでの歴史を振り返って、整理してもらってみる。

創業者や創設者の想い、たくさんの製品やサービスの変遷、開発や企画の試行錯誤、
そして何よりも顧客(あるいはクライアントと呼べば、非営利組織の方々にも考えていただきやすいかもしれない)との
関係について…。

どんな歴史の浅い組織にも、過去はある。
立ち上がったばかりの組織には、立ち上げに関与した人々の、そこに到る経緯がある。
この 過去の中から、自分たちが何のために、何を思って働いてきたのかを、拾い出してもらうのだ。


しかし、「われわれの使命」の正しい答えは、過去の中にはない。

それは今とは違うかたちになった未来の社会において、自分たちが、成し遂げてきた成果はこれなのだと言える事、
その事を含んでいなくてはならない。
つまり「われわれの使命」はわれわれの組織が理想と思うビジョンに基づいていなくてはならない。


そうした意味で、バングラディシュのグラミン銀行について初めて知った時、私は感嘆してしまった。

今ではすっかり有名人となったムハンマド=ユヌス氏が創設したグラミンは銀行業を営んでいる。
村の人々にお金を貸し付けて利息を 儲けているのだ。


しかし、彼らの使命は「世界から貧困をなくすこと」だという。


返せないほどの高利貸しからお金を借りるしかない貧しい女性達に、将来のある仕事をしてもらう元手を
貸付けていく活動を続け、様々なルールや手法を もって、人々の自立を確実にしていく。
いずれ博物館に行かないと貧乏に困窮した暮らしが見られない時がくること、それこそが彼らの将来のビジョンだ。


もう一つ、「われわれの使命」について考える時、
組織の中を見ていて出せる答えではないことを、肝に銘じるべきだろう。

私達の組織は社会の中に存在しているのである。どんな企業の仕事もNPOの活動も成果は組織の外にある。


あなたの会社は、社内だけで原料を調達し製品をつくり、社内だけに売る企業だろうか。決してそうではないだろう。
顧客(クライアント)がわれわれの組 織の製品・サービス・活動を必要とし、求めてくれるから、
われわれは存在するのである。「われわれの使命」は顧客(クライアント)ひいては社会から見て
意味のあるものとなっていなくてはならない。


ドラッカー博士が教えくれた、あるひとつの使命がある。私たちが最も好きな使命だ。

社会のために利益を欲せずに働いている非営利組織の使命には、よく感動させられるものであるが、
これは、一企業の使命である。そ れは農村部でのカタログ販売から小売業者となったシアーズ・ローバックがかつて、
自分達の経営が岐路にたたされた時に提起した使命である。

彼らは、顧客にあらゆる製品を売る小売業者である。売ることが仕事だ。しかし、彼らの使命は売ることではなかった。
「アメリカの 農民にとって、さらにはアメリカの全家庭にとって、
十分な情報をもつ責任あるバイヤーとなる」であったのである。

 
参考:国永秀男
『ドラッカー流マネジメント 経営革新5つの質問』CD集 (弊会刊)

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第11号「第4の質問 われわれの成果は何か」
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第8号「恩師ドラッカー先生を悼んで -神と共にゆきたまへ-」
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経営コラムニスト紹介

国永 秀男氏 Port of Effective Mnagement (株)ポートエム 代表取締役

国永 秀男氏
Port of Effective Mnagement (株)ポートエム 代表取締役

経営指導歴20年。“正しいマネジメントの導入こそが、企業繁栄への近道”と主唱し、
経営者と膝づめで創り上げる「揺るぎぎない経営理念」の確立から、
会社の成長段階や後継体制に合わせた「トップマネジメントチーム」の構築、
経営戦略の革新、具体的戦術の策定に及ぶまで、
幹部社員をも引き込む親身な指導に定評がある。

毎年、定期的に米国・クレアモントの自宅にドラッカー教授を訪ね、
自らが実際の経営コンサルティングの現場で遭遇した経営課題を問答。
教授よりの直接のアドバイスを次の指導にフィードバックする、
ドラッカー公認の “マネジメント理論”伝承の第一人者である。

1962年、大阪工業大学卒業。大手経営会社に10年間在職の後、
情報サービスを手掛けるコンサルティング会社をパートナーとして設立。
1999年11月、マネジメントを高度に学べる場の提供を創業の理念に、
ポートエムを設立。現在、P.F.ドラッカー教授のアドバイスのもと、
全国の大中小企業の経営指導、講演活動等を繰り広げている。

『株式会社 ポートエム』

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