【新春・全国経営者セミナー】事業家・若手起業家…日本最大級、経営者700名が集う3日間 

日本経営合理化協会の関連サイト
小が大に勝つランチェスター戦略 | 社長の経営セミナー・本・ダウンロード・CD&DVD【日本経営合理化協会】

文字の大きさ

日本経営合理化協会 BOOK&CD・DVD
お電話でのご注文も承っております:03-3293-0041

第13話 凡事徹底とは差別化戦略~ハウステンボスの再建2~

第13話 凡事徹底とは差別化戦略~ハウステンボスの再建2~

20104月、ハウステンボス(以下、HTBという)再建のため社長に就任した澤田秀雄さん(HIS会長)は、スタッフに3つの基本方針を示しました。(1)掃除をしよう、(2)明るく元気に仕事をしよう、(3)経費を2割下げ、売上を2割増やそう、という実にシンプルなものでした。

第一の「掃除をしよう」とは「発展している会社はきれい」という澤田さんの経験則から打ち出されたものです。HTBはテーマパークです。お客様に見える部分はもちろん、きれいでした。でも、バックヤードはまだまだと澤田さんは感じました。お客様に見えない部分まできれいにしようというものです。

掃除をすれば儲かると唱える人がいますが、それは精神論のみならず、理論的に裏付けられます。掃除とは整理、整頓、清掃、清潔の四つの要素で構成されます。

・整理・・・要るものと要らないものを区分けし、要らないものを処分する

・整頓・・・要るものを所定の位置に所定の方法で配置し、管理する

・清掃・・・ホコリなどを掃き清める

・清潔・・・拭き掃除などで磨き上げ、衛生的にも美的にも美しくする

四要素の掃除をすることで、スタッフの規律が保たれ、よい習慣が身に着くことで礼節がよくなり、安全性や衛生面も向上します。人は誰もが自分に関心があり、仕事中であっても頭のなかはプライベートなことを考えてしまったりするものです。一心不乱に掃除をすることで自分の内側(プライベート)に向きがちな関心を外側に向けます。すると、スタッフの「気づき、気配り、気働き」がよくなります。お客様のみならず、同僚への配慮も行き届くようになるのです。「愛他精神、利他の心」が育まれます。

組織には誰がやるのか、はっきり決まっていないけれど、誰かがやらなければならない仕事が山ほどあります。こういった仕事は愛他精神がなければ、誰かがそのうちやってくれるだろうとなり、ポテンヒットのようなエラーが生まれてしまいます。愛他精神があれば、気づいた人が率先してやるのでエラーが生まれにくくなるのです。

誰がやってもよい仕事を進んでやることを「組織市民活動」といいますが、これが活発に行われればエラーは減り、生産性は上がり、お互いがお互いを配慮していると連帯意識が高まり、働きやすくなるので従業員満足は高まります。このような組織の業績が上がらぬはずはありません。 

第二の「明るく元気に仕事をしよう」ということも、テーマパークという性格上、ごく当り前のことです。スタッフは明るく元気に振舞っているつもりでした。でも、外部から来た澤田さんの目には不充分に映りました。創業以来、赤字続きで社員に負け癖がついている印象でした。「ウソでもいいから明るくやろう、しんどい時こそ明るくやろう、嫌々やってもよい仕事はできっこない。カラ元気でもいいから、と訴えたのです(澤田さん)。」

掃除も明るく元気もテーマパークとしてはごく当り前のことで、いわば凡事です。ただ、この当り前のことを徹底して継続してやり抜くと、圧倒的な、絶対的な差となります。凡事徹底は差別化戦略です。そして企業繁栄の基礎、基盤となるのです。

差別化戦略というと大向こうを唸らせるアイディアを考えたくなるものですが、基礎のもろいアイディア勝負は長続きしません。凡事徹底の基盤の上に立つアイディアこそ生きるのです。

バックナンバー

2012.07.13
第16話 志と夢~ハウステンボスの再建5~
2012.06.08
第15話 選択と集中とスピード~ハウステンボスの再建4~
2012.04.06
第14話 選択と集中とスピード~ハウステンボスの再建3~
2012.03.09
第13話 凡事徹底とは差別化戦略~ハウステンボスの再建2~
2012.02.17
第12話 メッセージの集中~ハウステンボスの再建1~
  1. ≫記事一覧

経営コラムニスト紹介

戦国マーケティング代表取締役 福永雅文氏

福永雅文氏 戦国マーケティング
代表取締役

小が大に勝つ「弱者逆転」を使命とし、我が国の競争戦略のバイブルともいわれるランチェスター戦略を伝道するコンサルタント。販売・マーケティングを指導するコンサルティング活動、企業内研修、講演、公開セミナーを行う。

1963年、広島県呉市生まれ。86年、関西大学社会学部卒。マーケティングの仕事に従事するなか96年、ランチェスター戦略と出会い99年、コンサルタントとして独立。2001年、戦国マーケティング株式会社設立、代表取締役に就任。歴史研究をライフワークとし、毎年、NHK大河ドラマを題材に「ビジネスは歴史ヒーローに学べ」のテーマでも講演・執筆活動を行う。

著書「ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則」「ランチェスター戦略『一点突破』の法則」以上、日本実業出版社「ビジネス実戦マンガ『ランチェスター戦略』」PHP研究所  月刊誌ニュートップL(日本実業出版社)で「小よく大を制すビジネス兵法」を連載。

NPOランチェスター協会 理事・研修部長、ランチェスター戦略学会 常任幹事

福永雅文氏の経営コラムに関するお問い合わせ