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人間学・古典

第二十二話「孝は道の美」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。



中国、後漢の班固という人は、“孝は道の美、百行の基なり”とのべている。
即ち孝行は人の踏み行う道のなかで一番美しい行いで言動のすべての中の基本であるとしている。

また“小学”という書物には“孝子の親愛ある者は必ず和気あり、和気ある者は必ず愉色あり”愉色ある者は、必ず腕容ありとある。

つまり、孝行者には必ず暖かく、なごらかな気持ちがある。和気があれば、必ずやわらかい顔色となって現れてくる。さらに、こういう人間であれば、どのような職場、人との交際についても親しみ、尊敬の気持ちを抱かせる。

とかく親孝行といえば、養うことで足りると考えがちだか、慕い、敬う心を欠いて眞の孝とは言えなかろう。私は父の死後七十余年になるが、朝夕、順番に朝は緑茶をそえて写真に朝夕の挨拶をしている。また、先祖代々の位牌に対しても同じ。

先祖など、どんな人間だったか知らないし、見たこともない、と言っていた人に、“おまえさんは鏡で自分の顔を見たことがないのか。鏡に写っている顔が先祖様の顔だ”と言っておいた。

さて話は変わるが、私は現職時代、社員採用にも登用にも孝行を一つの条件としてきた。

二人の親の面倒もみない、まして尊敬もしない人間が、何十何百人の指導者になれるわけがないし、何百何千の観客の意にそう心などあるはずがないと考えたからだ。

孟子にある“賎貨を好み、妻子に私して父母を顧みざるは三の不孝なり(賎を蓄えることが好きで妻子の愛を先にして父母の孝養を怠るのは第三の不孝である)”という文句を重視してきた。
最も子としての道を履き違いていると思ったからだ。

 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

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