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第287号 工場内の「扉」は、防犯、防音、安全、衛生、省エネ、保温、法律上...必要なものに限定せよ

第287号 工場内の「扉」は、防犯、防音、安全、衛生、省エネ、保温、法律上...必要なものに限定せよ

 今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実例を挙げて解説します。  

【急所62】工場内の扉は、防犯、防音、安全、衛生、省エネ、保温、法律上…必要なものに限定せよ。(146頁)
 
 今回の【急所62】は、以前からある「扉」を、「なくてはならないもの、あって当たり前のもの」と考えずに、「本当にこの扉って必要なの??」とか、「前から邪魔だと思っていたけど外せないの??」という見方をしてみてはどうでしょう…という問題提起です。
 
 まず、「扉」はどこにありますか? 建物や部屋への出入り口から始まって、廊下の扉、トイレの扉、倉庫の扉、資材収納のロッカーの扉などがまず思い浮びます。
 
 これらの「扉」の中には絶対になければならない「扉」があるでしょう。安全管理、衛生管理、温度管理、防音、防犯、省エネ、法律上といったものは絶対必要です。
 
 しかし、たとえそれがどんな役割であったとしても、「扉」である限り、開け閉めが必要になります。そして開け閉めは製品に対する付加価値を付けませんから、これは「動作のムダ」であることは間違いありません。
 
 だったら、無い方がいいですよね。そこで、慣れて景色に溶け込んでしまっている「扉」を、改めて見直してみようということです。
 
 とはいえ、工場内で「扉」といわれても、出入り口しか思いつかない方も多いでしょう。しかし「扉・扉・扉…」と呪文を唱えながら工場内を見渡すと、設備にもロッカーにも、配電盤にもとたくさん「扉」は付いているものです。
 
 その中で、これは無ければ困るという「扉」以外は、不要と考えてみてはいかがでしょうか。
 
 例えば、個人ロッカーであったものを現場の掃除用具入れに使っていることはよくありますが、そのまま使っていればもちろん「扉」が付いています。
 
 私は、そういう場合は必ず「扉」を開けて中を覗いてみるのですが、ほぼ100%べちゃべちゃぐちゃぐちゃです。
 
 外から中が見えない状態だから、です。そういう場合はすぐに「扉」を外して、常に中が見えるようにしてしまいます。清潔な状態作りが始まりますし、何より取り出し易くなります。
 
 この場合、「扉」が必要な理由はありません。海外では、国によって鍵をかけないと掃除道具を盗まれるということもあるので必要かもしれませんが、日本では不要です。
 
 私たちは、既にあるモノがそのままの状態でも使えるなら、少々不便でも使ってしまいがちです。しかし、「扉」を外すという比較的シンプルな改善を面倒くさがらずに、勇気を出して実行してみましょう。
 
 単純なようですが、道具を使って何人かが集まって「えいやっ」と実行することで、それ以降の自分たちでできる改善の範囲が広がることが起きるのです。
 
 つい先日、これまで自分たちでは内製化の改善活動をしたことがないというM社に伺いました。5Sはしっかりと実行されていますが、もっと大きな改善活動を始めたい…ということでお伺いしたのです。
 
 そこで、まずはKZ法をしましょうと提案し実行しましたが、「いつもしっかり5Sをしていますから、カードは貼れないと思いますよ」とM社長はおっしゃいました。しかしやってみると、あっという間に用意した300枚のカードが一枚残らず貼られました。
 
 そして、そのうちのたくさんのカードが「扉」に貼られたのです。そこで、要らない「扉」を取ることをその場で実行したのですが、始めるや否やいろいろなアイデアが続出し、これまでにないスピード感と実行力を生み出せたと喜ばれました。
 
 「扉」に限らず、工場内のあらゆることに対して、本当に必要か?とか本当にベストか?という疑問を持ってみることによって、改善のネタを探せるということに挑戦していただきたいと思います。
 
 
 

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copyright ゆきち先生 http://yukichisensei.com/

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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経営コラムニスト紹介

柿内幸夫技術士事務代表 柿内幸夫氏

柿内幸夫氏 柿内幸夫技術士事務所 代表

現場改善No.1コンサルタント。
大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。
現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。
中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。

1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。
著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。
柿内幸夫技術士事務所ホームページ http://www.kakiuchikaizen.com/

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