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第82回“お膳立てビジネス“に、新マーケットのチャンスがある「宅配バーベ急便」

第82回“お膳立てビジネス“に、新マーケットのチャンスがある「宅配バーベ急便」

 

宅配バーベ急便

 

“お膳立てビジネス“に、新マーケットのチャンスがある

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こうした食材のみならず、設営、片付けまで請け負うため手ぶらでバーベキューを楽しめるユニークな
サービス。同業は増えたが、同社は14年前に創業したパイオニアだ

 

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手際よく設営してくれるスタッフ。たまにしか使わないモノならば所有せず、リーズナブルにシェアリングや

レンタルで、という時代のニーズともマッチ

 
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冬場はオフシーズンで売り上げは減るが、その分、冬場ならではの「かき小屋」を設営。機会損失を防いでいる
 
 

キャンプやバーベキューといったアウトドア・レジャーが、相変わらず人気だ。
背景の一つにあるのは近年、「野外フェス」や「パワースポット巡り」が熱狂的に支持され、一般化したことだろう。こうしたイベントに参加することで、あらためて自然の中での開放的な飲食やコミュニケーションの魅力にとりつかれた人は多い。

もっとも、アウトドア・レジャーには「道具」と「手間」というハードルがある。後片付けも手間取るし、タープの設営や炭の点火などは慣れないと難しい。

ようするに「アウトドア遊びは楽しいけれど、やっぱりちょっとめんどくさい」わけだ。

そんなニーズを汲み取って、成長しているのが『バーベ急便』である。
株式会社福利厚生援護会が提供している、バーベキューの宅配・設営サービスだ。
 
利用客は事前に電話予約。ホームページなどにあるメニューを見てバーベキュー用の食材と共にコンロやテーブルなどを指定する。あとは場所と日時させ伝えれば、当日の開始時間の30分前には、同社スタッフが注文の食材と道具を持ってきてくれる。その後、コンロやテーブルを設営。皿や食材がキレイに並べられ、しっかりと炭に火がつけられた状態が用意されるというシステムだ。
 
利用客は、バーベキュー場に手ぶらで向かい、焼き、食べ、楽しむだけ。
時間(最大3時間)になると、再び同社スタッフが現れて後片付けまでしてくれる。
 
「何の面倒もなくバーベキューを楽しんでいただけるので、初心者の方はもちろん、女子会など女性だけで楽しまれる方も多いですね。また手ぶらで利用できるので、合コンなどで使い、バーベキューのあとはカラオケ屋で二次会に…なんていう方もいます。ユニークなものでは、結婚式の二次会に、という方も」(東京営業所所長・鈴木雅文さん)
 
ハードルを低くしたことで、新たなマーケットまで開拓できたわけだ。
料金は、焼き肉5人前セットの食材が9900円、アルコール類、コンロ1台3150円、木炭一箱(着火・消化込み)1785円など。食材費だけで税抜き2万円以上からが配達条件になっている。場所は自宅の庭でも公営の公園でも、バーベキューができる場所で同社の宅配エリアならばどこでもOK。場所の予約や使用料だけは各自での手配となる。
 
そもそも同社のサービスは14年前に関西でスタート。元漫才師で、その後、飲食関連企業に勤めていた古川正明代表が起ち上げた。自身もバーベキューが好きだったが、「準備のわずらわしさを無くせば、より多くの人が喜んでくれるはず」とサービス開始に至ったという。もっとも、当時は今ほどバーベキュー人口が多くなかったため、ターゲットにしたのは法人。「福利厚生の一環として社員向けにバーベキューを」「運動会やバザーなどの会場でバーベキューを」と提案して顧客を獲得していったそうだ。
 
「そのため、社名が“福利厚生援護会”なのです。最大で企業のイベントで一度に2000人規模のバーベキューを請け負ったこともあります。当初は会社の総務部に飛び込み営業で顧客を獲得していましたが、翌年になると『今年もやりたい』『まだやっている?』とリピーターが増え、事業として成り立つようになった。また個人客が増えた今もリピーターさんがとても多い」(前出・鈴木所長)
 
売り上げは公表していないが、アウトドア、バーベキュー人気と相まって、同社の売り上げは右肩上がり。大阪本社の他、東京、またFCとして秋田に営業所を持つほどだ。
 
潜在的なニーズは極めて高いのに「道具が無いから」「面倒だから」と、そのレジャーや遊びをあきらめている消費者は多いものだ。宅配バーベ急便は、「道具を揃え」「面倒を請け負う」という“お膳立て“をすることで、物理的、あるいは心理的ハードルを下げ、この潜在ニーズをすくうことに成功した。
 
「面倒な下ごしらえはやっておきましたから、クライマックスはご自由にどうぞ」という、いわば“お膳立てビジネス”だ。
 
同様に「メンバーを集めるのが面倒だから」というニーズをすくって成功している、個人参加できるフットサルイベント。また「おひとりさま」の参加者ばかりを集めて、しかし旅行先で初対面のツアー仲間となってワイワイと楽しめるおひとりさまツアーが人気なのも、同じような、下ごしらえまでは請け負う“お膳立て”をしているからだろう。
 
少し見渡せば、こうしたお膳立てさえしてあげれば、満たされないニーズを取り込める分野はまだまだありそうだ。(カデナクリエイト/箱田高樹)
 

◆社長の繁盛トレンドデータ◆
『宅配バーベ急便』

 

 

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株式会社カデナクリエイト/編集プロダクション

雑誌、書籍、PR誌の編集プロダクション。『月刊ビッグ・トゥモロウ』(青春出版社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。その他、PR誌、社内報などの制作を手がけている。著書『小資本で、でっかく儲ける法則』『「イベント」で繁盛店』(同文舘出版)。執筆協力には『大失業時代の勝ち残り経済学』(青春出版社)『とげぬき地蔵経済学』(メディアファクトリー)『かけがえのない「スキル人間」になる』(光文社)をはじめ多数。

株式会社カデナクリエイト ホームページ
http://www.cadena-c.com/


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