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第80回 SNSを集客の起爆剤にした歌舞伎町の新名所「ロボットレストラン」

「社長の繁盛トレンド通信」

 ◆ロボットレストラン◆ 


「SNSで噂になる仕組みをつくる

 

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ロボットレストラン入り口。見るだけでワクワクする。

 

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10月にオープンしたばかりの新しい待合室。キュートな女の子がワゴンカーでドリンク類を販売。
 
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金ぴかのゴージャスなトイレ
 

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女型ロボット「ロボコ」と「女戦」のダンサー

 

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 大迫力のキングロボタ

 

 

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繁華街で人目をひく「ロボコ」

 

東京・歌舞伎町の『ロボットレストラン』が人気だ。昨年7月にオープンしてから9月まで、およそ14ヶ月で入場者数は6万9000人に達したという。

『ロボットレストラン』は、実は総勢30名の女性ダンサーチーム『女戦』のショーを魅せるために誕生した店だ。ショーの時間はおよそ1時間。前半は和太鼓、ダンス、ワイヤーアクションなど『女戦』が主役、後半は『女戦』のメンバーが女型のロボットを操縦して登場したり、小型ロボットがダンスをするなどロボットを主役にしたショーが繰り広げられる。
 
「この店をつくった目的はふたつ。ひとつは、『ダンサー』という職業で生計をたてるための場づくりです。日本は欧米のようにショービジネスが発展していませんからね。二つ目はかつて日本一の歓楽街と言われた歌舞伎町に活気を取り戻すお手伝いができればいと思ったことです」とダンサーであり代表取締役である大澤奈美恵氏。
 
このような壮大な目的を達成するための第一歩は大勢の客がやってくる話題の店づくりをすることだ。どんな店にすれば人がやってくるのかオープンまでに3年間も構想を練った。その結果、「近未来は女性がつくる」→「近未来のイメージはロボット」といった流れでイメージが膨らみ「ロボットレストラン」になったという。
 
歌舞伎町のきらびやかな店は、法外な料金を請求されそうだと疑う人は少なくない。そうした偏見がある中で、ロボットレストランが集客に成功したのは、口コミを利用した宣伝のうまさにある。
 
まず、オープン一週間くらい前から、同店オリジナルの女型のロボットをハマーで牽引して渋谷、新宿など繁華街をパレードした。パレードの間中、「ロボットロボットレストラン。総工費用は100億円」というフレーズが流れる。これを見た人たちが、ロボットの写真を携帯やスマホで撮影して、次々にフェイスブックなどのSNSに投稿した。だから、「ロボットレストランとは何か?」という噂があっという間に広がっていったわけだ。
 
ロボットレストランに興味を持った人は、HPで調べるだろう。そこで同店では、価格をはっきり明示したHPを用意した。また、健全な店であることを強調するために、タトゥー、サングラス、泥酔はもちろん、水商売風の人まで入場禁止であることを謳った。
 
店内では、内装、ステージともに、写真撮影を自由にした。だから、訪れた客は気軽に写真を撮影し、どんどんSNSに投稿する。投稿を見た人は、面白そうだから自分も行ってみようとなるわけだ。このように、まずSNSを通じて知名度が上がり、入場者数が増えていった。
 
客が増えれば取材もやってくる。意外なことに、まず、ヨーロッパの通信社が取材に来たという。国内外の観光客や家族連れもやってくるようになった。著名人も大勢訪れるようになった。観光スポットとして知られてくれば、訪れた人は、SNSに投稿したくなる。そして、また客が増え、マスコミもやってくるという好循環が始まった。今後は、観光バスの誘致などにも力を入れていきたいそうだ。大量の観光バスがやってくるようになれば、歌舞伎町が活気づくに違いない。
 
いずれにしてもロボットレストランが飛躍したきっかけは、SNSで噂になる仕組みをうまく作ったことにある。同店のやり方はどんな商売でも参考になる。中でも、分かりにくい商品やサービス、立地が悪い店舗などでは高い効果を発揮するはずだ。(カデナクリエイト/竹内三保子)

 

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『ロボットレストラン』
東京都新宿区歌舞伎町1ー7ー1
新宿ロボットビルB2F
TEL:03-3200-5500
営業:18:00-23:00(1日3公演)
予約: 9:00-22:00
料金:5000円(ショー観覧/弁当/ワンドリンク)

http//:www.shinjuku-robot.com/

 

 

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