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第78回 買い物の面白さをふくらませる「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」

第78回 買い物の面白さをふくらませる「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」

 ◆ドンドンダウン オン ウェンズデイ◆ 


「買い物の面白さをふくらませる

 

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野菜・果物タグが付いた商品が並んでいる。店舗にもよるが、商品の7~8割にこのタグが付いている。ちなみに野菜・果物なのは「八百屋のように新鮮な商品が並んでいる」から 

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今週の値段表。7,350円~105円までの10段階。毎週水曜日に、値段表が更新される
 

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使用に耐えうる洋服なら全品買取するのも特徴。店舗で売れる服は1kg50~500円、
店で売らない服も1kg10円で買い取ってくれる

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こちらは原宿店。ラフォーレ原宿の向かいにあり、10~20代の若者が多い。 

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こちらは青森中央店。「郊外店は60~70代のお客様も少なくありません。毎週水曜日に友人と会って話すコミュニケーションの場になっています」(菊池氏)

 

●毎週水曜日に値下がり。最終的には105円に

かぼちゃ4,200円、きのこ2,100円、なす925円――。

店の入口にある「今週の値段表」に記された、商品の値段。「ずいぶん高い八百屋だな……」と思うかもしれないが、この店は八百屋ではない。古着を販売する「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」だ。

(株)ドンドンアップが運営する同店は、2005年に青森県八戸市に1号店をオープンし、8年で全国62店舗にまで勢力を拡大した。2012年度の売上はグループ全体で44億5,000万円に上っている。近年、不況やエコ意識の高まりなどを追い風に古着チェーン店が急増しているが、そのなかでも目覚ましい成長を遂げている一つといえるだろう。

なぜ、ドンドンダウンは客からの支持を集めているのか。品揃えの良さはもちろんだが、もう一つの理由は、ユニークな価格システムにある。

同店で売られている洋服や靴には、野菜や果物のイラストが描かれたタグがついている。これは、値札の代わり。どのイラストだといくらなのかは、「今週の値段表」でチェックする仕組みになっている。

面白いのは、「今週の値段表」ということからも分かるように、毎週、値段が変わることだ。古着の値段は7,350円から105円の10段階に分かれていて、毎週水曜日になると、1段階ずつ値下がりしていく。たとえば、かぼちゃのイラストの品が今週7,350円だとしたら、翌週の水曜日になると5,150円に、その翌週の水曜日になると4,200円に下がる。

服の価値にかかわらず自動的に値段が下がるので、相場よりはるかに安い商品が出てくることがある。思わぬ掘り出し物に出会える楽しみがあるわけだ。また、「売り切れ覚悟で、1~2週間値下がりを待ってみる」といった駆け引きも楽しめる。「服を買うというより、駆け引きを楽しみに来ているお客様も多いですね」と話すのは、(株)ドンドンアップ・広報部部長・菊池直之氏。どの店でも、毎週水曜日に来る常連客がいるそうだ。

品揃えは若者向けの洋服が主。それに合わせて、客層は20~30代が多いが、40~50代のファミリー層も少なくないという。「実は40~50代は若い人が着ている服を着たい人が多い。ただ、デパートで高いお金を出して買い、失敗したくないという気持ちが強いようです。そこで当店を利用するわけですね」

●目利きが要らず、未経験者でも運営できる

この店のシステムは岡本昭史社長が考案した。ドンドンダウン オン ウェンズデイを立ち上げる前、岡本社長は、1着数万円するようなビンテージ古着の販売店を営んでいた。しかし、古着ブームの陰りもあり、一時は、最盛期の半分まで売上を落としていたという。

危機感を覚えた岡本社長は、「顧客の心をゆらすことが必要」と考え、あの手この手で客を集める手を講じるようになった。「本日、佐藤さんは20%引き」と特定の名字の人が割引になる「名前割引」、黒ひげ危機一発で黒ひげを飛ばしたら割引が受けられる「黒ひげ危機一発割引」が、その一例だ。

その流れで出てきたのが、「毎週古着の値段を下げる」というアイデアだった。そこで、試験的に、八戸に1号店を出店したという。「価格システムは今とまったく同じです。『105円まで下がる商品が続出するのでは?』という不安もありましたが、フタを開けてみると、だいたい適正価格で売れていくことが分かった。お客様の反応も良く、『これならイケる』となりました」(菊池氏)

実際に店を運営するなかで気づいたのは、このシステムは店舗運営が容易であること。古着は「ボロボロでも実は価値が高い」物があるので、目利きが重要とされるが、同店の場合、売れなければ自動的に値段が下がるので、目利きがそれほど意味をなさない。つまり、あまり値付けに悩むことがないわけだ。

また、イラストタグを採用したので、売れ残った商品の値札をつけかえる手間がない。加えて、長年、古着店を経営していたことで、すでに東南アジアやアフリカに古着を卸すルートを確保しているので、仮に105円になって売れなくても、在庫を抱えるリスクもない。

このような環境が整っていることから、第1号店を開店して1年も経たないうちからFCを募集し始めた。すると、すぐに名乗りを上げる企業が出てきた。今ではFC店が全62店舗中、49店舗を占めている。

ドンドンダウンのもう一つの特徴は、「使用に耐えうるならすべて買い取る」古着の全品買取をおこなっていること。これも、客や服が集まる大きな要因の一つだ。「気軽に服を売って、古着を買う文化を根付かせる、『古着界のブックオフ』のような存在になれれば」と菊池氏は意気込みを語る。

ドンドンダウンが幅広い客層に支持された要因はいろいろあるが、やはり、大きな要因は、価格システムが単に目新しいだけでなく、「自分の才覚で、賢い買い物をした」という買い物の面白さを増やす仕組みだからだろう。

値段の付け方で買い物の面白さをふくらませることは、古着店に限らず、どんな店でもできそうだ。ドンドンダウンのように「毎週値段が下がるコーナーをつくる」でもいいし、「最も高い金額を提示した人に売る『入札』システム」を一部の商品で取り入れる手もある。よくある手だが、「日替わりの特売品」や「タイムセール」でも効果はあるだろう。(カデナクリエイト/杉山直隆)

 

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

ドンドンダウン オン ウェンズデイ
原宿、札幌、盛岡、大阪、広島など、全国に62店舗を展開

http://www.dondondown.com/

 

 

 

 

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雑誌、書籍、PR誌の編集プロダクション。『月刊ビッグ・トゥモロウ』(青春出版社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。その他、PR誌、社内報などの制作を手がけている。著書『小資本で、でっかく儲ける法則』『「イベント」で繁盛店』(同文舘出版)。執筆協力には『大失業時代の勝ち残り経済学』(青春出版社)『とげぬき地蔵経済学』(メディアファクトリー)『かけがえのない「スキル人間」になる』(光文社)をはじめ多数。

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