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第38回(臨機応変のサービスを提供する「寅゛衛門グループ」)

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ 寅゛衛門グループ◆


「臨機応変なサービスを提供する」

 
 

「Kitchen 寅゛衛門」の店内は、オープンキッチン。「スタッフは舞台俳優であり、店は晴れ姿を見せるステージ」という考え方から、このようなスタイルをとっている

 

「Kitchen 寅゛衛門」名物の「バースデーイベント」。オープンキッチンをステージに、スタッフが総出で歌い踊り、誕生日を迎えた客を祝う。誕生日を迎えた客は、突然のお祝いに、心を揺り動かされるという

     
 
 

「寅゛衛門グループ」では、開店前に外で朝礼をおこなっている。店の理念やポジティブな言葉を大声で発することで、客をおもてなしする気持ちを再確認する

 

毎日、開店前には、店のまわりをぞうきんで掃除する。「挨拶と掃除によって社会を明るくする」という企業コンセプトに基づいた行動だ

     
一人ひとりの客に合わせて、臨機応変にサービスを提供する。
そんな高度なサービスを実現した店や施設が増えている。

たとえば、ザ・リッツ・カールトン大阪。
「『タオルが5枚欲しい』『バスタブマットをもう1枚』といった要望に快く応じてくれた」
「最初の宿泊でFAXを使ったら、次回、部屋にFAXが備え付けられていた」…。
このような心地良いサービスによって、熱烈なリピーターを獲得している。

こうした試みに成功した企業は、小さな企業でも見られる。
愛知県下に5店舗を構える居酒屋「寅゛衛門グループ」は、成功例の一つだ。
サービスを競い合う2006年度の「居酒屋甲子園」では、全国2位に輝いている。

運営母体のジャパン興業(株)・赤塚社長は、この店を開く前に、居酒屋チェーンのFC店を15年間営んでいた。
しかし、「手頃な価格帯の店でも、マニュアルを超えたサービスをできないだろうか」とチェーンを抜け、
新たに居酒屋を開業。独自の思想に基づいたサービスを模索するようになった。

同店の自慢は、アルバイトスタッフを主体にしながら、高級店にも負けない臨機応変な対応をしていることだ。

待たせずにドリンクや料理を運ぶ、料理を出す順番を考える、といったことは言うまでもない。
雨の日にタクシーで乗り付けた客がいれば車まで出迎えるし、雨で濡れていれば、タオルを渡す。
メニューに載っていない料理を頼まれても、可能ならば作る。

このようなもてなしの連続に、客は心地良さを感じ、リピーターになるわけだ。
客からは、「ここまでやってくれると思わなかった」と感謝の手紙が多く寄せられているという。

もちろん、臨機応変なサービスをするには、アルバイトスタッフの教育が不可欠だ。
しかし、赤塚社長は、もてなしの方法を細かく教えているわけではない。
「お客様の満足を自らの喜びとする」という経営コンセプトや、人の生き方を、
朝礼や月1回の研修会で、粘り強く語り続けた。
また、自分でも考えさせるために、スタッフにスピーチをしてもらうそうだ。
あとは、個々の感性に任せているという。

基本的な考え方を伝え、あとはスタッフの感性や能力を信じる。
これは前述したリッツ・カールトンでも同様の方法を採っている。
なかなかできないことだが、臨機応変なサービスにはそれが不可欠だろう。
(カデナクリエイト/杉山直隆)


◆社長の繁盛トレンドデータ ◆

Kitchen 寅゛衛門(どらえもん)

愛知県春日井市南下原町上中193-3

TEL:0568-87-7889

最寄り駅:JR、名鉄「春日井」駅から名鉄バス「南下原町」停留所下車

※他にグループ4店舗あり

URL:http://www.draemon.net/

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