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第23回 日次決算のすすめ

第23回 日次決算のすすめ

ある製造業を営む社長は、数年前から月次決算をしています。

年次の経営目標を月次に落とし込み、実績と比較しています。 しかし、毎月の目標達成率は、90%前後にしか
なりません。当然、年次の実績は、目標を下回ってしまいます。この会社は、昨年度、売上が低迷し、さらに
得意先が倒産したため、赤字が出てしまいました。

「今年は、なんとしてでも、前年度の110%の売上を上げ、利益を出さないと、銀行からの融資が受けられなくなる。
そのために月次目標を設定しているのに、これじゃ、まったく意味がない」と、肩を落としました。

そうなんです。社長が言うとおり、毎月20日過ぎに行われる経営会議では、経理担当者が、実績報告をしますが、
従業員はまったく他人ごとです。

なぜ、こうしたことが起こるのでしょうか?それは、次のようなことが影響していると考えられます。

1、月次決算が締まるのが遅いこと

2、経理担当者が、部門別の採算数字をすべて集計していること

3、数値目標が行動目標に裏づけられていないこと

月次決算が締まるのが遅く、経理担当者が数字を集計しているかぎり、
「また、今月も思わしくない結果で終わってしまったなあ。しかたないか」となってしまいます。

また、数値目標が、行動目標に基づいていないので、「今月は頑張ると言ったが、どのように頑張るんだ?」と
社長が詰め寄っても、従業員のほとんどが言葉を噤んでしまいます。

これらの3点を解決しなければ、いくら社長が声高に目標達成を叫んでも、
従業員の意識改革ができるのかどうかは疑問です。やはり社長以下、全員が同じベクトルを持って、
目標達成に向かわなければこの現状は打破できないでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか?

思い切って日次決算をやってはいかがでしょうか。日次決算をして日々採算を見ていけば、
月次の目標を達成するために、今日何をしなければならないのかが、必ず見えてくるはずです。

具体的には、毎日、部門ごとに、売上高、仕入高、外注費を集計し、粗利益を計算します。
その際、経理担当者が数字を集計するのでなく、部門のメンバー自らが計算して、表に書き入れることが大切です。
もしかすると、この方針を打ち出したとたん、メンバーから、「毎日目が廻るほど忙しいのに、数字の集計等する
暇なんかないよ」という声がでてくるかもしれません。しかし、メンバー全員が危機感を持って目標達成に
向かわなければ、会社は、危機を脱出することができないのです。
メンバーひとりひとりが、「何が何でもやるんだ」という強い気持ちをもつことが大切です。

そのためには、まず誰でも毎日続けられるようにすることが必要です。
さらに、自分の意思や頑張りが見え、それをしっかり評価してもらえると実感できることが必要です。

そこで、メンバーに集計してもらう表は以下のようにシンプルなものにします。
あらかじめ主要な取引の相手先名を印刷しておき、単価、数量、金額を記入するだけでよいようにします。
 

平成20年8月18日
○○部門 日次集計表
 
相手先
単価
数量
金額
売上(ア)        
  社外売上  A社      
   B社      
  社内売上  ○○部門      
   ○○部門      
仕入(イ)        
  社外仕入  C社      
   D社      
  社内仕入  ○○部門      
   ○○部門      
外注(ウ)  E社      
粗利益(ア)-(イ)-(ウ)    
 
 

※ここでは在庫は考えず、購入したもの、サービスを受けたものは、すべて経費をします。

また、以前にも触れましたが、日次決算の締め時間を14時にするなど、比較的早い時間に設定して、
集計のために残業することのないようにします。

次に、集計した実績を、日々棒グラフに積み上げていきます。すると、実績累計が一目でわかりますので、
それを月次目標の棒グラフと比較します。そして進捗率を毎朝、部門のリーダーが朝礼で発表し、
進捗率が高ければメンバーをねぎらい、低ければ叱咤激励します。

このサイクルを続けていくと、メンバー自ずから「月末までに何をしなければならないのか?」
「そのために今日何をしなければならないのか?」を考えるようになるのです。

皆様の会社でも、日々採算を見ていくようなしくみ作りをお考えになってはいかがでしょうか?
 

小長谷 敦子

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2010.06.08
第24回 全員参加の経営
2010.06.08
第23回 日次決算のすすめ
2010.06.08
第22回 時間当たりの採算を上げる
2010.06.08
第21回 早期決算を実現するには
2010.06.08
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経営コラムニスト紹介

株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社監査役。公認会計士・税理士。 田村 繁和氏

田村 繁和氏 株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社(元)監査役。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、大阪国税局国税調査官を経て、経営ステーション京都を創業。2005年6月、京セラの監査役に就任(~2009年)
京セラ実学をベースとした中小企業のためのわかりやすい経営と会計を提案。
実学にもとづく、キャッシュフロー経営と部門採算制での経営会議で、会社が
生まれ変わっていただくことを使命としている。


「京セラに学ぶ新・会計経営のすべて」(共著、実業之日本社)
「社長の疑問に答える会計の本」(共著、中経出版)
「お金を残す強い会社の101の教え」(共著、清文社)
「小さな会社の必ずお金が残る経営の本」(共著、実業之日本社)他多数。
株式会社経営ステーション京都。 公認会計士・税理士。 小長谷 敦子氏

小長谷 敦子氏 株式会社経営ステーション京都。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、西武百貨店を経て、結婚・出産後、公認会計士・税理士となる。
京セラ実学をベースとした独自のコンサルティングで、中小企業のためのキャッシュフロー
制度の構築と経営会議の指導に定評がある。


「子育て主婦の公認会計士合格記」(中経出版)
「実学に学ぶ お金を残す3つの秘訣」DVD(清文社)

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