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第21回 早期決算を実現するには

第21回 早期決算を実現するには

食品の販売会社では、かねてから部門別採算制度の採用を検討していますが、なかなか前に進むことができません。
その障壁をなっているのが、月次決算の遅れでした。

部門別採算制度では、毎月の月次決算を部門別に行い、部門ごとの採算を見て、前月の結果と今月の予定について、
議論を戦わせます。

部門別の採算を出しても、数字が出るのが遅ければ、翌月にこの結果を生かすことができません。数字は生き物です。
刻々と変わります。早く数字を出して、早く手を打たなければ、チャンスを逃したり、問題点の発見が遅れ、
傷口が広がったりすることもあるのです。

なぜ、この会社は月次決算を出すのに1カ月もかかるのでしょうか?

月次決算が遅くなる原因を探ってみると、次の点が浮き上がってきました。

1、小口現金の金庫が数ヶ所にあり、それぞれの残高が合わず、その原因究明に時間がかかってしまう。

2、各部門が使った経費について、領収書が経理に廻ってくる。経費の内容が曖昧である場合、
経理が担当者に問い合わせる。その際、担当者が不在であるなどで、解明に時間がかかってしまう。

3、取引先から請求書が到着するのを待って、発注書や納品書と照らし合わせてから、起票し、
会計システムに入力する。

4、電気代や通信費の請求書が翌月20日すぎに到着する。それをもとに起票し、会計システムに入力する。

5、10万円以上の取引については、支払内容と支払先を記入した一覧表を、担当役員がチェックしてから、
起票や支払が行われる。

6、仮払金精算の締め日が徹底されていない。

などの点です。

これらによって、手続きが煩雑になり、必要以上に時間がかかっていたのです。

中には、誤謬のリスクを軽減するために、取られている手続きもあるかもしれません。
しかし、他の手続きに置き換えることにより、スピーディに処理ができることもあるのです。

では、これらの点を改善し、早く月次決算を締めるためには、どうすればいいのでしょうか?

順を追って考えてみましょう。

1、については、小口現金の金庫の数を減らし、現金を扱える担当者を限定する。
その担当者が責任を持って小口現金を管理し、小口現金の締め時間を決め、毎日上司に報告する。
それを受けて、上司は取引と残高チェックする。

2、各部門のメンバーが、出金伝票を起票する。出金伝票に領収書を添付し、経理に廻す。
経理は出金伝票の受付時間を決め、各部門のメンバーはその時間を厳守する。

3、納品書に単価と数量を明記して、請求金額を明らかにしてもらうよう、取引先に要請する。
その納品書をもとに、経費の計上を行う。つまり、請求書の到着を待たずに、納品書を見て、起票と会計システムへの
入力を行う。さらにできれば、1枚目が納品書、2枚目が請求書になる複写式の指定伝票を用いてもらう。

4、電気代や通信費は支払ベースで計上する。これらの経費は、特別なことが無い限り、毎月大きな変動がないと
考えられるため、前月の発生分を当月の経費として計上する。たとえば、5月に発生し、6月に請求書が届き、6月に
支払う分を、6月の経費をする。

5、10万円以上の経費や物品の購入に関しては、事前に稟議書をあげて、上司のチェックを受ける。
支払一覧表は、わざわざ作るのではなく、会計システムから打ち出した帳票を用いる。その帳票をもとに、
経理が事後のチェックを行う。

6、仮払金精算の締めの日時を決め、各部門のメンバーはその日時を厳守する
(その時間を守らない場合には、ペナルティを課すぐらいのことがあってもいいかもしれません)。

以上の手続きは何も難しいことではありません。もうすでにやっておられるところもあると思います。
上のような問題点を放置し、経理だけがヤキモキしていても、早期の月次決算は実現しません。

やはり全社員が、社内ルールを守って、早く処理することに尽力しなければなりません。
そうすれば、毎月1日に、前月の月次決算に基づいた部門別経営会議をすることも可能となるでしょう。

小長谷 敦子

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経営コラムニスト紹介

株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社監査役。公認会計士・税理士。 田村 繁和氏

田村 繁和氏 株式会社経営ステーション京都代表取締役。京セラ株式会社(元)監査役。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、大阪国税局国税調査官を経て、経営ステーション京都を創業。2005年6月、京セラの監査役に就任(~2009年)
京セラ実学をベースとした中小企業のためのわかりやすい経営と会計を提案。
実学にもとづく、キャッシュフロー経営と部門採算制での経営会議で、会社が
生まれ変わっていただくことを使命としている。


「京セラに学ぶ新・会計経営のすべて」(共著、実業之日本社)
「社長の疑問に答える会計の本」(共著、中経出版)
「お金を残す強い会社の101の教え」(共著、清文社)
「小さな会社の必ずお金が残る経営の本」(共著、実業之日本社)他多数。
株式会社経営ステーション京都。 公認会計士・税理士。 小長谷 敦子氏

小長谷 敦子氏 株式会社経営ステーション京都。公認会計士・税理士。

早稲田大学卒業後、西武百貨店を経て、結婚・出産後、公認会計士・税理士となる。
京セラ実学をベースとした独自のコンサルティングで、中小企業のためのキャッシュフロー
制度の構築と経営会議の指導に定評がある。


「子育て主婦の公認会計士合格記」(中経出版)
「実学に学ぶ お金を残す3つの秘訣」DVD(清文社)

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