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第4話 デキル社員の育て方

第4話 デキル社員の育て方

■ 行動の分解でつまずきやすい行動がわかる
 どんな業務にせよ、新人にとってつまずきやすい部分が1つや2つは必ずある。それ以外のところは1回説明を聞けばできるかもしれないが、つま ずきやすい部分だけは何度説明を受けても、お手本を示されてもうまくいかない。このようなつまずきやすい部分は反復練習によって習熟することが必要 だ。

 たとえば営業職の場合、それはクロージングの技術かもしれない。あるいはもっと細かく、クロージングに入るタイミングかもしれない。その項目 まではスムーズに進んでいたのに、途端につまずいてしまう。ベテラン社員は当然できるものと思い込んでいるから、どうして新人がつまずくのか理解に苦し む。

 行動科学マネジメントでは、行動を分解することによってその障害をあぶり出す。私がコンサルティングを行った企業でも、「新人はこんなところ でつまずくのか」と驚いた上司がきわめて多い。新人の頃優秀だった上司ほどこの傾向が強いようである。

 このような、業務につまずきやすい部分を習熟させるには、この部分に焦点をあてて行動を詳細に分析し、リストに書き出し、何度も繰り替繰り返 させることが有効である。クロージングが苦手な新人に対しては、クロージングに絞り込んだリストチェックを作ればいい。そして、苦手な部分を繰り返し連練 習させるのだ。つまずきやすい行動を克服するには、この方法が最も近道である。


■継続できない社員には「強化」を
 続いて、「やり方はわかっているのに継続できない」社員。実は、ほとんどの社員がこの状態にあたる。

 たとえば、セルフマネジメントを例にとってみよう。
英語を上達させるために必要な勉強、ダイエットをするための運動と栄養管理、禁煙、これらについては誰でもさまざまなやり方を知っている。それ にもかかわらず、人はその行動を継続できない。社員の行動も同様である。ところが残念ながら、ほとんどのマネジメントメソッドが、この「継続する」という 点について触れていない。

 行動科学マネジメントでは、「継続する」ための要因、行動が繰り返されるようになる法則、手続きを「強化」と呼ぶ。人間は、ある行動の直後に 賞賛されたり報酬をもらえたりして強化されると、その行動を自ら繰り返すようになり、次第に定着・習慣化していく。強化されない場合、その行動をしなくな る。これは行動分析学の実験データから明らかにされた法則である。

 最も簡単な「強化」の方法は、言葉や態度による賞賛、すなわち褒めたり認めたりすることだ。部下が望ましい行動をとったとき、上司はその行動 に対して必ず「強化」しなければならない。

 しかし、日常的に行動を「強化」するためには、何らかの仕組みを作ることが必要となる。たとえばある行動をした場合、言葉で褒める代わりに、 スタンプやシールなどを与え、一定の数に達するとちょっとした品物や特権を与えるというようなものである。スーパーなどのポイントカードと同じ仕組みであ る。トークン(擬似貨幣)なども同等の効果がある。

 これらのツールは意外に大きな効力を発揮し、社員はスタンプやシールを集めようとやる気になる。こうした評価システムは、楽しみながら働く環 境を作り出す。そして、自発的意欲により行動を継続できるのである。ここが行動科学マネジメントの大きな特長の1つである。


■部下を褒めさえすればよいのか?
 それでは、何でも部下を褒めさえすればよいのか。それは間違いである。なぜなら、部下はなぜ白分か褒められているのかを理解できないからであ る。行動科学マネジメントでは、叱ったり褒めたりする基準を「結果に直結した行動、望ましい行動をしたかどうか」に置く。部下がその行動をしたら褒めたり 認めたりするという明確な基準である。基準をはっきりさせないまま、ただ叱ったり褒めたりすると、逆効果となってアベレージ(平均)以下の社員を作ってし まうからだ。

 また、報奨を与えることが大事なら、昇給や賞与などの報奨を与えて、モチベーションアップを図ればよいのだろうか。これは完全に間違いとはい えないが、単に金銭を与えるだけでは売上をアップさせる行動に直結しない。行動科学マネジメントでは、報奨を与えるとしたら、望ましい行動をまた、与える タイミングも重要だ。報奨はできるだけ早く与えなければならない。それも「すぐに」「確実に」だ。

 たとえば、大きな商談をまとめた報奨として30万円のボーナスを出すとしよう。せっかく大枚をはたいても、これを半年後に与えたのでは、「よ し、また頑張ろう」という気にはならない。タイムラグが長くなればなるほど効果は弱まっていく。ボーナスを出すなら、成果を上げた行動をした直後に渡すべ きだ。しかし、一般の企業においてこれは現実的には難しいかもしれない。たとえ少ない金額でも、結果に直結した行動が認められたら、すぐに、確実に、数多 く「強化」を与えることが重要である。

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経営コラムニスト紹介

石田 淳氏
行動科学マネジメント研究所 所長/(株) ウィルPMインターナショナル代表

経営する会社で、ある年新人の大量退職という非常事態が発生。人材育成の重要性、難しさを実感。様々なマネジメント手法を試した後、人の行動 に焦点をあてた「行動科学」に出会う。 アメリカ流メソッドを日本人の感覚・文化に合うようアレンジし「日本版行動科学マネジメント」を確立し、自社の急成長の実現させ る。 現在は、離職率低下や職場活性化などのコンサルティングも手掛け、その即効性と絶大なる効果で様々なメディアなどでも話題を集めている。

行動科学マネジメント研究所 所長石田 淳氏の経営コラムに関するお問い合わせ