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マネジメント

第123回 『あきらめないことが、最高のリカバリー』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 
「もう、こんな仕事、辞めてやるっ!」と、叫びたくなるようなことは、
ビジネスマン人生に何度かあるものだ。
 
順風満帆。陽の当たる道だけを歩み続けてトップに躍り出たいというような人は、
どちらかというとマレだ。
 
むしろ、一度や二度は苦汁をなめ、長いこと陽の当たらない当たらない道を
コツコツと歩み続けた人の方が、気がつけば頂上に登り詰めていた…
というような例が多い。
 
「花王」で社長をされていた、後藤卓也氏もそんな一人だ。
 
後藤氏の社歴だけを見て、「将来の社長だ」と思った人は、
恐らく誰一人、いなかったのではないか。
なにしろ、マイナーな部署ばかりを廻ってこられた。
 
ナンバーツー的存在であることが、自分にとって一番力を発揮できるスタンス、
と、自らがいってはばからず、
1997年に副社長ら四人抜きで社長に指名されたときも、「一日考えさせてほしい」
と申し出たほどだった。
 
自分自身、社長の器ではないと思っていたのだという。
 
後藤氏の社長時代、
最も大きなデシジョン(決断)は、フロッピーディスクからの撤退であった。
 
このとき、降格を命じられた役員はあったが、後藤氏は、日本企業でよくある
「責任をとって辞める(辞めさせる)」という方法は採らなかった。
むしろ、「責任をとって辞めない」ことを強く求めた。
 
はたして、降格された役員は、ヤル気を失うどころか、かえって
新たに与えられたポジションで全力を尽くし、その後も大いに会社に貢献した。
 
 
「世の中のことは、時々刻々変遷きわまりないもので、
 機至りて機去り、その間には髪を容れない。
 こういう世界に処して、万事、小理屈をもってこれに応じようとしても、
 それにはとてもおよばない。」
勝海舟の『氷川清話』にある言葉だ。
 
学校を出で、仕事の就いてからリタイアまで。
ビジネスマン人生は、30年、40年とロングスパンで考えるべきだ。
まだまだ先がある。先は長いのだ。
 
一度や二度であきらめてはいけない。投げてしまうのはもっといけない。
じっと耐えて、「コツコツカツコツ」とがんばっていれば、
リカバリーショットを打つ機会は必ずくる。

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