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第20回 会議・ミーティングでの教え方(1)

学び上手な社員を育てる 社員教育のすすめ方

社員教育・マネジメント

2010.06.11

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

今まで「一対一(マンツーマン)で学ばせる」方法について見てきました。
今回から「一対複数(グループ)で学ばせる」方法について見ていきます。

一般的に職場における会議やミーティングでは・・・

・朝の会議なら経営者の独壇場
(新聞や本から思いついたネタを聞かされたり、やりたくもない3分間スピーチを従業員がやらされたり。)

・営業会議なら数字が挙がっていない営業の詰めの場(他の営業は下を向いて「自分じゃなくて良かった」と
思っている状況の中、上司の罵声が響く「お前、や る気あるのか!」)

・プロジェクト会議も時間ばかりが浪費される場
(何のために自分が参加しているのか分からない。時間ばかりがダラダラと過ぎていく。)

こんな場面も多いのではないでしょうか。



●会議・ミーティングの組み立て方

会議やミーティングを従業員を育成する「学びの機会」に変えていくためには、
その組み立て方に留意する必要があります。

会議・ミーティングの組み立て方、
その基本は「イントロダクション(導入)」「ボディー(本論)」「クロージング(結 び)」の三部構成です。


イントロダクションにおいては、従業員同士のうちとけた雰囲気を作り、会議の目的・ゴールを合意します。
ボディーにおいて、複数の人間がいるからこそ学び あえるように進め、
クロージングで今後の行動計画を合意します。今回は「イントロダクション(導入)」について見ていきます。

1.イントロダクション(導入)

○目的・ゴールの明確化

会議・ミーティングの目的とゴールを明確にしておきます。
これはまず私たちリーダー自身が決めておくことです。

何のために集める会議なのか。最終的に得たいものは何なのか。
それをはっきりさせてから会議・ミーティングに挑みます。
その上でメンバーにも目的とゴール を伝え合意を得ます。
この作業が最後のクロージング時の行動計画にも活きてきます。
メンバーとの合意を得やすくするためにも、雰囲気作りが重要になってき ます。
反発や無関心で参加されては、目的・ゴールが達成できないですからね。


○学びあう雰囲気づくり

会議・ミーティングの運営において、私たちが目指すべきは2つです。
メンバー同士がお互いに学びあう雰囲気を作ることと、 自分の「評価基準」を移植することです。

理想は、私たちがいなくても会議が回る状態を作ることです。メンバーの中から自発的にリーダーが生まれる。
お互いがお互いの意見を尊重しあう雰囲気の中で 自由な討議が行われる。
そんな会議・ミーティングの実現を目標にします。
 

まず、お互いに学びあう雰囲気を作るためにどうしたらよいのでしょうか?
お互いから何か学べる点があるということを再認識することと、
お互いから学ぶ具体的なやり方としての「傾聴」を実践することです。

 

同じ職場で仕事をしていると、どうしても上下関係がでてきます。
会議・ミーティングでの発言も発言内容よりも発言者に重きがおかれがちです。

「あの人の言うことだから間違いないだろう」「自分はあの人より経験も知識も無いから・・・」などと
発言に制限がかかりがちです。結局、会議・ミーティン グの場においては、その時点で力がある人
(例えば、営業会議なら営業マネージャーやそのとき売れている営業担当者)の発言ばかりとなります。

そしてそういう会議において、力のない人・経験の浅い人・立場の弱い人からは
「学ぶところがない」という雰囲気になりがちです。
結果、いつも同じ人がしゃ べっているのが、会議・ミーティングの現状ではないでしょうか。
 

力のない人・経験の浅い人・立場の弱い人からも、学ぶことはあるということを、私たち自身が再認識し、
メンバーにも再認識さ せるために有効なのが、「グッド・アンド・ニュー」という手法です。

これは、「学習する組織を作る10ステップ・トレーニング」の中で著者達が紹介している方法です。
また、似たような手法として、大橋さんの「すごい会議」 の「今うまくいっていること」があります。

どちらの手法にしても、自分の「良い点」を発表しあいます。
自分に起こった良いことやうまくいっていることを発表しあう。
これをまず会議の最初にウォーミ ングアップとして、一人2、3分程度で全員が発表します。

「昨日、仕事が山積みな中、資料を作り上げた」とか「日曜日、時間を作って子供と公園で遊んだ」とか、
どんなささいなことでも結構です。
自分を褒め たくなるような自分にとって「良かったこと」や「上手くいっていること」を発表しあいます。
何故これが有効なのか?

まず一つは、参加者同士が話しやすい雰囲気が作れるからです。
自分にとって「良かったこと」や「上手くいっていること」ですから、話す側も口が滑らかになります。
また、皆が様々な発表をするので「お、この人、そういうことに興味をもっていたんだ」と
新たな発見につながることも多々あります。メンバー同士の 新たな発見が、
「この人から何か学べるかもしれない」というポジティブ(肯定的)な学習雰囲気を作るのにつながります。
 

「グッド・アンド・ニュー」にせよ「今うまくいっていること」にせよ、
大事なのは出てきた言葉を私たちがしっかり「傾 聴」してあげることです。

せっかく普段発言しない人が発言してくれたのですから、それを受け止めてあげるのです。
ここでの傾聴がしっかりできないと「やっぱり自分の意見なんか重視されないんだ」と
ネガティブ(否定的)な雰囲気になってしまいます。

そして、リーダーであるあなた自身が「傾聴」を実践することで、
メンバーも次第にお互いの意見を傾聴しあうようになってく れます。
自分がやってほしいことは、まず自分がやってみせる。
今まで傾聴をしてこなかったリーダーにとっては勇気がいるかもしれませんが、自分があとで楽をする
(教えなくても育つ人材をつくるために)ために、今がんばってみてください。

以上、会議・ミーティングを「学ぶ機会」にするための三部構成、
今回は「イントロダクション(導入)」について見てきました。
次回は、「ボディー」「クロージング」のすすめ方をご紹介します。お楽しみに!



参考書籍:

教え上手になる!大人を相手の教え方

学習する組織を作る10ステップ・トレーニング」 

すごい会議

講師紹介

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

 デキル社員を育成するためには仕事の覚え方と学び方、それを支える社内体制づくりが必須条件と主唱する人育てのプロ。デキル社員は、総じて仕事の覚えが早く、学び上手であることに着目し、仕事の教え方と社員教育の仕組みを開発。社員育成指導に採用したところ「指示待ち社員がいなくなった」「自ら...>もっと見る

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