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第14回 教わる側の意欲を引き出すために(3)

学び上手な社員を育てる 社員教育のすすめ方

社員教育・マネジメント

2010.06.11

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

前回に引き続いて「一対一(マンツーマン)で学ばせる」際に重要になる、
教わる側の意欲の引き出し方について見ていきます。

教わる側の意欲を引き出すためのキーワードは、「有意義感」「達成感」「自己重要感」の3つです。
第8回でご紹介した「教え方の基本フレームワーク」に基 づいて、今回は社員に「自己重要感」をもたせることで、
意欲を引き出す方法について見ていきましょう。

 

【自己重要感をもたせる】

「自分なんか、いてもいなくても同じ」こう思ってしまったらやる気は出てきません。
自分はこの組織において「かけがえのない存在なんだ」と思えなければ、仕事をやろうという意欲は出てきません。
本人の自己重要感を満たすことが大切なのです。
 

期待を示す

人は期待されると期待に応えようとします。ピグマリオン効果は有名ですよね。期待されていると感じれば、
人は意気に感じ「よし!やってやろう!」と思うものです。
人から期待されるということは、それだけ自分の存在を認めてくれているということですし、
信頼してくれているということです。「あー、特に期待し ていないから」「どうせダメでしょう」という風に接せられたら、
やろうという気にはなれないですよね。

「あなたにはこういうところを期待している」「君のこういう点が、職場によい影響をもたらしてくれている」と、
折を見ていってあげましょう。照れくさいか もしれませんが、言わないと伝わらないこともあるものです。
こういうことを言えるチャンスは、目標設定のミーティングや飲みにケーションの場でもあるでしょう。
言われたほうは、こちらが思っている以上に、こういう言葉に喜ぶものです。
普段なかなか言われないですからね。


声かけをする

 「昨日は遅くまで大変だったね」「あのお客さん、あの後何か言ってきた?」
日常の何気ない声かけも大切です。「あなたのことを気にかけているんですよ」 というメッセージになるからです。

また、常に声かけを意識することで、教える相手の言動に気を配ることができます。
「ん、何か様子がおかしいぞ。」「困っているみたいだなー。」というサイ ンは、見ようとしないと見えないものです。
そんなときに少し話しをしたり、相談にのってあげたりすれば、大概のことは解決されます。
サインを見逃すと、大きな問題になってしまうものです。


ほめてアクノリッジメント

コーチングの技術、アクノリッジメント(承認)も、自己重要感を満たし意欲を引出す際に有効です。
承認の一つとしての「ほめる」ことにより、相手のやる気 を引き出すことができます。
組織に属するビジネスパーソンにとって、周囲(特に経営者)から褒められることは、モチベーション(意欲)を
高めるために重要な要素になります。
「自分のことをしっかり見てくれているのか?」「頑張ったことを評価してくれているのか?」
ほめられることによって、これらの疑問が解消されるのです。


真剣に叱る

相手を真剣に叱ることも、相手の意欲を引き出すことにつながります。何故か。
「それだけ自分のことを真剣に考えてくれているんだ」と、彼らの自己重要感を 満たすことにつながるからです。
叱ることはエネルギーがいることです。言うほうも言われるほうも、一時的に嫌な思いをします。
そこまでしても「言うことが 相手のためになる」「もっとよくなってほしい」という願いと共に叱る言葉は、
相手の心を動かします。どうでもいい人には、そこまでして叱りませんからね。 あきらめるだけです。

叱る際には、悪役俳優の片岡五郎さんが『叱る魔術』で提唱されているように、
事前にシナリオを考えることをオススメします。「叱るシナリオ」を考えるとい うことは、
その場で感情的に怒るのではなく、少し時間を置いて効果的な叱り方を考えることができるということです。
「叱る目的は何か?」「何に気づいてほ しいのか?」
「どういう順番で話を持っていったら相手は受け入れやすいか?」事前によく考えてから叱るのです。

以上、今回は社員の意欲を引き出すために、
彼・彼女らの「自己重要感」を満たす方法について確認してきました。次回もお楽しみに!


参考書籍:
 

「叱る魔術」
片岡五郎著 日本実業出版社


「これだけはおさえておきたい仕事の教え方」
関根雅泰著 日本能率協会マネジメントセンター

講師紹介

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

 デキル社員を育成するためには仕事の覚え方と学び方、それを支える社内体制づくりが必須条件と主唱する人育てのプロ。デキル社員は、総じて仕事の覚えが早く、学び上手であることに着目し、仕事の教え方と社員教育の仕組みを開発。社員育成指導に採用したところ「指示待ち社員がいなくなった」「自ら...>もっと見る

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