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第8回 仕事の教え方1 実演する -やって見せる

学び上手な社員を育てる 社員教育のすすめ方

社員教育・マネジメント

2010.06.11

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

今回も「一対一(マンツーマン)」で教える際のポイントを確認していきます。


教え方の基本ステップ1.~4.

さて、今回からは更に具体的な教える技術として「教え方の基本ステップ」を見ていきます。
仕事を教える際には、ふむべき 「4つのステップ」があります。


1.実演する
2.説明する
3.実行させる
4.評価する


の4つです。山本五十六元帥の有名な言葉でありますよね。
「やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず」

 

この「教え方の基本ステップ」のポイントは、社員にPDCAを回させるという点です。
社員が、自分で仕事をどのように進め るかを考え(Plan)実行し(Do)結果を検証し(Check)次に活かせる(Act)。
第7回で確認したように、このPDCAサイクルを、社員自身が 回せるように意識しながら教えるのです。
では、最初に「基本ステップ1.実演する」を見ていきましょう。




≪教え方の基本ステップ1≫ 実演する~やって見せる


・百聞は一見にしかず

仕事の教え方の第一ステップは、「実演する~やって見せる」という方法です。
口で言うより、見てもらった方が早いという場 合によく使いますよね。お客様との接し方や、道具の扱い方など。
教える側がまずやってみて、それを教わる側が真似する。現場見学や同行訪問を通して、教え るやり方です。

この「実演する」という教え方で注意すべき点があります。
それは、ただ漠然と見せても、人はなかなか学べないという点です。

勘の良い人なら、何も言わずに、やっている姿を見せるだけで、気づいてくれます。
ただ、皆が皆そうだとは限りません。
また、骨董屋が目利きを育てるときのように、何も言わずに良いものを見させるというや り方がありますが、
この方法は時間がかかります。私たちには、あまり時間がありません。
悠長に育つのを待っている余裕がないというところも多いでしょう。


・分解する

そこで必要になるのが「分解する」という手法です。
やって見せる際に、ど こを見てほしいのか「部分を提示する」のです。


「お客様と接するときの、この部分を見ておいて」
「まずは機械のスイッチの入れ方と切り方だけ覚えておいて」


といった感じで、部分だけを見てもらうようにします。
プロテニスプレーヤーの松岡修三さんは「身体をひねる」という動きを「まずは右足一本でたってボールを打って」
「次に左足をふってボールを打って」と、動作を分解しながら教えています。

「ここを見てほしい」と、分解できる人は、仕事がわかっている人です。
ただなんとなく仕事をしていたり、深く考えずに仕事 をしている人は、分解することはできません。
「何でもいいから、とりあえず俺のやることを見とけ!」という教え方になってしまうのです。


・100%完璧にやろうと思わない

自分がやって見せるというと「完璧にやらないといけない」「失敗した ら恥ずかしい」と思う人も多くいます。
本来は、相手の見本になるぐらい、上手にやって見せられるのが理想です。
「やっぱり、さすが だな」と思ってもらえれば、そのあと教えるのもスムーズになります。

ただ、「自分はそこまでできない」「自信がない」という人も当然いるでしょう。それはそれでよいのです。
現場は生ものですから、思ったとおりにいかないこともあるものです。
仮に失敗したとしても「あれは悪い例として学んで。」と一言いえばいいだけのことです。


・他人を使う

どうしても自分でやって見せることができないという人は、他人を使うというのも手です。


「Aさんが、~をするところをよく見ていて」
「Bさんは、~が上手いからね」


といった形で、こちらが解説しながら他人を見させるのです。
職場にはプレーヤーとしては一流でも、トレーナー(教える人)としては三流という人もいます。
そういう人には、直接教えさせず、あくまで「実演者」という位置づけにして、別の人間が教えるのです。
職場のメンバーを上手に活用しましょう。


・ビデオ・DVDを使う

社員教育用教材として市販されているビデオ・DVDを使うのも手です。
特に、人に対する接し方を教える場合、ビデオ・ DVDに出てくる「モデルケース」は有効です。
お客様との営業面談、ビジネスマナー、電話対応、ク レーム対応、部下指導など。
多くの場合、「良い例」「悪い例」が出てきますから、それらを見せることで、こちらの伝えたいことが一 発で伝わります。
言葉で説明しようとしても難しいのが、ビデオ・DVDを見せれば一目瞭然となるからです。

特に、新人の場合、「良い例」を何度も見させることをオススメします。
そうすることで、「良い例」のイメージを頭の中に刷り込むことができるのです。
そういった「繰り返し学習」がしやすいのも、ビデオ・DVDの特徴です。



以上、今回は「教え方の基本ステップ1.実演する」を見てきました。次回もお楽しみに!



参考書籍:


「これだけはおさえておきたい仕事の教え方」
関根雅泰著 日本能率協会マネジメントセンター

以上

講師紹介

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

 デキル社員を育成するためには仕事の覚え方と学び方、それを支える社内体制づくりが必須条件と主唱する人育てのプロ。デキル社員は、総じて仕事の覚えが早く、学び上手であることに着目し、仕事の教え方と社員教育の仕組みを開発。社員育成指導に採用したところ「指示待ち社員がいなくなった」「自ら...>もっと見る

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