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第6回 信頼関係を築けば、教えるのが楽になる

学び上手な社員を育てる 社員教育のすすめ方

社員教育・マネジメント

2010.06.11

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

今回も「一対一(マンツーマン)」で教える際のポイントを確認していきます。




土台は、信頼関係
 

「一対一(マンツーマン)」で教える際のポイントは、前回確認したように「相手を理解すること」
そしてもう一つ「信頼関係を築くこと」です。

いくら教え方のテクニックがあろうとも、土台に信頼関係がなくては、相手には伝わりません。
「この人から教わりたい!」と 思わない限り、相手は真剣には学ぼうとしないものです。

表面的には素直に従っているように見えても、内面は違う場合もあります。逆に、教える相手との間に
信頼関係が築けていれば、相手は聞く耳を持ってくれますから、教えるのが楽になります。

ではどうしたら相手と信頼関係を築くことができるのでしょうか?




信頼の要素
 

相手と信頼関係を築くためには、次の「3つの要素」を満たす必要があります。
 

1.共通点
 

教える側と教わる側の間に、何らかの「共通点」があると、信頼関係の構築がスムーズに進みます。
共通の趣味、知人、価値観、同郷の出身など。
人は自分と似たところがある相手に対して親しみを覚え、安心感・信頼感をもちます。
教え上手は、相手を理解する過程を通して、相手との間に共通点を見出し、早期に信頼関係を構築するのです。

それに対して、教え下手は、共通点を探そうとする努力をしません。
「一回り以上年齢が違うから」「最近の若い奴は何を考えているかわからん」と、
相手との間に共通点を見出そうとせず、最初からあきらめてしまうのです。その結果、教わる側から見れば
「あの人は自分のことを分かってくれようとしてくれない」と感じ、信頼感を抱けないのです。
 

2.姿勢
 

教える側の真摯な姿勢に、相手は信頼感を抱きます。
「この人は、本気で自分の成長を願ってくれている」「真剣に自分に向き 合ってくれる」そう感じると、
人は信頼感をもつのです。それに対して教え下手は、片手間に教える、時間を割かない、
自分の都合を優先する、など教わる側か ら見て、真剣さや真摯な姿勢が感じられない言動を取ります。

教える側に求められるのは、真摯に相手の成長を願い、それを手助けする行動です。
特に大事なのは「仕事を任せる」という姿勢です。
やる気のある社員ほど、自分の裁量で仕事を回せることを 喜びます。
入って間もない社員でも、やりがいのある仕事を任せてもらえる。ここが、中小企業の強みでもありますよね。

教える側の姿勢として必要なのは、もう一つ「自分も成長し続けたいと思う気持ち」です。
教える側の先輩・上司であろうと も、まだまだ勉強の途中、成長の途上である。
そういう教える側の姿勢を見て、多くの若手社員はこう感じます。
「この人ですら、勉強しているのだから、自分 なんかもっと勉強しなくては」と。

逆に、成長しようとしない、新しい発想を取り入れようとしない、柔軟性のない先輩・上司に対して、
できる社員ほど厳しい評価を下します。「ああいう風にはなりたくない」と。
できない社員は、そういう先輩・上司と同じようになっていくものです。朱に交われば赤くなる。
教える側も学び成長する姿勢をもつことが重要なのです。
 

3.能力
 

教わる側は「自分より能力のある人から教わりたい」と考えています。
自 分より仕事ができない人、尊敬できない人から、教わりたくないのです。
そうは言っても、教える側が100%完ぺきである必要はありません。
前述したよう に、教える側もまだまだ学びの途上なのですから。
では、教える側として能力が高い人とは、どういう人なのでしょうか?

単純に言えば「理由を説明できる人」です。教える際に次のような言葉がでる人は、要注意です。
「とりあえず~」「なんでもいいから~」「屁理屈言うな!」
もちろん、仕事においては、やってみないと分からないことも多くあります。
だが、多くの若手社員は言葉での説明を求めます。

「これは、何のためにやるのですか?」「理由を教えてください。」「目的は?」
小生意気に聞こえるかもしれませんが、
彼らのこういう疑問に答えることができる「理由を説明できる人」が、
若手社員の成長を支援できる「教える能力が高い人」なのです。



 

以上、「3つの要素:共通点・姿勢・能力」を満たすことにより、教わる側との間に早期に信頼関係を築くと、
教えるのが楽になるのです。





参考書籍:
「信頼のリーダーシップ:こうすれば人が動く6つの規範」
J.クーゼズ&B.ポスナー著 生産性出版


「営業に役立つコミュニケーションのポイント」
関根雅泰著 クロスメディアパブリッシング・明日香出版

 

講師紹介

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

 デキル社員を育成するためには仕事の覚え方と学び方、それを支える社内体制づくりが必須条件と主唱する人育てのプロ。デキル社員は、総じて仕事の覚えが早く、学び上手であることに着目し、仕事の教え方と社員教育の仕組みを開発。社員育成指導に採用したところ「指示待ち社員がいなくなった」「自ら...>もっと見る

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