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第5回 教えるとは、相手に動いてもらうこと

学び上手な社員を育てる 社員教育のすすめ方

社員教育・マネジメント

2010.06.11

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

前回まで「本人(セルフ)に学ばせる」方法を確認してきました。
今回からは「一対一(マンツーマン)で学ばせる」方法につ いて見ていきます。


 

教え上手は、相手を知る
 

一対一(マンツーマン)で教える際に、まずやるべきことは、相手を理解することです。何故か?
「教える」とは、「相手に動 いてもらうこと」だからです。教えるということは、説明することだけでも、
やって見せることだけでもありません。教えた内容が、相手に伝わり、相手が動いてくれて、
はじめて「教えた」といえます。仕事の場面で考えれば当たり前のことですよね。
入社したての新人が、仕事をしていなかったり、間違ったやり方を していたとしたら、
経営者である皆さんは、おそらく教えた人間を叱りますよね。「ちゃんと教えたのか?」と。

教えるとは、「伝える」ことではなく「伝わる」ことなのです。そして、こここそが「教える難しさ」でもあります。
教えるという行為は、一人では発生しせん。必ず相手がいます。
その相手に、こちらの伝えたい ことを理解してもらい動いてもらう。それが「教える」ということなのです。

相手に動いてもらうには、相手を理解する必要があります。
どんなやり方をしたら、本人が学んでくれるのか?どんな言い方を したら、気持ちよく動いてくれるのか?
相手を理解しなければ、相手を動かすことはできません。ただ、多くの場合、教える側は、次のように考えます。
「あいつの理解度が低い」「できないのは、本人の能力が足りないから」「伝わらないのは、相手が悪い」と。
この考え方では、いつまでたっても「教え下手」のままです。「教え上手」は、相手を理解しようとします。
その上で、相手に合った教え方をするのです。では、相手を理解するためには、どうしたらよいのでしょうか?


 

相手を理解するために

1.コミュニケーションをとる(観る・聴く・話す)
 

相手を理解するために必要なのは、コミュニケーションをとることです。相手の行動を観察する。
相手の話しを聴く。自分の考 えも話す。コミュニケーションをとりながら、相手を理解するのです。
 

2.時間をとる
 

「相手を理解する」と、口で言うのは簡単ですが、そんなに簡単にできるものではありません。
相手を理解するには、時間がかかります。
怖いのは、第一印象や短期間接しただけで「こいつはこういう奴だ」と決め付けてしまうことです。
決め付けてしまうと、色眼鏡をかけて相手を見ることになります。
「相手を理解することは簡単にはいかない」という前提のもと、時間をかけて相手を理解していきましょう。
 

3.「切り口」を参考にする
 

「相手を理解するために時間をかける」とは言ってもそこまで時間をかけられない人も多いでしょう。
そこで、参考になるのが 相手を理解するための「切り口」である「学習スタイル」と「対人スタイル」です。
「学習スタイル」については、第2回の「学び方の違い」でご紹介しました。
今回は「対人スタイル」について見ていきます。

「対人スタイル」とは、「接し方の違い」のことです。人それぞれ好む接し方がある。
それを踏まえて相手と接すると、相手が 気持ちよく動いてくれるという考え方です。
「対人スタイル」では、人を大きく「4つのスタイル」にわけて分類します。



 

人によっては、明るくざっくばらんに接するのが好きという人(感覚型)もいれば、
少し距離をおいて冷静な付き合い方をした いという人(分析型)もいます。
人によっては、仕事中心でテキパキと話を進めたいという人(行動型)もいれば、
家族や趣味のことなどプライベートについて も話したいという人(友好型)もいます。

人はそれぞれ大事にしている価値観があります。
それを尊重した接し方をすると、相手が動いてくれやすいのです。
「行動型: ドライビング」は目標達成を重視しています。
「分析型:アナリティカル」は考え深さ、「友好型:エミアブル」は対人関係、
「感覚型:エクスプレッシブ」は 称賛・注目を重視しています。
それぞれが大事にしている価値観を尊重した接し方をし、相手を動かすことが、「対人スタイル」の肝になります。

ただ、これらの切り口「学習スタイル」「対人スタイル」は、あくまで参考として使うようにとどめて下さい。
決め付けてしま うと、逆に色眼鏡がかかり、相手が見えなくなってしまう恐れがあるからです。

一対一(マンツーマン)で教えるためには、まず相手を理解すること。それが今回のポイントです。

 


参考書籍:
「熱いビジネスチームを作る4つのタイプ」
鈴木義幸著 ディスカバー


「教え上手になる!大人を相手の教え方」
関根雅泰著 クロスメディアパブリッシング・明日香出版

 

以上

講師紹介

関根雅泰(ラーンウェル代表取締役)

 デキル社員を育成するためには仕事の覚え方と学び方、それを支える社内体制づくりが必須条件と主唱する人育てのプロ。デキル社員は、総じて仕事の覚えが早く、学び上手であることに着目し、仕事の教え方と社員教育の仕組みを開発。社員育成指導に採用したところ「指示待ち社員がいなくなった」「自ら...>もっと見る

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