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第71回  数十万円も当たり前?!超高級音楽プレーヤーの世界

デジタルAVを味方に!新・仕事術

トレンド・新技術

2017.08.25

鴻池賢三(ディー・エー・シー・ジャパン代表)
■携帯型音楽プレーヤーの歴史
ソニーのウォークマンが切り拓いた、音楽を携帯するという新しい文化。その後、デジタル化で小型大容量を実現したAppleの「iPod」は、自前の音楽配信サイトを用意したり、それまで著作権保護の観点から犠牲にされてきた制約を取り払い、ユーザー目線で使い勝手を追求するなどして、先駆者達を駆逐して余りある成功を収めました。
iPodシリーズの中でも、記憶媒体にフラッシュメモリーを用い、超小型軽量化を実現したiPod nanoは画期的で、音楽を聴く人口をも増やし、現在のヘッドホン・イヤホンブームの切っ掛けにもなったと考えられています。
そして今、携帯型音楽プレーヤーに、また新しい波がやって来ました。数十万円という高価格製品の登場です。
こうした背景には音楽プレーヤーとしても利用でき、インターネットを利用した月額聞き放題サービスにも対応できるスマホの普及が考えられます。消費者が低コストを望むなら、音楽プレーヤーを購入するよりもスマホを流用するのが得策だからです。また、廉価なプレーヤーの利用も一案ですが、インターネット接続ができない製品は、機能面でスマホに大きく劣ると言わざるを得ません。先日、AplleがiPod nanoの終息を発表したのも合理的な判断と言えます。
話しが少し横にそれましたが、整理すると、スマホが音楽プレーヤーとして利用できる今、音楽専用プレーヤーは2極化が進む傾向にあり、一方は気軽に使える格安品、そしてもう一方が、クオリティーを追求する高級路線のさらなる過熱です。
 
■超高級化に注目!
数十万円と高級な携帯音楽プレーヤーは数年前から存在していましたが、ガレージメーカーが一部のマニア向けに少量生産するという、言わば特殊な存在でした。しかしながら、大手のソニーがNW-WM1Z(希望小売価格299,880円/税別)を発売し、広く認知されるようになりました。
「30万円の音楽プレーヤー」は、高価なことには変わりませんが、異常なほどの特殊性を感じなくなったのは事実でしょう。
オーディオはもちろん、車、ゴルフ、時計などなど、「趣味の世界」では、「価格」は大きな意味を持たないのかもしれません。
 
 
■最上の上を行く最上「A&ultima SP1000」が登場
高級音楽プレーヤーの草分けとして知られるのが、iriver社の「A&K」(Astell&Kern/アステル・アンド・ケルン)ブランドです。数万円から50万円級の豪級製品まで数モデルを発売済みで、高級プレーヤーの代名詞的存在と言えます。
そのiriverが新しく最上級ブランド「A&ultima」を立ち上げ、7月に1号機として発売したのが「SP1000」(メーカー直販価格499,980円/税込)。手作り的な特殊製品を除き、量産を前提としたモデルとしては、世界最高峰の高級品と言えます。
 
 
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ステンレス材を精密に加工した外観は美しく、高級時計の竜頭を思わせるボリュームツマミも遊び心が感じられます。
音質も文句無しの最高峰。高価な部品を贅沢に使用し、過去モデルのノウハウも活かされていて、クラシック音楽を本格的に聴き込みたくなるほどです。
据置型のオーディオは、音質が部屋の状態に大きく左右されますが、携帯型音楽プレーヤーとヘッドホンの組み合わせなら、いつでも出先でも、安定して上質なサウンドが楽しめます。そう考えれば、オーディオファンや音楽ファンにとっては、「50万円」も高くないのかもしれません。
飛び抜けて高級なので、一概に皆さんにお勧めする訳ではありませんが、こうした選択肢もあることが伝われば幸いです。
 

講師紹介

鴻池賢三(ディー・エー・シー・ジャパン代表)

株式会社オンキヨーにてAV機器の商品企画職、米国シリコンバレーのデジタルAV機器用ICを手がけるベンチャー企業を経て独立。 現在、WEB・テレビ・雑誌等のメディアを通じて、AV機器の評論家/製品アドバイザーとして活躍中。その他、「ディー・エー・シー ジャパン」を設立し、AV機器関連企業の商品企...>もっと見る

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