第51回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:フロレスタドーナツ

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

経営戦略・経営戦術

2016.12.30

清水ひろゆき(H&Hコンサルティング代表)
~手づくりをコンセプトにすれば、オンリーワンになれる!!~
“体にやさしくおいしいドーナツを提供する”
 
安全安心のために一切妥協しないお店、それが手づくりのネイチャードーナッツを提供するフロレスタです。
 
同社の誕生は2002年。
 
前田利安・由理子夫妻が二人の「子供に安心して食べさせられるおやつを作りたい」との思いからネイチャードーナツという言葉=コンセプトが生まれ、フロレスタをオープンしました。
 
~ネイチャードーナッツとは?~
安心して召し上がっていただけるよう、できるだけ自然で添加物を含まない材料を選び、お店で一つひとつ丁寧に手作りし、環境にできるだけ負荷をかけず、安全なおいしさを維持したドーナッツ
 
最初は夫妻が自宅で生地を作り、ご主人が一人で大阪と奈良の蚤の市やイベントで移動販売。
 
材料にこだわったフロレスタの手づくりネイチャードーナッツを、一つ一つ揚げたてで提供するご主人の姿は顧客を魅了し、徐々にフロレスタの移動販売のテントの前には行列ができるようになり、2006年10月には奈良で実店舗をオープンするまでになったのです。
 
~理念は、会社をなくてはならない存在へと具体化する!!~
ネイチャードーナツの飽きのこない素朴な手づくりの味わいは口コミで広がり、フロレスタの提供するドーナッツは多くの人に支持されていきました。
 
ではなぜ同社が移動販売という地道な販路拡大策だけで実店舗開店へと成功するまでになったのでしょうか?
 
それは同社が
・経営理念のミッション(会社の存在目的(以下))達成に向けて、
・<手づくり>へのこだわりのおいしさの徹底を軸に、
・独自のレシピでこれまでなかった<ネイチャードーナッツ>というコンセプトを商品化し、
・現場が日々実践できるビジョン(会社の目標(下記))を設定することで、
・顧客が現場で働く人とおいしさ以外(環境への配慮)の大切さをも共有、共感できたからなのです。
 
~フロレスタのビジョン(目標)~
おいしさを優先した上で、できるだけ国産、有機の材料を使います。
包材は必要最小限にとどめ、できるだけゴミを出さないように心がけます。
無駄のないようできるだけ作り置きをせず、常に新鮮な商品を提供します。
掃除の際や調理器具を洗う際は合成洗剤を使用せず、地球環境やアレルギーに配慮します。
 
~フロレスタのミッション(存在目的)~
私たちは、社業を通じて、人々が健康で平和に暮らせる社会の実現に貢献していきます。
『No floresta No Life!』(フロレスタがないことは、人生がないこと!)
『No Dreams, No floresta!』(夢を抱けない、フロレスタがないなんて!)
フロレスタは、
つまり
・安全で健康によい自然に近い素材を使用し、日持ちさせるための防腐剤・保存料などの添加物は一切使用せず、
・作り置きをしない ことで大量販売する製造法とは一線を画し、自社の存在目的を通じて、自社がなくてはならない存在になることをコミットしているのです。
 
~理念の実践が、世の中に必要なこだわり商品を生み出す!!~
フロレスタのこだわりとは、使用する素材に対するこだわり。
 
同社だけのこだわりは、フロレスタのこれからのビジネスの在り方にも大きく関わっています。
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~フロレスタのこだわり~
・小麦粉
ポストハーベスト(収穫後農薬使用)の心配の少ない北海道産の薄力粉に全粒粉を配合。
・砂糖
無着色の三温糖
・豆乳
牛乳と違い植物性なので脂質が少なく鉄分が豊富。北海道産大豆の無調整豆乳
・たまご
木酢酸の飼料で育ったにわとりの新鮮卵
・バター
国産とニュージーランド産(国産バターが品薄の場合、輸入バターを併用)
・揚げ油
菜種サラダ油を使用。頻繁に入れ替え、常に新鮮に保つよう心がけている
・塩
ミネラルが豊富な沖縄県産天日自然塩
・ベーキングパウダー
非遺伝子組換えコーンスターチを使用し、体内への影響が心配されるアルミニウム化合物無添加
*日持ちさせるための防腐剤・保存料などの添加物は一切使用なし、
(そのため、保存環境により味が左右されるので)できるだけ早くお召し上がりいただき、保存される場合は冷凍をおすすめする
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現在FCも含め、約40店舗を展開するフロレスタは、今同社の経営理念を軸に理念に共感できるパートナーと共に店舗を増やす考えです。
が、
フロレスタのFCに対する考え方は、
早期に初期投資が回収できるというものではなく、
 
・(初期投資も比較的少ないので)“あんまり儲かりませんよ”
・“でもまぁ、生活はできますよ”という スタンス。
 
フロレスタは、FCオーナー自身に素材にこだわるフロレスタを好きになってもらうことをまずは重要視しているのです。
 
多くの独立を望むFCオーナーは、自身の子供のため、何かを始めるなら、できるだけ自然で添加物を含まない材料を選び、環境にできるだけ負荷をかけず、安全で美味しい商品をお客様に提供し地球環境やアレルギーに配慮するようなビジネスが残って行くと感じ、フロレスタに共感。
 
同社の名前Florestaフロレスタ(ポルトガル語)は日本語で「森」という意味で、
創業者が1999年から2000年にかけて夫妻でブラジルのアマゾン奥地のコミュニティーを訪ね、森には様々な動植物が共存しており、その全てにおいて無駄がない世界を体感したことから、「私たちの願いは競争や戦いでなく、共存にある!」と確信し、命名されました。
 
ドーナツ店のフロレスタが環境に優しく、安心を提供できる商品であるのは、ネイチャードーナッツから平和で温かい波長を発信し続けたいという思いがあるからなのです。
 
フロレスタHP<経営理念>
 

講師紹介

清水ひろゆき(H&Hコンサルティング代表)

「成熟した日本市場で勝ち残るためには、オンリーワンの企業風土をつくり、価格競争せずに戦う企業を築くことが必須条件」と主唱するビジネスモデル・コンサルタント。20年に渡り、米国専門のビジネスコーディネーターとして活躍。その間、多くの日本の経営者を引き連れ、100カ国以上、400社以上の優秀...>もっと見る

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