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経営戦略・経営戦術

2015.12.18

第14回 形から入る

コア・バリュー経営 戦略的企業文化が会社を変える

「形から入る」というと悪い意味のように取られますが、決してそういう意図はありません。
 
社内にコア・バリュー(中核となる価値観)を浸透させようという時、1)従業員が毎日のように触れる、2)親しみやすくインパクトがある、3)楽しいやり方を仕掛けることが必要になりますが、それを特にうまくやっているなあ、と感心させられる会社は、そのオフィス環境に「これは!」という工夫を凝らしているものです。
 
例えばザッポス。2013年の9月にラスベガスのダウンタウンに新社屋をオープンした際に、来客を迎えるロビーにレゴ・ブロックでつくられたサインを設置しました。
 
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Photograph by Dyna-Search,Inc
 
「ZAPPOS」という社名が浮き出るようになっているサインのそばには、未使用のレゴ・ブロックがいくつも置かれていて、社員が好きなようにはめ込むことができるようになっていました。「ザッポスのカルチャーは皆で作る」というメッセージが込められていると後で聞いて、なるほどなあ、と思いました。
 
今までに訪問した会社の中で、特に印象に残るオフィス環境といえば、シカゴにある「レッド・フロッグ・イベンツ」という会社があります。何千人という参加者が泥だらけになりながら障害物競争に興じるといったような、「非日常」を感じさせてくれるアドベンチャー・イベントを世界各地で企画運営している会社ですが、この会社のオフィスは、「冒険」や「キャンプ」を感じさせてくれるオブジェや内容で溢れています。
 
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Photograph by Dyna-Search,Inc
 
デスク・エリアは、社名の「フロッグ(かえる)」にちなんで、蓮池をイメージしたデザインになっています。また、オフィス内の随所に点在する大小様々な会議室は、ツリーハウスであったり、改造したキャンピングカーであったり・・・。同社の従業員がイベントを企画する上で決して忘れてはならない「遊び心」を、一貫して訴求しています。
 
上のザッポスやレッド・フロッグ・イベンツなどは内装に比較的お金をかけている例ですが、別に多大な資金を投入しなくても、文化や価値観を表現することはできます。シカゴの郊外にあるケータリングの会社を訪れた時のこと。壁の至るところに、アメリカのオフィスでよく見かける類のモチベーション用ポスターが飾ってあります。「人格」「努力」「秀逸」など、やる気を起こさせるような文言が写真とともに印刷されているものです。何気なく眺めていたら、写真の中の人たちになんだか見覚えがあることに気づきました。注意してよく見ると、それは実際にこの会社で働いている社員さんたちの写真でした。社員さんたちの写真の上に文言を印刷して、この会社にしかない特製のモチベーション用ポスターをつくっているのですね。私が驚いた顔をしていると、「すべてにおいて、我が社では社員が主役なのですよ」とオーナーが誇らしげに教えてくれました。
 
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Photograph by Dyna-Search,Inc
 
このように、オフィス環境は効果的な「社内ブランディング」の媒体になりえます。ちょっと知恵を絞って工夫を凝らすだけで、貴社の文化や価値観にフィットした唯一無二のオフィスが出来上がるのです。

講師紹介

石塚しのぶ(「ザッポスの奇跡」の著者/ダイナ・サーチ、インク代表)

米国で日々生まれている優れたビジネスモデルや事業アイデアを収集、分析し日本企業へ提供する日米間ビジネスコンサルタント。幾度の経済危機を乗り越え躍進続ける米国最強中小企業群の経営手法を研究し、会社が強く結束する「コア・バリュー経営」を開発し発表。指導先が採用したところ「社員の働き方...>もっと見る

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