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第321号 【急所77】色々な情報も、元をたどれば注文情報ただ一つである

柿内幸夫─社長のための現場改善

社員教育・マネジメント

2015.11.10

柿内幸夫(改善コンサルタント/経済産業省 先進技術マイスター)

 今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実例を挙げて解説します。  

 【急所77】色々な情報も、元をたどれば注文情報ただ一つである。(178頁)

 工場の中にはたくさんの情報が流れています。生産計画情報、仕入れ情報、出荷情報、品質管理情報などなど。
 
 しかし、たくさんある情報の元は、実は一つだけということをご存知でしょうか?
 
 「何それ?」とお思いでしょうが、答は注文情報です。
 
 工場のすべての仕事は、注文があることから始まるということです。ですから、注文がなければ工場は全く動くことができません。
 
 言われてみれば当たり前と思えるかもしれませんが、実際に工場での会話を聞いていると、そういう意識はあまりないように思えます。
 
 例えば、注文が少なくて、機械が動かせず人の手待ちも多いという工場において、「注文が少ないので困っています。営業がもっと頑張ってくれなければ...」といった会話を聞くことがあるのです。
 
 しかし、注文を取るのは営業の仕事、来た注文で製品を作るのは製造の仕事といって、営業と製造をピシャッと分けて考えることは、必ずしも正しいことと思えません。
 
 工場に注文が来ないで困るということは、営業の人たちは注文が取れないで困っているということでもあります。そうであれば、工場は困っている営業をサポートする必要があるということでしょう。
 
 その結果、工場に注文が来るのですから、これが全体最適のアプローチです。
 
 工場にできる営業サポートと考えると、色々なアイデアが出てくることと思いますが、私が最近強調している改善は、「工場のショウルーム化」です。
 
 新規の取引が期待できるお客様の決断を促すために、お客様を工場にご招待して、工場内を見ていただくのです。
 
 みんなでお客様を明るいご挨拶でお迎えします。ピカピカですべての情報が「見える化」された工場で、品質が良くて納期をバッチリ守れる実力があることをアピールして、お客様のハートをわしづかみにするのです。
 
 そして、ひとたび注文が来れば、そこから材料を仕入れ、工程を組み、生産計画ができ、生産が行われ、検査されて梱包されて出荷がされ、代金の回収という経営のサイクルが回り始めます。
 
 次に考えたいことは、最初に書きましたが、工場内の情報は元をたどれば、すべて注文から派生した情報だということです。
 
 現在の工場の情報はいろいろな形に細分化されていますが、たくさんの人で手分けをすると、結果としてあらゆることが複雑になり、遅くなります。逆に、注文情報を軸に、可能な限りシンプルに情報が流れるようにすると、速度が上がりミスも少なくなります。
 
 E社では、翌日の生産計画をスタッフの方たちが作っていましたが、たくさんの品種を時間内に収めるという作業が難しく、毎晩夜遅くまで仕事をしていました。
 
 ところが、せっかく作った計画も実際には欠勤者が出たり、機械の調子が悪かったり、材料の納入が遅れたりといったことで、計画通りには行われていませんでした。
 
 そこで、E社ではスタッフが細かい生産計画を作るのをやめ、注文情報を生産現場や購買に直接に渡してしまうことに変えました。
 
 そして、購買部門が必要な材料を準備し、生産現場がみんなで注文通りに作る計画を作って生産するようにしたところ、全く問題が起きないどころか、生産性も向上したという結果が出たのです。もちろん、スタッフの生産性も向上しました。
 
 人手不足が大きな問題になるので、会社全体で生産性向上を行う必要がありますが、このように情報の流れをシンプルにとらえて全社的な構造改革を始めることは可能です。
 
 皆様の会社でも、情報処理のシンプル化をご計画してみてはいかがでしょうか?
 
 
 
 
 

 

 

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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