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経営戦略・経営戦術

2015.05.08

第33回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:コンテナストア

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

勝ち組と負け組が明確になる今、経営者の判断がブレると会社は、これから負け組に入ってしまうでしょう。しかし、経営者の判断が理念を軸に、ブレなければ、会社は、生き残り、勝ち残ることが可能です。

なぜなら、先行きの見えない日本で現場は、経営の判断が常にブレない会社なら、その会社を信頼して“ついていこう”と思い、顧客の声に耳を傾け始めるからです。

会社は、永続する必要があり、永続させるには儲からなければならず、そのためには、顧客の声を聴き、必要とされる会社になり、利益を生み出すことが不可欠です。

経営者は代わりますが、変わらぬ経営理念を軸にブレない経営を実践し、会社の風土を築けば、現場が一つとなり、顧客になくてはならない会社には何が必要か?探り当てることができるのです。

そこで30回連載を終わり、今回からは全3回で“企業風土”をキーワードに会社が企業風土をどのように経営理念とリンクさせれば顧客を創造できるか?を、現場士気を向上することで売り上げをアップさせている会社を事例と共に解説いたします。
 
~生産性が企業風土に<働きがい>をリンクさせる!!~
 
アメリカの経済誌フォーチュンが毎年選ぶ『最も働き甲斐のあるベスト企業100(100 Best Companies To Work For)』に10数回ランキングされている企業に収納用品を専門に扱うコンテナストアがあります。
同社は1978年テキサス州ダラスで現在CEOのキプ・ディンデル氏と現名誉会長のギャレット・ブーン氏が共同経営者となって創業され、現在本拠地テキサス州やカリフォルニア州を中心に25州で(創業37年目(2015年)で71店舗(適切な成長=売上げの成長重視ではなく、人の成長を重視)で展開しています
 
圧倒的に女性が多いこの会社、現場にその<働きがい>を尋ねると、それは福利厚生のよさではなく、(生産性をアップさせる)企業風土が大きな要因となっていました。
 
~企業理念が企業風土を醸成し、売上げに直結する仕組みとは!!~
コンテナストアは創業者2人の経営哲学を企業理念とし、それは7つの基本原理(Foundation Principles)によって具体化。
それは現場に落とし込まれ、見事に売上げに直結しています。
 
【コンテナストア7つの基本原理】
1、「偉大な一人は3人の良い人に匹敵する(1 great person = 3 good people)」
同社は同業他社よりも1,5倍から2倍の給与を支払い応募者を増やし、多くのパイの中で3%程度の人員だけに絞り採用することで、(偉大な一人は3人の良い人に値する)人材を雇い、高い生産性を生み出しています。
 
素晴らしい人材の採用は不可欠です。が、同社が生産性を高められるのは、
誰もが戦略になり(人の育成方法がシンプル=時間がかからない→売り場がシンプルでも売れる)、且つ利益率を確保できる(自社製品売上げ構成比の高さと商品の絞込みによる高い在庫回転率)仕組みがあるからなのです。
 
2、「他人のバスケットをいっぱいにしなさい(Fill the other guy's basket to the brim)」
他人(お客様)のバスケット(買い物カゴ)をいっぱいにしなさい(Fill the other guy's basket to the brim)という例えは、取引先ともメリットのある関係を創れば、利益が2倍(取引先がよい卸値を提供してくれる、客単価(バスケットがいっぱいになる))になることを現場に示唆しています。
 
3、「砂漠の男(“Man In the Desert” Selling)」
現場でのセールステクニックを、<何週間も砂漠をさまよった男をイメージすれば、その男がアオシスを見つけたなら、一杯の水でも渇ききった喉を潤すことができる>と例え、砂漠の男の経験した苦しさ(来店したお客様が困っていること)を理解できれば(お客様は)水だけではなく、冷たいおしぼりや日陰になるテント、靴や帽子などで困ったことを解決できるとし、日々現場での顧客アプローチを深耕することで客単価をアップさせています。
 
4、「コミュニケーションとはリーダーシップ(Communication IS Leadership)」
現場のリーダーが会社(お店)の情報を開示し、風通しのよいコミュニケーションを日々実践すれば、現場は自社(従業員を株主より大切にする)と競合企業との違いに触れ、現場士気は向上します。
会社(お店)を導くにはコミュニケーションが不可欠で、リーダーであるためにコミュニケーションは重要な役割なのです。
 
5、「直感は準備なしの心にもたらされない(Intuition does not come to an unprepared mind)」
接客トレーニング時に商品知識について学ぶことで、現場が(商品の)専門家だという意識を持つようになれば現場の仕事にプライドを感じ、結果、お客様のニーズを予見できる直感を駆使できるようになり、お客様の期待を上回る(欲しいものだけに限らない商品の説明)ことへ挑む気持ちが起こるのです。
 
6、「最高のセレクションで最上サービスに最も安い価格(the best selection, the best service & the best pricing)」
現場自身が日々この3つを常に達成すれば顧客の支持を得ることができ、リピートを喚起できるという事実を常に言い聞かせています。
 
7、「ワクワクする空間(air of excitement)」
今のお客様のニーズを知ろうとする好奇心(ワクワク)が生まれる売場(空間)があれば、現場は笑顔になる。商品が素晴らしく陳列され、見やすく整理整頓された商品群の存在は、お店で働くスタッフに働く(整えられた職場という環境)楽しさを醸成し、それがお客様へ伝播していくのです。
 
~現場の判断基準が明確であれば、現場は成長し、売上げはアップする!!~
コンテナストアの強さとは、
「お店で働く人々が何か判断に迷ったら、本社に問い合わせることなく
上記7つの基本原則に立ち返れば、全ての判断に間違いはなくなり、その判断が全て売上げに直接リンクする」
ことを仕組み化(企業風土の現場への浸透)していることです。
 
企業風土(従業員を最優先とする)が他社との差異化の武器になりえるには、
つまり企業風土がコンテナストアのように、
日々のルーチン(定型作業)でも駆使できるように具体化(基本原則)
され、現場が日々実践することが明確になることで
その実践が売上げに直接リンクしなければならない(生産性がアップすることで現場の賃金アップが可能になる)のです。
 
■コンテナストアHP(英語)
(We Love Our Employees(私たちは従業員を愛している)と書いた投資家向けHP)
 
 

講師紹介

清水ひろゆき(H&Hコンサルティング代表)

「成熟した日本市場で勝ち残るためには、オンリーワンの企業風土をつくり、価格競争せずに戦う企業を築くことが必須条件」と主唱するビジネスモデル・コンサルタント。20年に渡り、米国専門のビジネスコーディネーターとして活躍。その間、多くの日本の経営者を引き連れ、100カ国以上、400社以上の優秀...>もっと見る

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